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CAMDEN CRAWL
[2010-08-19 22:00]

in Camden town 2 May 2010

日本も多くのライブやフェスティバルが開催されてはいるものの、イギリスと言う国の中でも取り分けロンドンは音楽イベントやライブの数が毎日数え切れない数で開催されているのは紛れもない事実です。やはり音楽フェスティバルの数の尋常でない沙汰(笑)は、私も知ってはいるつもりでしたが、実際に居着いていると驚かされるばかりです。
その中でも、特にフェスティバルに至っては、日本での感覚のいわゆる野外フェスティバル以外にも、アメリカでのオースティンで開催されるSXSWに習ったような、街一帯を網羅し多くのライブハウスに出入りが出来る1 ticket to everywhere型フェスとでも言うのでしょうか。大阪でも有名なものが年に一回開催されているいますが、エリア全体型フェスの頻度が本当に多いのが最近のロンドンの特徴で、季節も特に夏場のみにとらわれず、それこそ年中やっています。

また、イギリスの音楽産業社会におけるフェスティバルの日本と違う部分として、だいたいのフェスティバルが会場ごとに音楽プロモーター(イベンター)を媒介させることで各ブッキングが別々に運ばれており、会場毎にプロモーター名の冠を付けてイベントが運ばれて行くのも特徴でしょうか。

前置きが長くなりましたが、そのエリア全体型フェスの中でも認知度の高いフェスの一つ、その名の「カムデンはしご」と冠された通りカムデンで行われるものに、昨年に続き一日だけ行って来ました。
しかしながら、夕方以降に参加した私達がこの日に観ることが出来たのはたった5バンドです。日本のフェスと違い、各会場ごとに上手くタイムテーブルがずらされているようなことがなく、何故か残念なことに全会場同じタイムラインで進んで行くので、結局沢山のバンドが観られないのが、何とかならないのかな~と、友人ともぼやいていました(笑)。

まず最初に観たのは、TODD。日本でもよく知られるレーベル兼レコード店のROUGH TRADEがプロモータとなり、Underworldと言うクラブでのラインナップの内の一バンド。以前より、一度観てみたいバンドの一つで、たまたまこの日に出演していたので迷わずにゴー。
お世辞にも若手と言えない3人ですが、そのパワーたるや凄まじいものがありました。特にボーカルの限界ギリギリまでのエネルギーを放出しながらのパフォーマンスは一見の価値ありです。まさかROUGH TRADEからアルバムがリリースされているとはおよそ思えない、はちゃめちゃ感たっぷりのやかましめバンドで、ステージングを観ていると誰しも笑みを浮かべてしまう、そんなバンドでした。
写真に収めていないのが自分自身で残念です。

二番目は、レポートでお馴染みのDRUM EYESです。先にも述べた通り、数ある会場全てのタイムテーブルが同じ時間配分のため、移動すると、SOUTHERNが冠されたBlue Kitchenと言うステージ付きのバー会場は既に満員になっていました。入り口からバーを通って会場が縦長に広がっている構造で、後方からはステージがかなり見えにくい状態でした。
それにしても、カムデンにもステージのあるパブやバーが無限にあります。だいたいがフェスティバルだったり、何かのバンドを目当てにして初めて訪れる場合がほとんどですが、その度に、こぢんまりしたハコであればあるほど、どうやって皆さん見つけて来るのかなぁ、などと思ったりもします。

さておき、イギリス人にも人気者のDRUM EYES沢山のオーディエンスを前にグイグイと盛り上げておりました。シンセサイザーにエレクトリックバイオリンを担当する紅一点カシーのハンドライティングパフォーマンスも冴えており、会場全体の一体感があったことを記憶しています。
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DRUM EYESのステージが終わり、会場内も雪崩の様に人がはけて行き、私達も別会場へ。

次は、そのバンドの個性的な構成と度肝を抜かれるパフォーマンスが妙に胸倉を攫まれてしまう、超絶キュート・デスボイスのエレクトロ・ハードコア・バンド、ROLO TOMASSIです。

最初に彼らのステージを観た際は、目当てのバンドの対バンだったかと思います。後方から何となく観ていて、かなり極まったデス声で歌う若手バンドなんだなと思っていたら、どう見てもマイクを主に握っているのがブロンドショートカットのかなり可愛い女の子です。驚いて、凝視してみれば、普通にか細いファルセットで歌い上げている。勘違いかと思って近くに寄って観ていると、楽曲の展開が激しく動くと、そのかぼそい歌声が突然にデス声のシャウトに……。そうなのです、紅一点のボーカリストEVAは歌う時にはか細いファルセットを、シャウトはデスボイスをと二刀流で使い分けてパフォーマンスをするのです。ルックスもただならぬクオリティでありながら、それを見せつけるでもなく飄々とパフォーマンスに没頭している状態です。
とにかく驚かされました。

と言うことで、この日も特に彼女がMCするでもなく、ステージに集中が注がれながら、フロアではオーディエンスの男子陣がモッシュに講じている状態。
EVA嬢はとにかくオーラのあるパフォーマーです。

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現在イギリスではフェス出演も事欠かなかったりとなかなか人気者のこのROLO TOMASSIですが、機会が見合えばインタビューなどしてみたら面白いなぁなどとも思います。ちょっと今後努力してみようと思います(笑)。

最後は先ほどの会場、BLUE KITCHENに戻り、SOUTHERNが送るヘッドライナーACTION BEATです。

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引き続き会場はなかなかの混み具合で、聴こえて来るのは、音の密度が高い!音数が多い!ドラムの手数ももの凄い!と言う第一印象で、ステージを必死で覗くと何しろ人数が多い。

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この日、結局ドラムの状態が全く見えなかったのですが、後から気付けば何やらトリプルからツイン・ドラムでライブを行うスタイルなのだそうです。どうりでタムとシンバルの打数が限りなく沢山聴こえていたはずです(笑)。
今後もこのバンドについては必ずやリポートをして行く予定です。


と言ったかたちで、終わってみれば普通のラインナップが多いライブを観るのと変わらない鑑賞数となってしまうイギリスのタウン・フェス。そこが、せっかく三桁以上ものミュージシャンが出演しているものの、終わってみると少しやるせなさが残ります(笑)。

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とは言え、街を練り歩いているその瞬間瞬間もまた楽しい、ということで、次回のレポートも更に今度は今観光地としても若者に支持を集めつつあるShoreditchを拠点にして行われたタウン・フェスであるSTAG & DAGGERをオフィシャルレポートとしてお送りします!