2009.12.4 (fri) @ Akasaka BLITZ, Tokyo
ACTs : FINCH / FUNERAL FOR A FRIEND
12月、東京は冬ど真ん中。赤坂サカスにはスケートリンクが現れ、これからやって来る冬独特のハッピーな雰囲気やクリスマスの予感を街全体が演出している。しかし、そんな街の一角に佇む今日の舞台、赤坂BLITZは街の雰囲気とは対照的にFUNERAL FOR A FREIENDとFINCHの2マン・ツアー開演を直前に控え、オーディエンスが抱えている爆発寸前の何かをフロアの中に充満させその時を待っていた。
客電が消え登場したのはFUNERAL FOR A FREIEND。今回は10月にベスト・アルバム『YOUR HISTORY IS MINE : 2002-2009』を携えてのツアーということもあり、来場したオーディエンスも今日のセットリストへの期待に否が応でも胸が高まる。もはや、ここ日本でも熱烈なファンベースを築き上げ、名実ともにシーンの雄として君臨しているのは説明するまでもない。
1曲目「STREETCAR」のリフを刻むとフロア前方が一瞬にしてモッシュ&ダイヴの嵐に。オーディエンスも歓迎ムード全開でバンドの演奏と一体化していく。一瞬にして会場全体が熱気を帯びていき、BLITZの外と会場内の気温差は一瞬にしてどの位になってしまったのかわからないほど。彼らを待ちわびていた気持ちと今日の喜びを最大限に表現した盛り上がりと言えた。
セットリストは序盤から荒々しくヘヴィな流れで「HEARTBREAK」、「WRENCH」と畳み掛けてくる。次から次へと波打ち際に魚が打ち上げられるかのごとく、人の波の上に人が打ち上げられ、そして飛び交っている。何も顧みず、ただひたすら目の前にいるバンドが鳴らすサウンドに身を任せて体を揺らし、歌い、そして気がつくと中を舞ってしまっている。そんな熱いオーディエンスに答えるように、Matthewも1曲歌い終える毎にオーディエンスに感謝の言葉を伝える。「Fuckin' so much」と。
「BEND YOUR ARMS TO LOOK LIKE WINGS」、「RECOVERY」と次々とプレイされる中、「SHE DROVE ME TO DAYTIME TELEVISION」ではオーディエンスも拳を突き上げ荒々しいコーラス隊としてバンドと一体化する。FUNERAL FOR A FREIENDのすばらしさはどんなに"激しい"サウンドであろうと楽曲の中心にあるメロディの存在をオーディエンスと共有して、共に歌い上げることができることなのだと改めて感じた。その"激しさ"と"メロディ"を化学反応させることが出来るバンドなのだとも。そして、ライヴの楽曲をプレイし終わる毎にオーディエンスの歓声が大きなものとなっていき、より会場に一体感が充満していく。
終盤、曲前のMCでMatthewがツアーのパートナーとして一緒に日本の全国各地を飛び回り、暴れ回ったFINCH、そして今日来てくれた日本のファンに最大の賛辞を贈り、「ESCAPE ARTIST NEVER DIE」をプレイ。未だ色褪せることないこの曲を、今日この場にいるオーディエンスが待ちわびていた。曲が終わると「INTO OBLIVION」のイントローのシーケンスが流れ出す。曲のイントロでオーディエンスが縦ノリを飛び越して、一斉にジャンプでノリ出し、恐らく震度3位は記録するほど揺れていた。そして、マイクをオーディエンスに託して歌わせるなど、「ステージとフロアの境界線はないんだ」というMatthewのこの行動で会場の一体感は完全なものになった。
いよいよ大団円を迎え、前の曲の感動的な流れから一転、「AMERICAN FOOTBALL」でフロアはカオスと化す。ダメ押しのラスト「JUNEAU」では狂気の縦ノリを見せ、またしてもフロアが激震。マイクを向け、曲の続きをオーディエンスに歌わせ、大合唱が起こるとエンディングに向かって激しさを増していく。曲が終わると互いの勇姿を讃え合い、一言「ありがとう」といい残してステージを後にした。昨年の2月に来日した際も、その強烈なパフォーマンスで存在感を示してくれたが、今回はさらにそれを上回る演奏だったとこの場にいた全員が強くそう感じたはずだ。
Funeral For A Freiendのパワフルなパフォーマンスに続いて、フロアに姿を表したのは、まさかの再結成でファンを喜ばせてくれたFINCH。再結成のブランクを全く見せない貫禄のパフォーマンスと経験値を積むことで洗練された演奏スキルによって、むしろ新たな領域へと進化を遂げていたと言っていい。新旧ラウドロック・バンドによる共演は両バンドとオーディエンスを讃え合う絆を確かめ合う一夜となった。
Text : Tomoyasu Tanaka (New Audiogram)
Photo : Yuki Kuroyanagi
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LIVE REVIEW : FINCH x FUNERAL FOR A FRIEND "JAPAN TOUR 2009"
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