2012.1.7 (sat) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo
ACTs : GMF / ネリチャギ / envy / 鉄槌
1998年3月14日、改築される前の旧・渋谷ON AIR EASTでGMFの解散ライヴが行われた。そのときに無料配布された7インチのアナログ盤は、いまだに大事に持っている。随分昔のことなので、記憶が不鮮明な部分もあるが、強烈に覚えているのは一音即発、いや、一触即発とも言うべき観客の暴動にも似た騒ぎっぷりだ。モッシュという言葉さえ生易しく聞こえるような、いつケンカが勃発してもおかしくないピリピリ・ムード……、あれから14年の時を経て、あの空気を再び味わうことになるとは。
GMFはストリート・ブランド「Devilock」を立ち上げた遠藤憲昭が、それ以前にやっていたハードコア・バンドで、昨年11月11日に「Devilock」解散発表に伴い、遠藤自身も「(GMFを)最後にもう一回やりたかった」ようだ。その一夜限りの復活ライヴには縁の深いバンドが応援に駆け付けた。レッチリ風味のファンキー・グルーヴが心地いいネリチャギ、メタル成分高めの重量感のあるハードコアで攻め立てた鉄槌、轟音美の激しい嵐を吹かせたenvyと、それぞれ40分ずつ濃密なパフォーマンスを見せつけた。

時計の針が22時を過ぎた頃、YASU(Guitar)、Shin-ichi(Bass)、ATTO(Drums)、そして、ENDO(Vocal)がステージに立ち、唯一の1stアルバム『IN MY MIND』の冒頭を飾る「INTRODUCTION」のサイレン音が会場内に轟くと、ヴォーッと低い地鳴りのような歓声が沸き、そのまま表題曲に雪崩れ込む。瞬時にフロアはぐちゃぐちゃ状態だ。NYハードコア~モダン・ヘヴィネス(死語?)を下敷きにしたゴリゴリ&ヘヴィな演奏は、もちろん時代性は感じさせるものの、無駄を削いだ鋭い切れ味は全く錆ついていない。そこにチェック柄シャツにジーパン姿のENDOが宙一点を見つめながら、喉を押し殺した熱い咆哮をかます。歌も演奏もギラギラした野卑な魅力全開で、これでアドレナリンが放出しない訳がない。



2曲目「WHY WE…」でENDOは観客側に二度もダイヴを決め、3曲目「WHITE DEVIL」ではex.ALL LIVING THINGSのAKIRA(Vo、全身を震わせながら歌うあのスタイル!)をゲストに迎え、ツイン・ヴォーカルで掛け合う場面には心底ゾクゾクした。「帰って来たぞー、おい! 10数年ぶりです……。はじめた頃は20代前半、今は40(歳)だからもう限界です。でも意外と声出てるでしょ?」と屈託なく語った後、ノンストップで矢継ぎ早に持ち曲のすべてを吐き出していく。後半、やはりと言うべきか、前方で客同士のケンカが起き、「最後だから楽しくやろうぜ! 俺は楽しくやるのが音楽だと思ってるから」とENDOがなだめると、“仲間の大切さ”を歌った「DEAR MY FRIENDS」で本編を締め括る辺りは、あまりにも偶然完璧! な流れだった。



会場内のGMFコールに応え、再び登場すると、「もう全曲やっちゃったから、同じ曲やるんで。これからも俺らの周りのバンドを応援してください!」と告げると、ラストは余力を絞り出すように再び「IN MY MIND」を叩きつけ、50分に及ぶライヴは幕を閉じた。GMFはもちろん、会場も90年代にそのままタイムスリップしたような客層で、常に危険と隣り合わせにあるライヴハウスのあの緊張感を思い出した。その反面、「青春時代に戻るなあ~、Hi-STANDARDがまだアンチ(新宿ANTIKNOCK)でやって頃だもん」と当時を懐かしく振り返る声を耳に飛び込んできた。どこか同窓会的な和やかさと殺伐とした空気が入り混じる独特な空気に、居心地の良さを感じる自分がいた。別に争いごとがいいとは言わない。ただ、音楽は常にリアルな感情を呼び覚ます発火装置であってほしい。今日のライヴを観て、つくづくそう感じた。
Text : Ryosuke Arakane
Photo : Tsukasa Miyoshi (Showcase Management)
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