2012.2.21 (tue) Shimokitazawa GARDEN, Tokyo
BACK DROP BOMBによる4年ぶりのニュー・アルバム『THE OCRACY』の発売日(2月22日)の前日、下北沢のライヴ・ハウスGARDENにて彼らのフリー・ライヴがおこなわれた。これは事前に応募者を募り、その当選者だけが参加できるというプレミアムなもので、相当数の応募があったにも関わらず、スタッフ陣は当選者たちが本当に足を運んでくれるものなのかどうかギリギリまで心配をしていたそうだが、そんな心配をよそに、当日は溢れかえらんばかりの熱いファンたちが集まった。
開演時間の15分くらい前、入場手続きを済ませフロアに入ると、ブワッとすごい熱気が押し寄せてきた。フロアはすでに鮨詰め状態。ニュー・アルバムに参加してる元Riddim SaunterのTA-1がオープニングDJを務め、ブレイクビーツやヒップホップ主体の選曲で、早くも臨戦状態といった感じでいまかいまかとメンバーの登場を待ち構えるオーディエンスたちのテンションをさらに昂ぶらせている。
客電が落ちると、『THE OCRACY』の冒頭を飾る「INTRO」が流れ、ステージ全面を覆っていた白いスクリーンに7STARS DESIGNのデザインによる『THE OCRACY』のジャケットが映し出される。スクリーンがゆっくりと上がり、会場にサイレンが鳴り響くと、メンバーがステージに姿を現した。会場の熱気が一気に沸点に達する。EGO-WRAPPIN'のサポートなどで知られる武嶋聡、山縣賢太郎(オーサカ=モノレール)の2名のホーン隊を加えた総勢8人編成。1曲目はニュー・アルバムからの「PROGRESS」。そのすごい音圧が、オーディエンスの怒号にも似た歓声を軽々と上回った。


堰を切ったようにオーディエンスがステージ前方に密集し、最前線では早くも激しいモッシュ・ダイヴが繰り広げられる。「PROGRESS」に続き、さらにニュー・アルバムからの「VOICELESS SCREAMIN'」。ファンキーなダンス・ビートとへヴィでラウドなギター・サウンドを混合させたこの強烈な新曲に会場が激しく揺れる。息継ぐ間もなく、「Bounce It~Blazin'」、「Turn On The Light」とキラー・チューンを立て続けに投下。拳をあげ、身体をぶつけ合い、まだ前半だというのに、会場は壮絶なまでのカオス状態に。「Turn On The Light」の演奏が終わった段階で、僕の隣にいた女性のグループは肩で息をしながら、「もう、ここまでで十分過ぎるくらい。(彼女の体力的に)全部出し切った……」と言っていたほど。


次に彼らが披露したのは、BACK DROP BOMBの新境地とでも言うべきメロウなファンク・バラード「RENZOKU NO MIRAI」。『THE OCRACY』収録の新曲だ。白川はインタヴューで『THE OCRACY』をファンク・アルバムだと説明していたが、この「RENZOKU NO MIRAI」や在日ファンクとのコラボ曲「Ready ON THE Ground」のみならず、本作ではPファンクやアフロ・ミュージック、あるいはディスコやハウスの黒いグルーヴが随所に散りばめられ、絶妙なアクセントになっている。ギターの田中は同じインタヴューで「いまクラブでかかっている音は何でもあり」と言っていたが、まさにそうした現場に足しげく通い、体得した空気感のようなものが音の節々から伝わってくる。こんな面白い音を出せるバンドは、いま世界中を見渡しても、そうそうお目にかかれるものではないだろう。

続き、「Remind Me」、「In Order To Find The New Sense」と超ど級のキラー・チューン続け、再びフロアを爆発させると、メロディアスかつ奇想天外な展開が刺激的なダンス・ナンバー「BEAT DOWN」(新曲)、そして「You Up Around」という流れでこの壮絶なライヴを締めくくる。前述の女性のグループはもう精根尽き果て動けなくなっている感じだ。当然ながら、これだけのライヴを見せられて、これで終われるはずもなく、場内はアンコールの拍手が鳴りやまない。戻ってきた彼らが投下したのは「Bad News Come」。筆舌しがたい壮絶な盛り上がりと余韻を残し、この日のライヴは幕を下ろした。

『THE OCRACY』が彼らの新しいマスターピースであることは言うまでもないが、そのとてつもない新作を作り上げたBACK DROP BOMB自体も現在、最高に素晴らしいコンディションであることが感じられた。2012年のBACK DROP BOMB、絶対にヤバい! 見逃すな!!
Text : New Audiogram
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