2010.3.23 (tue) @ Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo
ACTs : HAWAIIAN6 / HARDCORE FANCLUB / the band apart
HAWAIIAN6の3rdアルバム『BONDS』は、難産に次ぐ難産の末に完成した作品だった。もう悩み過ぎた脳味噌のシワまで楽曲に刻印し、それがまた劇的要素に拍車を掛けたようなイビツなる傑作だったゆえ、このツアー・ファイナルをなにより楽しみにしていた。
まずトップは、HAWAIIAN6のレーベル"IKKI NOT DEAD"契約第1号バンド(5月に1stアルバム発売)に抜擢されたHARDCORE FANCLUBだ。COKEHEAD HIPSTERSのKOBA (Vo)とFUCK YOU HEROESのRYOSUKE (B)を擁する5人組で、鼓膜を引っ掻く金切り声を武器にして、80年代ハードコアの野蛮性と突拍子のなさを束ねた中指突き出した直球感にシビれた。そして、3月にミニ・アルバムを発表したばかりのthe band apartが颯爽と登場する。正直、このラインアップの中でアウェイ感があるのではと思ったが、まったく問題ナシ。ホヤホヤの新曲を織り交ぜたセットで、艶めいた歌声とプログレ風味の難解フレーズを、流線形ポップで聴かせる手腕はさすがで観客もノリノリだった。
2階席まで立錐の余地なく膨れ上がった会場に、HAWAIIAN6のメンバー3人がようやく姿を現した。1曲目「Egoist」が放たれると、観客は渦潮に飲み込まれていくような凄まじい暴れっぷりだ。HATANO (Dr)が「特別なことは何もしないけど、特別な夜にします。思いっ切り遊べよ、ここには自由があるから!」と宣言すると、「The Misery」、「Blackout」、「A Praise Of Human」の最新作からの三連打は序盤のハイライトと言えるもので、濁流や暴風雨と表現したくなるとんでもない疾走感とエネルギーを撒き散らす。大げさな言い方に聞こえるかもしれないが、もはやジャンルを優に飛び越えた、未曾有のオリジナル・サウンドと形容せずにはいられない。
中盤には「Your Song」、「Light And Shadow」なども必殺チューンも織り込み、激走の手綱は微塵も緩める気配はない。本編ラストの「Brand New Down」では銀の紙吹雪が舞い落ち、このバンドにはちょっと珍しいサプライズまで盛り込まれ、その意外性に会場もより一層沸き立った。
アンコールで再び戻ってきたHATANOは「銀の紙吹雪とか、俺ららしからぬことをやってみた。今日はカメラを回してて、いつか気が向いたら映像で出します」と照れ臭そうに言った後、「(デビュー時は)マイナーコードで周りに暗いと言われ続けてきたけど、売れるために音楽をやってきたんじゃない。マイナーコードの音楽やってて良かったです」と晴々しく語る様も印象深かった。それから「Ever Green」などの懐かしの曲をプレイすると、まさかのWアンコール(観客の1/3は帰っていた)にまで応えたバンドは「Magic」を演奏するもYUTA (Vo & G)のギター・トラブルで中断、仕切り直しで最後に「Promise」をやり抜き、1時間50分に渡る長尺ライヴは終わりを告げた。集大成と言えば毎回そうだが、本当にHAWAIIAN6の集大成を見た、という実感を腹の底から味わうことができた濃厚ライヴだった。
Text : Ryosuke Arakane
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