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LIVE REVIEW

鈴木慶一 "TOUR 08 Captain and First Mates"

2008.4.4 (fri) @ Shibuya DUO MUSIC EXCHANGE

天井から吊るされたTシャツやシーツ、機材に絡みつくロープ。たどり着いたDUO MUSIC EXCHANGEは、そんなふうに航海中の船室さながらの様子だった。ムーンライダーズ・鈴木慶一が、じつに17年ぶりに発表したソロ・アルバム『ヘイト船長とラヴ航海士』のリリース・ツアー東京公演。

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まず登場したのは、今作のプロデュースを手がけた曽我部恵一。実質上の慶一のソロ1作目となった『火の玉ボーイ』の名曲「スカンピン」をアコギで弾き語る姿に、30年前の鈴木慶一の姿をダブらせた人も多かったんじゃないだろうか。そんな意表を突くオープニングから、自ら「シー・シック・セイラーズ(=船酔い水夫たち)とキャプテン・ヘイト!」と名乗りを上げ、慶一とバンド・メンバーが現われた。

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新作から、「スカンピン」の続編(?)「Sukanpin Again」や、「夢のSpiral」「KeiichiからKeiichiへ」といった、スロー~ミディアムな曲をプレイ。打ち込み音やエフェクターを使用しながらもアコースティックな音色が耳に残る演奏と、サポート・メンバー、上野洋子、高田みち子によるコーラスがソフトなサイケデリアを描いていく。

アルバム『月面賛歌』で曽我部が詞を手がけた「恋人が眠ったあとに唄う歌」を挟み、曽我部がオリジナル曲「浜辺」や、『火の玉ボーイ』から「僕の倖せ」を演奏。こんなふうに、両者の曲をお互いが演奏し歌っていても違和感というものが全くないのは、2人の持つ、ロマンティックでどこか愁いを感じさせるメロディ・センスに共通したものがあるからかもしれない。

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リリカルなピアノ曲「Love&Hate」や、無国籍感たっぷりの「白い浮標」、打ち込みやエフェクトを多用したディープなダンス・ミュージック「An Old Chicken Boy」など、後半に向かってライヴはますますサイケ感を増して、さながら、航海中の船がさまざまな国に停泊していくように、次々と違った色彩を描き出す。この日のライヴは終始、そんな旅情をイメージして演出されていたように思う。

アンコールでは、はちみつぱい~ムーンライダーズ~ソロ作を網羅したこのライヴでもそのハイライトとなった「センチメンタル通り」「塀の上で」を披露。よりいっそう大きな歓声と拍手が送られる中、ヘイト船長とラヴ航海士、そして船酔い水夫たちは去っていった。

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ムーンライダーズでのヴォーカルとはまた違った繊細な歌声はよりいっそう生々しく、アルバムで聴かせた、キメ細やかに作りこまれたサウンドは、新鮮な勢いを持って響いていた。デビューから34年を経てなお感じるこの瑞々しさはきっと、これからもずっと変わらないのだろう。

Text : Ayumi Tsuchizawa
Photo : Noboru Yamamoto

Set List
01. スカンピン
02. Sukanpin Again
03. おー、阿呆船よ何処へ
04. 夢のSpiral
05. Keiichi からKeiichiへ
06. 薬屋さん
07. 雨は、今日も、やみそうにない
08. 2粒の雨はひとひらの雪に
09. 自動販売機の中のオフィーリア
10. 恋人が眠った後に唄う歌
11. 浜辺
12. 砂漠
13. ぼくの倖せ
14. 偽お化け煙突
15. Love&Hate
16. 白い浮標
17. An Old Chicken Boy
18. 月にハートを返してもらいに
19. SATELLITE SERENADE REMIX
20. Boat of Fools
-Encore 1-
21. 煙草路地
22. センチメンタル通り
-Encore 2-
23. 塀の上で

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