2009.5.26 (tue) @ Daikanyama UNIT, Tokyo
ACTs : NO AGE / TELEPATHE / にせんねんもんだい
海外有名主要メディアから高い評価を得つつも、DO IT YOURSELFのスタイルを突き通し、そのノイズとローファイなサウンドで、インディ・シーンに大きな衝撃を与えたNO AGE。SUB POPの最重要バンド、LAのアンダーグラウンド・シーンのオピニオン・リーダーと彼らを称する肩書きは数あれど彼らの本質をそんな言葉ではとても言い表すことができない。彼らの鳴らすサウンド、スタイルを感じるため、代官山UNITに足を運んだ。
日本からのフロントアクトは、東京のアンダーグラウンド・シーンを代表するガールズ・ノイズ・バンド、にせんねんもんだい。機械的なビートがなり始めると、静かにステージに佇んでいた彼女たちがビートにあわせて、体をゆらす。少しずつ変化する金属的なギターのフレーズや単調なベースの音に身をまかせると、彼女たちの狂気のようなサイケデリアがひろがる、一曲30分超えというアヴァンギャルドすぎる新曲「FAN」を少し短めに演奏し、反復するビートとベースにのるエクスペリメンタルなギターが印象的な「Mirror Ball」につなげていった。たった3曲だけであったが、なにかにとりつかれたかのようにストイックに演奏する一見普通の女の子3人組に慄き、釘付けになった観客が多数見受けられた。

にせんねんもんだい
続くアクトは、NYブルックリン発のガールズ・デュオ、TELEPATHE。もはや音楽とアートが渾然一体となったブルックリン・シーンにおいて、数々のアーティストやデザイナーから注目されている彼女たちが鳴らすサウンドはヒプノティック(覚醒的)なダンスミュージック。デビュー・アルバムとなった『DANCE MOTHER』から「MICHAEL」「IN YOUR LINE」でトランシーなシンセサイザーと中近東風のパーカッションで、ドリーミーな世界へ連れてったかと思うと、DIPLOとMAE SHIといった多彩なリミキサーで話題をよんだシングル「CHROME'S ON IT」へ絶妙なブレイクでつなぎ、アーバンで繊細な彼女たちのサウンドの良さをみせつける。最後は「SO FINE」で観客を煽り、先行してしまっているスタイリッシュなイメージを打ち破るかのようにパンク・マインドをみせつけ、幕をひいた。

TELEPATHE
ほどよくチルアウトした会場にドラムセットとフラッグのかかったべースアンプ、ギターアンプがセッティングされると、いよいよNO AGEの2人が登場。彼らは気取ることなく、人懐っこい笑顔をうかべ日本語で挨拶をすると、フィードバック音をかきならし、歓声を会場にひろげさせた。1曲目はヘヴィなグランジサウンドとポップなメロディのバランスが絶妙な「TEEN CREEPS」。タイトルからして、SUB POPの伝説的バンドNIRVANAへのオマージュだろうか、少年の悪だくみのような笑顔で演奏する2人から醸しだす空気が、会場の雰囲気を彼らのホームでもありアート・スペース兼ライヴハウス"THE SMELL"に近づけていく。ストレートなパンクナンバー「HERE SHOULD BE MY HOME」でさらに勢いを増し、ショートナンバーでありながらも少しセンチメンタルでローファイな「CAPPO」へとなだれ込んでいった。

NO AGE
初期の作品であり、NO AGEのサウンドを印象付けた「EVERY ARTISTS NEEDS A TRAGEDY」「MY LIFE'S ALRIGHT WITHOUT YOU」が続けざまに演奏され、ノイズとガレージサウンドの見事な融合が描くサウンドスケープに会場が飲み込まれていく、ベースレスだからこそ映えるフリーキーなドラミングに、爆音でノイジーなギター、そこで鳴る良質のポップ・メロディ。それは70’sロックからシューゲイザー、オルタナ・ロックの間を自由に行き来し、観客を魅了し、突き動かせる。


アルペジオの美しい新曲では、NO AGEのさらなる変遷を感じさせたが、続く「NECK ESCAPER」ではDr/VoであるDEANの一見なげやりでありながらも、なぜか心地よい歌が純粋に染みわたる。「DEAD PLANE」で穏やかで美しい轟音ノイズを鳴らし、お得意のガレージ・サウンドへと展開すると、これまた爆音の「SLEEPER HOLD」へ。絶叫のようなサンプリング音が印象的な新曲「FEVER DREAMIN」をやると名曲「ERASER」へ。フランジャーのかかったギターがエレハモならではの音の広がりをみせ、CD以上に深みと破壊力をみせつけ、観客を圧倒させていった。

そしてUSインディらしい、カラッとしたキャッチーなパンクナンバーをみせつけ、また耳鳴りのようなフィードバックノイズを鳴らし、「ありがとう」という声をループさせ、2人は一旦ステージから立ち去った。
鳴りやまないアンコールでは「BOY VOID」と「EVERYBODY'S DOWN」に一度やった曲のブリッジをはさむなど、観客を困惑させ、確信犯的な試みをし、なによりも本人たちが楽しんで演奏しているのが見受けられた。轟音ノイズでありながら観客を突き放さない懐の深さ、これがNO AGEの最大の魅力といったところだろうか。決してメジャーでは生まれ得ない独自のスタイルだからこその魅力であり、そしてそれはコアな音楽ファンの心をつかんで離さないのだ。
Text : Chihiro Onodera
Photo : SM/AEIOU
にせんねんもんだい Set List
01. FAN
02. MIRROR BALL
03. IKKYOKUME
TELEPATHE Set List
01. MICHAEL
02. IN YOUR LINE
03. CHROME'S ON IT
04. HEAT
05. LIGHT'S GO DOWN
06. DEVIL'S TRIDENT
07. SO FINE
NO AGE Set List
01. INTRO
02. TEEN CREEPS
03. HERE SHOULD BE MY HOME
04. CAPPO
05. EVERY ARTISTS NEEDS A TRAGEDY
06. MY LIFE'S ALRIGHT WITHOUT YOU
07. NEW 2
08. NECK ESCAPER
09. DEAD PLANE
10. SLEEPER HOLD
11. FEVER DREAMIN
12. ERASER
13. BRAIN BURNER
14. MINER
-ENCORE-
15. BOY VOID
16. EVERYBODY'S DOWN