2011.11.25 (fri) @ Shibuya CLUB QUATTRO, Tokyo
新橋や六本木ならいざ知らず、汗っ臭いHAWAIIAN6のライヴ現場で「社長ー!」という単語を耳にするとは、夢にも思わなかった。新生HAWAIIAN6のお披露目となった"one by one"ツアー・ファイナルは即完だったらしく、彼らの再始動を多くの人が待ち望んでいたことを痛感した。オープニング・アクトは、来年<IKKI NOT DEAD>からファースト・アルバムをリリースすることになった岡崎発の4人組NOT A NAME SOLDIERSだ。メタリックなギターとブンブン唸るベースがなんとも男臭く、砂利道を豪快に突っ走るような筋肉質のハードコア・サウンドからは、色目を一切使わない一本気な人間味が滲み出ていた。「東京10ヵ月ぶりだな、いろんな意味でただいまー!」とHatano(Drum)が覇気漲る挨拶をすると、遂にHAWAIIAN6の登場だ。
FUCK YOU HEROES、HARDCORE FUNCLUBに籍を置き、HAWAIIAN6の記念すべきデビュー作『FANTASY』をリリースしたレーベル<STEP UP RECORDS>の社長でもある新加入のRyosuke(Bass / Chorus)を見て、これが新しいHAWAIIAN6の姿だと、すんなり受け入れるのは難しかった。だが、1曲目「The Lightning」からRyosukeはベースにコーラスにフル稼働し、Yuta(Vocal / Bass)の歌を、バンド・サウンドを全力で支えている姿を見ると、溶け込むのは時間の問題だなと思った。フロアもToru在籍時のラスト・ライヴ(今年1月・新木場STUDIO COAST)に勝るとも劣らぬ活気が渦巻き、「ようやく帰って来てくれた!」という歓喜が場内には充満していた。
8曲目「A Piece Of Stardust」が終え、Ryosukeの自己紹介タイムに入ると、「社長ー! 社長ー!」と温かい歓声が上がるなか、「正直、すごく面倒臭かった。みんなと同じくらい大好きなバンドだし、オレが入って(バンドが)なくならなくて良かった。HAWAIIAN6を楽しみたかった人間だけど……、これからもよろしくお願いします!」と語った。その虚飾のない言葉の奥に、並々ならぬ決意の強さを感じずにはいられなかった。それから無理やり作ったという現3人による初の新曲「one by one」をプレイする。これが無駄を削いだシンプルな曲調で、YutaとRyosukeがツイン・ヴォーカル状態で激しく掛け合い、とにかく前進あるのみ! と言い切った一点突破の衝撃力に長けた楽曲だった。「Magic」~「Ever Green」~「Rainbow,Rainbow」とファンに馴染みの深い必殺チューンを連発した後、Hatanoは「“one by one”で1+1=2、3、5にできないかと思って。おまえたちがワーッと騒ぐのは届くんだよ、オレたちが東北に届けるから! 南三陸行ったけど、あまり変わってなかった。2、3歳のガキが夢を諦めるのは早すぎる……、共に力を合わせて行こう!」と力強く呼びかける。
後半戦から本編最後の「Song Of Hate」まで観客のシンガロングはますます大きくなり、アンコール「Promise」~「Light And Shadow」の流れはさらに圧巻で、メンバー3人がありったけの感情をぶつけ合い、どんどん加速していく演奏に完全に飲み込まれてしまった。HAWAIIAN6の第二章はここからが始まり、と言えるだろう。現3ピースのケミストリーは、まだこれからだと思う。その意味で今日はバンドの初期衝動が炸裂した貴重な一夜だった。彼らが再び“一つずつ(one by one)”積み重ねていく姿を心から楽しみにしている。
Text : Ryosuke Arakane