<THE BAWDIES インタヴュー>
――メジャー1stアルバム『THIS IS MY STORY』リリース後、行った30本におよぶ全国ツアーはどんな成果が残せたと考えていますか?
ROY (Vo & B) :
『THIS IS MY STORY』が僕らにとってターニングポイントになった作品だということが感じられました。これまでは、けっこうブラック・ミュージックが大好きで、それを土台にしているとか、それに近いことをやっているからTHE BAWDIESが好きっていうお客さんが多かったんですよ。言ってしまえば、マニアックな音楽ファンが多かったんですけど、今回のツアーはブラック・ミュージックを知らない世代のお客さんや、純粋にTHE BAWDIESの音楽を楽しんでいるというお客さんがすごく増えましたね。おかげで、『THIS IS MY STORY』を作ることで、本当に自分たちらしい音楽を演奏できるようになったんだと実感できました。それが自信にもなりましたね。
――本当に自分たちらしい音楽と言うと?
ROY :
インディーズでやっていた頃は、今の時代を生きている自分たちの感覚を出しすぎると、ブラック・ミュージックの良さが失われるんじゃないかとか、逆にブラック・ミュージックにこだわりすぎると、自分たちらしさが出せないんじゃないかとか、いろいろ考えながらやっていたんですけど、『THIS IS MY STORY』では自分たちが大好きなブラック・ミュージックに、本来、自分たちが持っている感覚を絡めることによって、THE BAWDIESサウンドと言えるものができたという実感があったんですよ。
――ああ、なるほど。7月のツアー・ファイナルでも、ふだんLittle Richardとか、Ray Charlesとか絶対聴いてそうもない女の子たちがキャーキャー言っているのを見て、すごいなぁって思いました。僕なんかはついついマニアックな視点で見てしまいがちなんですけど、ブラック・ミュージック云々は関係なく、THE BAWDIESはTHE BAWDIESだからかっこいいってファンがしっかりついているんですね。
ROY :
すごくうれしいことですよね。でも、最近は、そういうファンの子たちが僕らのルーツであるブラック・ミュージックを掘り下げようとしているみたいで。ホント、女子高生とか女子中学生ですよ。そういう子たちがライヴの後、僕らのところに来て、「Sam Cooke、ヤバいですよね」とか「THE BAWDIESをうちで聴いてたら、お父さんが興味を持っちゃって、一緒にライヴに来たんです」とかって(笑)。すごくうれしいですよね。
――ところで、メジャー1stシングルの「IT'S TOO LATE」は、『THIS IS MY STORY』と、その後の全国ツアーの総決算なのか、それとも次のアルバムの予告なのか、バンドとしてはどんなふうに位置づけているんですか?
ROY :
「IT'S TOO LATE」は、全国ツアーを終えてから作って、そのままの勢いでレコーディングした曲なんですよ。『THIS IS MY STORY』は、さっきも言ったようにTHE BAWDIESのロックンロールを作るというバンド結成時の目標がようやく達成できたアルバムだったんですよ。だから、次の曲はそこからの第一歩。今、感じていること、思っていることをそのまま……これをやったらイマドキすぎるとか、これをやったらルーツすぎるとか、そういうことは何も考えずに自分たちから出た音がまさにTHE BAWDIESサウンドだってことを思いながら好きなようにやってみよう。それが僕らの次の一歩であり、今のTHE BAWDIESサウンドになるんじゃないかってことだけを思いながら作ったのがこの曲なんですよ。全国ツアーを終えて、その後、夏フェスが待っていたんですけど、その準備期間中の一番燃えている時期のエネルギーと、ツアーで感じた一体感がサウンドに出ました。ノリのいい曲を作ろうとかシングルだからキャッチーな曲を作ろうとか全然考えてなくて、レコーディングはお客さんと一緒になって楽しめる曲を、体が勝手に求めたとか、自分たちが思っていたことが自然にサウンドに現れたとかって感じでしたね。
――歌詞は恋人との別れとも受け取れるんですけど、これまでいたところから新たに動き出そうという気持ちもこめられているようですね。
ROY :
そうなんです。うれしいな。わかってくれてる(笑)。そうなんですよ。恋人との別れと考えることもできるけど、自分の周りにあるさまざまな問題が今までのようにまとわりついてきても、今の俺はそんなことに煩わされないぞ。なぜなら、もう前に進んでいるんだとか、今までのTHE BAWDIESと思っていても、俺たちはもうそこにはいない。なぜならもう前進しているんだとかってことをメッセージとして伝えたい……伝えたいと言うか、自然にそういうふうになったんですよ。これまでは曲と歌詞を同時に作るってことはなくて、曲を作ってから歌詞のイメージを膨らませていたんですけど、今回は曲と歌詞がほぼ同時にできましたね。
――カップリングは、前回のツアー・ファイナルのライヴ音源を9曲、メドレーで収録しているんですね。
ROY :
そうした理由はいろいろあるんですけど、まず一番に僕らはライヴ・バンドなんですよね。ただ、THE BAWDIESのことは知っているけど、ライヴに足を運んだ人って、まだまだその一部だと思うんで、僕らが一番大事にしている部分を伝えることが絶対、必要だと思ったんですよ。それで、ライヴ会場に遊びに行きたくなるとか、ライヴ会場に遊びに来ている雰囲気を楽しめるような作品を作りたかったんですよ。ライヴ盤って言うと、作品としてちゃんとしたものにするために場合によっては手を加えることもあると思うんですけど、 今回そういうことは必要ないと考えました。ライヴに遊びに来てくれている雰囲気を大切にしたいから、曲間のMCも演奏のミスもそのまま残しているんです。曲も区切ってません。だって、ライヴに来て、曲を飛ばすことってできないじゃないですか。僕らのライヴをそのまま味わってほしいんです。音も、いい音ということではなくて、会場にいるお客さんの耳で聴いたようなサウンドにこだわっているんですよ。
JIM (G) :
だから、音もちょっと遠いんですよ。ミックスでいじることもできるんですけど、あえて、観客席にマイクを1本立てて録ったような音にしているんです。
ROY :
新しいTHE BAWDIESの第一歩と言える曲ができたので、それと一緒にライヴ・メドレーでこれまでのTHE BAWDIESも味わってもらったら、新しいTHE BAWDIESをより一層楽しんでもらえるんじゃないかって理由もあります。
――そう言えば、ライヴのことを、いつもパーティといつも言ってますよね?
ROY :
ええ。パーティって、みんなで楽しむものじゃないですか。僕らが主役で、お客さんはそれを見ているだけって関係ではつまらない。オーストラリアにツアーに行ったとき感じたんですけど、オーストラリアでは一人一人が本当に自由に楽しんでいるんですよね。でも、求めているところは一緒なんです。それによって起こるグルーヴや一体感がロックンロールの一番の魅力。そこを大切にしたいと思っているんですけど、ライヴって言っちゃうとちょっと堅苦しく考えてしまうようなところが日本にはあるじゃないですか。外国みたいにお酒を飲みに行く感覚でライヴを楽しむ習慣がない。ライヴって言っちゃうと、予定を何日も前から空けて、友達と予定を合わせて、待ち合わせしてって、それじゃ気軽に楽しめない。もっと気軽に楽しいことをやろうよ、みんなで楽しもうぜって、そういう意味でパーティと言ってるんです。お祭でもいいんですけどね(笑)。実際、僕らの中で気持ちが盛り上がったときは、お祭って言いますよ。
――ところで、そろそろ新しいアルバムについても考えはじめているんですか?
ROY :
来年ぐらいに出せたらいいとは思うんですけど、これからワンマン・ツアーもあって、なかなかじっくり曲を書ける時間がないんですけど、そうは言っても書けるときに書かないと、いつまで経っても出せないんで、気持ちの赴くまま作れるときガンガン作るつもりです。それに今度のワンマン・ツアー、前回のツアーから曲が1曲しか増えてないと、寂しいっていうのもあるんで、サプライズとして、新曲をさらに何曲か聴かせられたらいいとは思っています。ただ、今の段階では絶対にやるとは言えないんですけど(笑)。
JIM :
もちろん、前向きには考えていますよ。
ROY :
はい、作っている曲も何曲かはあるんで。
――期待しています。では、最後にシングルの聴きどころとワンマン・ツアーへの意気込みを聞かせてください。
MARCY (Dr) :
僕たちが前に進んでいることをアピールできるシングルができたので、ぜひ聴いてください。そして、ぜひワンマン・ツアーにも遊びに来てください。
TAXMAN (G) :
難しいことを考えずに体で感じてもらえれば、楽しんでもらえると思います。ワンマン・ツアーは初めてなので、何かこれまでとは違った見せ方をできればいいですね。
ROY :
音楽によって人生が何倍にも光り輝くということを信じて、これからも突っ走っていきますので、ぜひ一緒に楽しみましょう。楽しむことによって、新たな喜びが見つかると信じています。ライヴに遊びに来ていただければ、楽しいパーティやっていますので、ぜひ!
