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<Tommy Guerrero Interview>
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──METAMORPHOSE 2010のライヴ、素晴らしかったです。ちょうど夕暮れ時のライヴで、なんとも最高でしたね。Tommy :
ありがとう! 僕自身もライヴをすごく楽しんだよ。まだ陽の明るい頃にライヴがスタートしたんだけど、その時はまだ数百人くらいがパラパラといる感じだったんだ。で、とりあえず演奏に没頭しているうちに、暗くなってきたなあと思ってふと顔を上げたら、いきなりものすごい数の人が目の前にいた(笑)。びっくりしたよ。
──だははは。あなたのライヴが終わるころには人でびっしりでしたもんね。あのロケーションであなたのライヴを堪能できるなんて、とても贅沢な体験でした。ご自身のライヴの後はイヴェントを楽しめたんですか?
Tommy :
ああ、もちろんさ。バックステージでCALMのDJを聴いたり、今回は黒澤明監督の映画も手掛けていた照明チーム(神鬼廊)がステージの照明を手掛けていると聞いていたのでそれをチェックしたり、あとはプラプラしたりね(笑)。神鬼廊の照明は本当に素晴らしかったよ。本当はずっとあの場にいたかったけれど、日本に到着してからMETAMORPHOSEのライヴまでほとんど寝ていなかったから、Manuel Gottschingの最高に心地よいギターの調べが響いてきたあたりで、「このままだと気持ち良すぎて爆睡してしまう!」と思って、ホテルに戻らせてもらったんだ(笑)。でも僕なりにすごく楽しめたよ。Grandmaster Flashも楽しみだったんだけど残念がら見れなかった。でも偶然彼と駅で会ったので、CDを渡すことができたんだ。聴いてくれるかどうかわからないけれど(笑)。
──ではさっそくなのですが、新しいアルバム『Living Dirt』についても教えてください。あなたはこれまでもアルバムごとに様々なアイディアを試み新たなサウンドを送り出してきたましたが、本作もまたこれまでのどのアルバムとも違いますね。資料によると本作では、真っ白な状態で(敢えて事前にアイディアを考えず)たったひとりでスタジオに入り、そこから自然に生まれてくるものをそのまま作品にしていくというような工程だったと聞いたのですが、なぜ今回そのようなアプローチでレコーディングしようと思ったのですか?
Tommy :
アルバムを作る度に何か新しいことにチャレンジしたいと思っているんだ。それがなくなったら作品を作る意味がないからね。僕の人生よりも長く残る作品だから、ひとつひとつとても大事に考えている。で、今回のレコーディング・スタイルというのは、僕がひとりでライヴをするときのスタイルを踏襲しているんだ。ギターとループペダルを使用するコンパクトなスタイルだ。ずっと自分がひとりでライヴをやるときのようなイメージでレコーディングをしてみたいと思っていて、今回ようやく試みたというわけなんだ。ドラムをループペダルに繋いで、そこにベースを加えていって……、みたいな具合に作業していった。
──しかもたった5日(2010年の4月19日から25日の間に)で作り上げてしまったとか。
Tommy :
そうだね。
──今回のようなスタイルでレコーディングすることで、新しい発見などはありましたか?
Tommy :
たった5日間でアルバムが作れるってこと(笑)!
──だははは。それは大発見ですね。ちなみに5日間でアルバムを作り上げるという縛りは最初から考えていたんですか?
Tommy :
いや、いろいろな意味で結果論だね。ぶっちゃけ、いつも使っているスタジオがとても忙しくて、短期間で仕上げなくてはいけないという状況はあった。とはいえ、それで納得のいく作品がきちんと完成した。そんな感じだよ。
──抽象的な言い方ですが、本作は全編を通して、どこかもの悲しい曲が多いなという印象を受けました。なんでしょう、例えば心地よいギターが軽快に走る回るような初期の作品の解放感だったり、心地よさというようなものとは、また全然違うものが本作には込められているなあと思ったんです。
Tommy :
たしかに、そうだね。
──こういった本作を支配するムードのようなものは、どこから来るのでしょうか?
Tommy :
僕のごく個人的な感情、いまの現実や社会に対する僕の向き合い方……、そのようなものが自然と音楽にも反映されていると思う。
──収録楽曲のタイトルも「the sorrow of tomorrow」、「elegy for the living」など決して明るいものじゃないものが多いですね。
Tommy :
そうだね。そういう気持ちがいまの僕のありのままの心境だからね。
──そうしたあなたの心境の背景には、あなたのいまの生活、あるいはそれを取り巻く様々な社会情勢、そうしたものからの影響もあるのでしょうか?
Tommy :
もちろんだよ。いまの世の中は本当にめちゃくちゃなことが多すぎると思わないか。僕の住んでいるアメリカも、あるいは世界を見渡しても……。逆に言えば、音楽やアートが、現在のそうした状況に作品が少しも影響を受けないんだとしたら、むしろそれはその表現者の意識が低いんじゃないかって思うよ。いまの世の中と現実を見渡せば、楽観的な気分になんて到底なれないよ。
──また一方では、「fight to exist in light」という力強い言葉を冠した楽曲もあります。前の質問とも繋がりますが、例えばあなたはいま身近に起きているどんなことに怒りや悲しみを感じていますか?
Tommy :
たくさんあるよ(笑)。いまアメリカでは保守的なファシストたちが台頭してきていて、連中は嘘をついてでも政治を乗っ取ろうとしている。そうしたことに関心のない意識の低い人たちは、まんまと彼らのやり方に簡単にハマってしまう。言い方が乱暴になるかもしれないけれど、一般市民がアホ過ぎて、簡単に彼らのいいように扱われてしまうんだ。結果、アメリカの民主主義はもうすでに崩壊寸前だ。約束したことがまったく実現されない。僕が住んでいるカリフォルニア州では、eBayのCEOが知事選に立候補したことで話題を呼んでいる。彼女は一回も選挙にいったことがないような人だけど、政治資金は大量にあるから、キャンペーンに1億ドルを使ったり、早い話が金に物を言わせて派手に宣伝しているわけだ。思いっきり保守思想の持ち主だ。ただそのド派手なキャンペーンに愚かな人々は簡単に騙されてしまう。本質よりも、如何に目立つか、如何に(表面上だけ)キャッチーな人物を演出するか、そんなことに目がくらんで、簡単に自分たちの未来を委ねてしまえるんだ。ある意味、末期だよ。金の力で政治を乗っ取ろうとしているんだぜ。一般市民の多くはそんなことにさえ、気が付いてない。もっと言えば、僕の息子が通っている学校も運営資金が足りなくて危うく閉鎖するところだった。いまアメリカでは学校が閉鎖になったり、教員が不当に解雇されたり……、将来を担うはずの子供たちのための場所がどんどん消滅しているという現実がある。まったくこんなに危機的状況であるにも関わらず、多くの人たちはそれに気が付かず、浮かれている。言いたくないような現実ばかりだよ。でも僕は選挙に足を運び、いつか変わるということを信じて一票を投じ続けるしかない。
──日本も同じような状況なので、いまあなたがおっしゃることとてもよくわかります。そんな中で、僕たちがそうしたことに抵抗し、意志を表示していく手段としては、辛抱強く選挙に投票し続けるくらいしかないのでしょうか?
Tommy :
きっとたくさんあるよ。僕たちはいまそうしたことにもっと頭を使わないといけない。例えば、自分が手っ取り早くできる行動としては、自分の使うお金がどこに流れ、どのように使われているのか、そこになるだけ意識を働かせ、お金を使い方、動きをコントロールすることだ。賛成できない企業には金を払わない。逆に何かポジティヴなことをやっている人、自分が共感できるものにお金を投じるようにする。これは非常に大事なことだと思うよ。これもひとつの投票だ。
──そうした状況の中で、音楽やアートは何かしら有効に機能できると思いますか?
Tommy :
もちろん。人生をポジティヴに生きるということそのものが人に大きな影響を与えるし、音楽やアートに接して感動することで、とても大きなパワーを得ることができる。何かを変えるために立ち向かっていく、信念を曲げずに闘っていく、そのための勇気を与えてくれるのは音楽やアートだ。僕自身がそうした体験をしてきたからだけど、音楽やアートには人の人生を変えてしまうくらいの力があるんだ。またそれを多くの人たちと共有し、繋がり、より大きな力を生み出すことができるのも音楽やアートの偉大な点だと思う。
──最後の"共有"というポイントに関してですが、インターネットの普及以降、たしかに個人で可能なコミュニケーションの速度や範囲は圧倒的に広がったと思います。現在普及しているSNSなどの状況を見ても、多くの人たちが国やエリアを超えて繋がっているし、過去にはなかったコミュニケーションが成立しています。ですが、その繋がりの強度というか、深さのようなものって、本当はどうなんだろうなって思うこともあります。インターネット以降の人々のコミュニケーションのあり方、またそこからかつて音楽やアートの共同体が生み出したムーヴメントのようなようなものは生まれ得るものでしょうか、そのあたりについてはどう感じていますか?
Tommy :
TwitterのようなSNSに関しては、マーケティング的な側面では有益な部分もあるのかもしれないけれど、多くは単なる暇つぶしでしかないような気がする。いろいろなことが書かれているけれど、大した目的のない、薄っぺらい自己顕示の表現でしかないようなものばかり見かける。だから僕はTwitterが大嫌いだ(笑)。よく周りからやれって言われるんだけど、マーケティングのためにやるなんて、それこそ本当に興味がないね。そこから何か有意義な共同体が出てくるような気は、僕はしない。実に無駄なネットワークだと思うよ。……(まだかなり話したいことがありそうだけど、タイムアップ!)
──というわけで、すいません、時間が来てしまったみたいです。今日は貴重なお時間をおりがとうございました。最後に日本のファンにむけてひとことお願いします!
Tommy :
……、ひと言って難しいね(笑)。そうだな……、自分の気持ちを信じて、信念を曲げずに突き進んでいってください。いつもありがとう!!
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Tommy Guerrero スペシャル・グッズ プレゼント
Tommy Guerreroのポスターを抽選で3名様にプレゼントします。ご希望の方は下記のリンクからご応募ください。 締め切り:11月15日 ご応募はコチラから 注)応募時にNew Audiogramのメールニュース登録をしているメールアドレスでお申し込みください。登録されていないメールアドレスで応募されますと、自動的にメールニュースに登録されますのでご了承ください。登録がまだの方は、この機会にメールニュースに登録(無料)し、ご応募ください。当選者の発表は賞品の発送を持って代えさせていただきます。 |
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Tommy Guerrero
言わずと知れた西海岸ストリート・カルチャーのカリスマ、Tommy Guerrero。80年代に伝説のBONES BRIGADEの最年少メンバーとして彗星の如くストリート・シーンに登場。ファッション/サブカルチャーまでをリンクさせ、感度の高い若者たちから圧倒的な支持を得ている。盟友Thomas Campbellが運営するGALAXIAから処女作『Loose Grooves and Bastered Blues』を発表した後、UKのMO'WAXからリリースした『A Little Bit Of Somethin'』がクラブ・シーンからも圧倒的な評価を受け、"現代のウエスト・コースト・ミュージックのスーパー・スター"としてTommy Guerreroの名は広く世に広まる。2003年には、Lyrics Born (QUANNUM PROJECTS)をゲストに迎えた『Soul Food Taqueria』、2005年には新機軸を打ち出す傑作EP『Year of the Monkey』など数々の傑作を世に送り出している。またRay Barbee、Matt RodriguezとのBLKTOP PROJECTやTommy Guerrero & Gadgetなどソロ以外でも精力的に作品を発表している。2010年9月8日に通算8枚目となるニュー・アルバム『Living Dirt』をリリースしたばかり。(メイン写真:Lenny Gonzalez)
Tommy Guerrero OFFICIAL WEBSITE
http://www.tommyguerrero.com/ Tommy Guerrero OFFICIAL MySpace
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