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本日6月1日、ついに世に送り出されたOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDの素晴らしき最新作『夢の跡』。本作は3月11日の東日本大震災のため発売延期を余儀なくされた。が、本作の大らかで優しく温かみのあるそのサウンドは、奇しくもこの不安の尽きない3.11以降の世界においてこそ、その説得力と意味をより増して、われわれの心に響いてくるようだ。今回はこの新作『夢の跡』について、また(ご存じの方も多いと思うが)『米騒動』に代表される3.11以降の彼らのアクション、そして10月15日、16日に山梨県道志村「道志の森キャンプ場」にて開催される野外イヴェント"New Acoustic Camp"について、TOSHI-LOWが大いに語ってくれた!!

Text : Ryosuke Arakane
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
夢の跡 / OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
TFCC-86353 1,600yen(tax in)
2011.6.1 on sale
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  1. 夢の跡
  2. gross time ~街の灯~
  3. coffee stain
  4. wisp
  5. pilgrimage
<OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND 『夢の跡』 インタヴュー>
──昨日『米騒動』(被災地に支援物資として米を送るオペレーション/5月12日~18日)が終わりましたよね。事務所(タクティスクレコーズ)の右側に大量の米が積まれてましたが、どれくらい集まったんですか?
 
TOSHI-LOW:
9トン強ぐらいあるんじゃないかな。いい感じじゃないですかね。
──そもそも『米騒動』をやろうと思ったきっかけは?
TOSHI-LOW:
1回目は支援物資として、最低限必要な生活物資や赤ちゃんが必要なものを送って。その次はお菓子を集めたんですよ。ただ、物資を集めるよりも俺たちはライヴや音楽に目を向けて、復興支援できた方がいいと思っているんだけど。被災地の人の声に耳を傾けると、実際物資がまだ足りないところがたくさんあるし、被災地の人は我慢強いからなかなか声を上げないので、自分たちでできることをやろうと。あと、(被災地の人の)要望もバラバラになってきちゃって、その要望を一本化できるものがあるなら、集めやすいんじゃないかと思って。それでリサーチすると、米はストックできるし、実際に避難所以外の人は米を買ってる状態だから。どっちにしろ、米があれば役に立つんじゃないかと思って。それで作戦を練って始めたんですよ。
──最大公約数的な物資として、米が必要だろうと。
TOSHI-LOW:
みんなが必要であろう、そして、みんなが支援できるだろうと思って。ひとりで貯金をはたいて、何トンも買うことはできるけど、それだと続かないし。結局支援しあぐねている人たちも一杯いて、そういう人に対しても敷居の低いもので何かひとつ提示できればいいなと思って。それで自分たちもその米がどこに行くのか気になるから、忘れかけている頃に被災地に行くことで、またそこに目を向けることにもなるし。
──米はどういう形で被災地に運ばれるんですか?
TOSHI-LOW:
被災地の代表のような、地元の町内会のオッチャンみたいな人と密に連絡を取り合ってて。今は福島の南相馬方面、宮城の南三陸町や陸前高田、岩手の宮古から沿岸部各地3県に運ぶ予定で。俺の地元(茨城)から3台トラックが来るので、そこに積み込んで一斉に持って行くと。
──ちゃんとルートができてるんですね。
TOSHI-LOW:
それが正規のルートかわからないけど(笑)。ただ、正規のルートに問い合わせると、「食料は足りてます」って言われちゃうんですよ。どのレベルで足りてるのかわかんないし、オニギリ2個与えていれば足りてると思ってるかもしれないけど……。
──食料が余ってもいい、ぐらいの気持ちで支援を?
TOSHI-LOW:
今、あの人たちは日本でいちばん贅沢していいんですよ。食べたいものを食べて、欲しいものを欲しいって言っていいんですよ。俺の後輩が南三陸にお風呂を作りに行ったんですね。俺たちの活動を見て、その後輩は水道屋だから自分がやれることに気付いたらしくて。で、シャンプーやリンスも募集していたから、俺も持って行ったんですよ。赤ちゃん用のもの、女性だったらこういうものがいいだろとか、いろいろ気を遣いながら持って行ったら、現地の人からウォーッ!て歓声が上がったらしいんですよ。「なんで言ってくれなかったんですか?」と聞くと、被災地のおじさんが「いや、それは贅沢と思って……」みたいな。いやー、そんなの言ってよ、ナンボでもと思って。思いやりを持てば、その人たちの声に応えられると思うんですよ。普段と一緒ですよね。人ん家におみやげを持っていくのに、何でもいいから持っていくのと、喜んでもらいたいと思って考えて持って行くのとでは違うじゃないですか。頭をフル活用して考えたら、気持ちは繋がっていくんじゃないかなって。
──震災以降、TOSHI-LOWさんの中でもっとも変わったことは何ですか?
TOSHI-LOW:
いや、自分の中にあるものは何も変わらなくて。ただ、震災前に自分の考えを実践しなかったり、遠慮してる自分がいて……それを震災以降は堂々と出せるようになったという。
──実践したいけど、できなかった自分というのは?
TOSHI-LOW:
例えばアーティストとしての見え方や、自分の意図とは別にイメージを作られちゃう部分もあるじゃないですか。TOSHI-LOWは喋らねぇ方がいいんだろうなとか、自分でもどこかしら甘えてる部分もあったんですよ。いままでその判断を変える必要性に迫られなかったけど……今はMCでも喋ってるんですよ。本当に思ってることを言って、何が悪いのかなと思うようになって。以前は誤解を受けることで、自分の罪悪感を償っていた気がして。
──罪悪感ですか?
TOSHI-LOW:
こんな歌のヘタな俺が音楽で食べていける。その自分の罪悪感に対して、誤解を受けることでバランスを取っていた気がするんですよ。今はそれをしなくてもいいから、そのバランスを取る必要もなくなったという。だから、自分が思っていることをやり、自分が思ってる通りに歌い、それでもしお金が余るようだったら東北に持って行こうと思って。今やってることも偽善だ、売名だと言われても全然受け入れるんだけど……ライヴに来てくれる人に対しては今思ってることを口にする方が、やってる音楽もヘンな回り道なしにズドンと届いてくれると思うし。いずれ喋らなくなるかもしれないけど……それは復興した日かもしれないですね。
──それって、自分の中でもう腹を括ったという感覚ですか?
TOSHI-LOW:
腹を括ってるつもりだったんだけど、(震災前の)平和な状態で腹を括っても……括れば括るほど、周りから浮いていくのもわかったから。「死ぬ覚悟でやってるんだよ!」と言っても、「死んでないじゃないですか?」とか言われちゃう世の中だから。俺はある種の生き辛さを感じてたし、俺が言ってることが間違ってるんじゃねぇかと思って。そのズレはほんとに凄かった。00年以降にズレ始めたものが自分でも抱えきれないぐらいになって、もうそろそろ音楽が辞めるべきじゃないかと思って。
──そこまで追い詰められていたんですね。
 
TOSHI-LOW:
やっぱりああいう歌詞しか書けないし、愛とか永遠とかウソの歌を歌ってまでやりたくねぇなあと思って。「手を取り合って、がんばれ!がんばれ!」って言ってることは素晴らしいかもしれないけど、それを歌っている人が震災に日に何をしてたかと言うと、はっきり答えは出てるんですよ。結局、ウソだったじゃんって。俺はそういう歌を歌わなくて良かったと思うし、そういう歌を歌わなきゃいけないなら、自分でマイクを折るべきだと思ってたから。もうギリギリでしたね。
──今回の震災によって、TOSHI-LOWさんが歌い続けていたことと現実がまさに合致したと。
TOSHI-LOW:
うん。だから、この震災で一個もビックリしなかった。本当にいずれ来ると思ってたから。ただ、それがどういう形なのかはわからなかったですよ。戦争か何なのか……でも自分の根底を揺るがすような大きな出来事が生きてるうちに絶対来るだろうなって。
──その感覚は、いつ頃から芽生えていたんですか?
TOSHI-LOW:
小1ぐらいですよ。
──えっ、小学校1年生で?
TOSHI-LOW:
ランドセル背負った辺りから、死んだら怖いな、死んだらどうなるんだろうと思って。だから、小学校の頃から基本的に未来の話とか大っ嫌いで。卒業文集に将来の夢を書かなきゃいけなくて、無理やり書いた覚えがあります(苦笑)。
──ちなみに何て書いたんですか?
TOSHI-LOW:
水泳やっていたから、オリンピックの選手になりたいって。絶対行けねぇと思っていたけど、しょうがねえから書いて(笑)。スネた感覚と言われたこともあるんだけど、俺は俺なりにまっすぐだったんですよ。死ぬ確率は100%なのに、なぜみんな平然としていられるのかなって。で、小6から中1にかけて、パンク・ロックに出会って、とりつかれたように好きになったんですよ。一瞬を生きてる感じがするバンドや、パンクの概念に惹かれるようになって……その目覚めが早かったのはそういう感覚があったからだと思います。ヘンな話、生き返る人は一人もいないけど、人がどんどん死ぬことばかりに直面するわけじゃないですか。リアリティは増すばかりですよね。ずっと孤独感がありましたよ。周りの小学生と一緒に遊んでも何か違うなって。日曜日が暮れていく悲しさってあるでしょ?あれがずっと続いてる感じですね。人生はいつか暮れていくっていう感覚があったから。
──そのシリアスな小学生がやっと解放されたと。
TOSHI-LOW:
今年で37歳になるけど、やっと解放されましたね。俺が間違っていたわけじゃないんだなって。とりあえず、ウソ言ってた人たちのことは恨みますね。あと、もう一つ考えてもらいたいのは、いままでの日常と震災後の日常は違っていいと思うんですよ。震災前の日常はこんな大きな地震が直撃するなんて誰も思ってないし、原発が壊れるなんて誰も思ってないし、津波に一瞬にして飲み込まれるなんて誰も思っていなかった。今、震災前の日常に戻そうとする動きがあるけど、それはおかしいんじゃないかなって。新しいスタンダードができるべきだと思うんですよ。それがもっと節電する社会なのかわからないけど、いろいろ見直していかないと、本当の日常は来ないと思ってて。節電だって、俺当たり前だと思ってますから。去年の夏あんなに暑かったのに、クーラー付けたの2回だけですからね。
──えっ、マジですか?
TOSHI-LOW:
それも嫁と子供の要請で「死んでしまうから、今日付けてくれ!」ってお願いされたからで。「我慢」っていう言葉が良くないんですよ。今、皇居の周りでランニングしている人一杯いるでしょ。あれ我慢っていう?
──自ら楽しんでやってますよね。
TOSHI-LOW:
そうそう。だから、そういうことも楽しめるんじゃないかなって。今回、人間は自然に勝てないということがほんとわかったわけだから。日本は経済大国じゃなくて、精神大国になるべきなんじゃないかなって。もう一度、武士道とか呼び戻しましょうよ(笑)!
──サムライ魂を(笑)。
TOSHI-LOW:
うん、俺らは大まかにいえばサムライの子孫ですよ(笑)。昔は飢饉もあって、すごく厳しい日常があった中を先祖が誰一人欠けてないから、自分たちが生まれてきたわけですよ。我々の爺ちゃん、婆ちゃんたちがどんな風に生きてきたんだろうと考えたら、答えは必ずあるはずだから……。
──このまま5、6時間でも話せそうな勢いですね(笑)。
TOSHI-LOW:
音楽の話にいけないですね。
──この流れで切り込めませんよ。
TOSHI-LOW:
ははははは。今回のアルバムは、311を跨ぎましたからね。
──この辺で今作の話をしたいんですが、前作から1年半ぶりですよね。何かテーマみたいなものはありました?
 
TOSHI-LOW:
テーマはずっと一緒ですよ。ただ、震災以降、自分の中で響き方は変わりましたね。リアリティが半端ないから、自分で聴いてウワッ! て思いましたからね。俺はこれがリアリティのある歌だと思っていたから。人は一瞬にして消えてしまうという現実……俺がずっと歌っていたことが実際に起きてしまって……それが俺はいちばん悲しいんだなと思いましたね。悲しくて、悲しくて仕方ない。だから、歌っているんだと思うんですよ。自分が死ぬのが怖いということを歌っているわけじゃなく、人が死ぬのを見るのは怖いし、悲しいし……自分がいなくなることも、みんなと会えなくなるから悲しくて。
──なるほど。前作と比べて歌い方や演奏はだいぶ変わりましたね。
TOSHI-LOW:
ちょっと前から、ソフトなものはもっとソフトに歌ってもいいんじゃないかと思うようになって。ただ、ソフトに歌うと、「何だこれ、気持ち悪!」って自分で思っちゃうんですけど。
──ははははは。
TOSHI-LOW:
でも楽曲、メロディ、楽器がそういう風に鳴っているなら、俺が歩み寄らなければこのバンドでやっている意味がないし、いままでのやり方を通しても意味がないと思って。それに半歩踏み込んだ作品だと思うんですよ。
──楽曲が求めてくるテイストに従おうと?
TOSHI-LOW:
バンドが変わったんだなと思う瞬間が去年あって。いままではMARTINがアコースティック楽器をイジッて、ああだこうだやっていたんですけど。MARTINがある日を境に「KOHKI、ここ全部やってみて!」、「TOSHI-LOW、ここ歌ってみたら?」ってまかせるようになって。以前はMARTINも俺が俺がという感じだったけど、この作品に関してはレコーディングも用事が終わると、「帰るからね」って感じで。それは薄情なわけじゃなくて、ほかの人に口出さなくてもみんなが見えてる風景が一緒だから。一緒に音を鳴らす者同士の信頼感が去年辺りからグッと来たところがあって。
──お互いの感情に寄り添うようになってきたんですね。
TOSHI-LOW:
うん。あと、楽器に慣れたことも大きいんでしょうね。それをクリアするためにこれぐらい時間が必要だったのかなって。そういう意味では過去の作品も、また楽曲も新しい鳴り方になっていくだろうし、無駄じゃなかったんだなと。
──今作は糸の少しのほつれも気にしながら、メンバーが一丸となって丹念に刺繍を織っていったような、優しくて柔らかくて繊細なアルバムですね。
TOSHI-LOW:
最初はアコギを使えば、アコースティックになると思っていたんですよ。でもロックの人間がアコギを鳴らすと、どうしてもロックになっちゃうんですよ。それがもどかしくて……MARTINと言い合いになるのもそういうところだったんですよ。言われてることはわかるけど、どうしようもない自分たちもいて。やっと年月をかけて、少しだけ熟成してきたのかなと。
──作品を聴いてると、いい意味でプレイヤーの顔が浮かばなくて。曲自体の質感や表情がもっとも上にあるという。
TOSHI-LOW:
いい歌って、そういうことだと思うんですよ。曲って聴いてくれる人たちの物だから。聴いてくれる人が自分の物語にできる歌がいい歌だと思うんですよ。これ俺の歌じゃん、俺のテーマ曲だよ、って思えるものがいい曲だと思うから。もしそう思ってもらえたなら、やってる側としては最高ですね。よく無人島に持って行く10枚とかあるじゃないですか。俺はそういうもんになりたくないですよ、甘っちょろい。死ぬときに棺桶に入れてくれるアルバムとして選んでもらえたら……俺は最高の音楽人生だったなと思えますね。
──アルバム名もそうですが、今回は歌詞の中に「夢」という言葉がたくさん出てきますよね。これは何を意味しているんですか?
TOSHI-LOW:
意味するものは未来っすね。そう大きな未来ではないです。明日はこれをしたいね、というのも夢だと思うし。夢が億万長者や不老長寿になることではなくて。なんか、夢自体がでかくなりすぎたんですよ。自分が抱えられない何かを得ることが夢であるみたいな。会社の社長であったり、偉い立場に付くことが夢みたいな人たちが多くなって……話は戻るけど、だから将来の夢を書くのが嫌いだったんですよ。
──そこに戻るんですね(笑)。
TOSHI-LOW:
もちろん、野心はあった方がいいし、自分の枠にこだわっていたらダメだと思うけど。「今日、家族でご飯食べたな」と思うことが夢でいいし、それすらも叶わない人たちが一杯いるわけだから。今日生きてることが、どこか自分の思っている夢の中にいるんだ、要は現在進行形であることをわかるべきだと思うんですよ。明日家族とご飯を食べることが夢なら、今日を生きなければそれは叶わないわけだから。それの繰り返しだと思うんですよね。去年の年末ぐらいかな、「夢」という言葉がバンバン出てきたんですよ。自分でも最初『夢の跡』、ダセッ!と思って。
──(笑)。
TOSHI-LOW:
何回も変えようと思ったけど、それよりいい言葉が全然出てこなくて。タイトル曲の「夢の跡」はCMのために1分だけ、鼻歌のままバーッと作っただけなんですよ。それから(アルバム用に)使うとなったから、完成させなきゃと思って。
──新しい発見はありました?
 
TOSHI-LOW:
そうっすね。1分しかないから、あまりブラッシュアップさせなくていいと思って。
──TOSHI-LOWさんの歌声も誰かに話しかけているような素のテンションですよね。
TOSHI-LOW:
こんな歌詞しか書けないのかって、落ち込みましたけど(笑)。
──シンプルでいい歌詞だと思いますよ。歌詞のテーマ的には、僕とあなたの決して埋められない距離感からくる切なさや悲しさがくっきり描かれてますが。
TOSHI-LOW:
今までは一人語りと後悔がテーマになってて、過去と現在を照らすことで未来を照らそうとしていたんだけど。最近に関しては、現在から未来にかけての歌詞だから、自分がいる理由を他者から照らしてもらう形になるんですよ。例えば明日はあいつの家に遊びに行こうかな、それが未来に繋がることだと思ってて。そうなると、自分以外の存在から照らされる部分が多くなるんですよ。
──他者から必要とされたい、という気持ちは人一倍強くなってます?
TOSHI-LOW:
求められると、逃げていた部分もあるんですよね。「すごく好きなんです」と言われても、「いや、俺なんて歌ヘタだし」ってわざと卑下してみたり。だけど、せっかく俺にしか歌えない歌を求めてくれる人がいるなら、一生懸命やるべきじゃないかなと思って。そこから逃げたくないというか……だから、人に対して求める部分も大きくなったと思いますよ。例えばほかの人が電車でお婆ちゃんに席を譲らなきゃヤダとか。俺、このルックスでお婆ちゃんに席を譲ったりするからビックリされるんですよ。
──ははは。では、最後に昨年から始まった野外イヴェント"New Acoustic Camp"の話を聞きたいんですが、そもそもやろうと思った動機は?
TOSHI-LOW:
スタッフからフェスとキャンプが一緒になったものをやりたいと提案されて、じゃあ、俺の意見を全部聞いてくれるって。セキュリティはなるべく付けない、立ち入り禁止みたいなエリアは作らない。アーティストのエリア・ゾーンもほとんど作らないから、自由に行き来できるけど、混乱を招かないものをやりたいと思って。俺は混乱しない自信があったんですよ。お客さんも基本的に何をやっても自由だし、その代わり、手作りだからコンビニで物を買うようにはいかないんだよって。そこがキャンプの醍醐味だから、理解してくださいねって。お金を出したから文句は言います、みたいなスタンスにずっと腹が立ってたんですよ。例えば頑固親父が作ってる定食屋とかあるでしょ。愛想が悪かったから、星一つとか。何それと思って。頑固親父が下ごしらえして、愛想は悪いけど、ほんと一生懸命作ってるとしたら、批判する理由はねぇぞと思って。だから、この"New Acoustic Camp"も不便だと感じるなら、帰ってもいいですよって。という、優しいイヴェントです(笑)。
──(笑)昨年行われた第1回目の感触はどうでした?
TOSHI-LOW:
特に混乱もなく、来てくれた人たちの意識も高かったし。みんなきっちりテント張れるぐらいだから、何だってやろうと思えばピシャッとできるんですよ。
──今年2回目を迎えるわけですが、何か考えていることはありますか?
TOSHI-LOW:
今年も全く規制は作らないし、楽しみたいように楽しんでほしいですね。よく自由と責任とか簡単に言うでしょ。何かを犯したら訴えられますよ、とか俺はそういうことでもないと思ってて。単純に自由と責任が普通であってほしいというか。生きるって、そういうことなんですよ。困っている人がいれば助けたり、テントの張り方がわからない人がいれば手伝ってあげたり、あまりにも酔い潰れてる人がいたら、ちょっと水でも飲んだらって言ってあげたりね。そういうことを自発的にやってくれると思ってて……だから垣根はなるべく作りたくないんですよ。全ての人が参加者であり、全ての人が演者である、みたいなフェスにしたいですね。主役はあなたですよって話ですよ。アーティストは主役じゃないんですよ。アーティストは観に来てくれる人がひとりもいなかったら完結しないんだから。かといって、観に来た人も金を払っているから、俺らの方が偉いとかそういうのもなくて、みんな同等なんですよ。その同等をわかった上で、何か悪いことをするなら、俺も同等と思って殴りに行くから。
──ははははは。
TOSHI-LOW:
別にお客さんをぶん殴りたいわけじゃないですよ(笑)。俺たちが掲げたフェスの空気に同調してくれた人たちには「楽しかった!」と言わせる自信はあります。"New Acoustic Camp"に関しては、フェスという言葉以外の言葉がないかなあ、と思ってるんですよね。そうだ、ほんとキャンプという言葉でいいんですよ。みんなのキャンプにアコギ持ってる人が歌います、ぐらいでいいです(笑)。
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND Live Schedule
New Acoustic Camp2011 Pre.
DATE : 2011.6.10 (fri)
VENUE : Shibuya DUO MUSIC EXCHANGE, Tokyo
OPEN : 18:00 / START : 19:00
ACTs : OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND / Permanents (田中和将 & 高野勲 from GRAPEVINE)
INFO : SMASH 03-3444-6751
NOFRAMES presents "meet in the park"
DATE : 2011.7.10 (sun)
VENUE : Hibiya YAGAI ONGAKUDO, Tokyo
OPEN:17:00 / START :17:45
ACTs : EGO-WRAPPIN' / OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
INFO : SOGO TOKYO 03-3405-9999
New Acoustic Camp
DATE : 2011.10.15 (sat) 16 (sun)
VENUE : Yamanashi DOSHINOMORI CAMP SITE, Yamanashi
OPEN: TBA
ACTs : TBA
INFO : New Acoustic Camp Official Website
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
Official Website

http://www.oau-tc.com/
New Acoustic Camp Official Website
http://www.newacousticcamp.com/