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フロントマン、それも強烈な存在感を持ったその人を失ったバンドが活動を継続するという事実に遭遇するなんて、この国のロック・シーンにほぼなかったことだと思う。しかし、生きている人間は生きている限り前に進もうとするものだ。ギタリストである山内総一郎がヴォーカルも担当し、6枚目のアルバム『STAR』を完成させたフジファブリック。洋邦新旧のロックへの深い造詣、そして誠実さに裏打ちされたユーモア。メンバーひとりひとりがインスピレーションを活かしたソングライティングができる強み、しかしそれをゴリ押ししない寛容さ。それが結果的にボトムの太いバンドならではのシンセポップや、ざっくりしたギター・サウンドでありつつ、モダンな聴感を残すR&Rなどなどジャンル的には対置しそうな楽曲に筋を通し、ポップなアルバムとして成立させることに成功している。音楽を作ること、奏でることで前進してきたいまのフジファブリックを余すことなく表現したこのアルバム。ぜひまっさらな心情で聴いていただきたい。

Text : Yuka Ishizumi
初回生産限定盤 [CD+DVD]
通常盤 [CD]
STAR / フジファブリック
AICL 2298-2299 3,300yen (tax in) 初回生産限定盤 [CD+DVD]
AICL 2300 3,059yen (tax in) 通常盤 [CD]
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-CD-
  1. Intro
  2. STAR
  3. スワン
  4. ECHO
  5. 理想型
  6. Splash!!
  7. アイランド
  8. 君は炎天下
  9. アンダルシア
  10. Drop
  11. パレード
  12. cosmos
-DVD-
STAR Music Video
<フジファブリック 『STAR』 Interview>
――どこからお話していったらいいんだろうと思うのですが。まずフジファブリックとしての活動を継続するという発表は、今年に入ってからでしたね。
山内総一郎:
継続という意味では去年の"フジフジ富士Q"の終了後、すぐに決めていたことなんですけど、そこから「どういうふうに、どんな形でやっていこう?」っていう。バンド名もそうですけど、全部決め込んだのは今年になってからですね。ただ、この3人で音楽を続けていこうっていうのは、去年から思っていたことなんです。で、なぜそう思ったのかというのは、志村くんのことがあってそれ以降の音楽を『MUSIC』を作ることだったり、"フジフジ富士Q"でライヴをしたり、いろんなことをバンドで乗り越えたので、「これは大丈夫だ。これからも進めていける」という意志のもとで続けていこうと決めましたね。
――今回の『STAR』にしっかりしたボトムがある上での明るさを感じたのはそういうことが理由なのかもしれませんね。ところで、このアルバムの制作と並行して山内さんはくるりや斉藤和義さん、金澤さんはASIAN KUNG-FU GENERATIONのツアーに参加していましたが、そうした活動からのフィードバックはありましたか?
山内:
僕の場合はホントにバンド・メンバーとして、ギタリストとして山内総一郎の表現を望んでくれたというか、求めてもらえたような気がして。バンドがすごく楽しかったですね、本気でやっていたので。その時点でもうフィードバックができていると思うし、斉藤和義さんもくるりも音楽へのピンポイントの集中力は容赦ないんで、そこはやっぱり学ぶべきところだなっていうのは感じました。でもそんな堅苦しいことじゃないんですけどね(笑)、ダイちゃんもやってたけど。
金澤ダイスケ:
そうですね。僕の場合は4人でやっているバンドに加わってということで。その時もバンドっていうことで、僕もメンバーのように扱ってくれたし、僕もメンバーのように弾いてましたし。そうやったことで「バンドっていいな」ってことを常に思わせて くれるようなツアーでしたね。
――特に山内さんなんてどっちのライヴでもサポートじゃないような立ち位置というか。
山内:
そうですね。最初は岸田さんに「真ん中でやれ」とか言われて。「なんでやねん!?」って(笑)。斉藤さんも「もっとギターを弾いてほしい」と。僕を意識して作ったギターリフもアルバムの中にはあったりして。ライヴではそれをもっと弾き倒してほしいとか言われて。要するに期待して、歓迎していただいたわけで嬉しかったですね、それは。
――アジカンも『マジックディスク』というアルバムをライヴで表現する上で、金澤さんの存在が不可欠だったと思います。
金澤:
良かった……(山内に向かって)見てないくせに。
――見てないんですか?
金澤:
俺、くるり、見に行ったよ(笑)。
山内:
(笑)。
――メンバーのバンド外活動ってあまり興味ないですか? それともあまり見たくない?
加藤:
いや、全然そんなことはないです。
金澤:
僕、逆に見てほしかったけど、震災で延びちゃったから。
山内:
ホントにスケジュール合わなかったね?
金澤:
月の半分以上、ライヴだったんで全然スケジュール合わなかったですね、そういえば。
山内:
バンド間で変な感じはないですね。忙しいのはええことやなっていうのは感じておいて(笑)。
――たしかに(笑)。加藤さんはおふたりの活動を見てどう感じました?
加藤:
や、「一生懸命やってらっしゃるなぁ」(笑)。
山内:
それだけ?(笑)
加藤:
はい(笑)。
――(笑)。山内さんと金澤さんはいい経験をしながら、自分のバンドに対するモチベーションが上がったんじゃないですか?
山内:
もちろん、そうですね。特にくるりと斉藤さんは独特な空気やサウンドだと思うんですね。その中でレコーディングやライブをしていくと、自分たちにもそういうものがあるっていうのを再認識できたというか。ダイちゃんが鍵盤を弾けば、加藤さんがベースを弾けば、僕がギターを弾けばあの音になるっていうことを再認識できたのは、やっぱり人とやったことがより大きな意味を持っていると思いますね。ミュージシャンの知り合いとか見渡してもこんなミュージシャンいないですからね。バンドを続けようと決めた時も思っていましたけど、いま、よりミュージシャンとして貴重な存在だなと思っていますね。
――バンドは人ありきだ、と。では、山内さんがフロントに立ってヴォーカルを担当することになったのは、割と自然なことだったんですか?
山内:
自分のなかではけっこう自然なことではあったんですけど、元々は志村くんを中心に集まったバンドですし、そこは「変えなきゃ」っていうか、バンドとしての進め方っていうのは覚悟を決めないと何も動き出せないというのはありました。ひとつのきっかけとして『MUSIC』のレコーディングの後半に「会いに」っていう曲をこのメンバーで完成させようということで、僕が歌って完成したんですけど、そこで歌ってみていろいろ思うところといいますか……もの作りに対してもっと貪欲になれたと思うんです。それと、自分が歌おうと決断した理由のもうひとつは今回のアルバムに入っている「ECHO」という曲ができたということもあるんです。「この曲は自分しか歌えないな」と思えたというか、思ったので。それが「自分が歌おう」と決めたひとつの要因ではありますね。あとは、バンドがひとつの芯を貫いていくには、やっぱりメインで歌う人が必要だと思っていたので、そこは「僕がやる」と、3人で話し合ってる時に言って決めましたね。
――今回のアルバムは楽曲が集まってきて必然的に全体のテーマが見えてきた感じですか? それとも「ECHO」のように真ん中に存在しそうな曲があって、そこから広がっていったようなイメージですか?
山内:
両方あるような気がするんですが、基本的にはデモを出して、スタジオに入ってデモの曲数をどんどん増やしていったってとこもあるんです。ま、さっきも話に出ましたけどツアー中だったりしたので、会えるときはできるだけコミュニケーションをとるというか(笑)、ひとりひとりが考えるアルバムの方向性でデモの内容も変わってきますし、3人ともすごくこのアルバム作りに向かっていた結果なので、「この曲ありきで」というわけではないんですね。でも、実際「STAR」って曲ができたりっていうのは、アルバムを作るにあたって……まぁ、メッセージもそうですけど重要ではあったんじゃないかなとは思いますね。
――たしかに3人が揃う時間は決して長くなかったわけで。
山内:
連絡をとるとか、そういうことは意識的にはしていて。前は3人で飯を食いに行くとかまったくしなかったのに(笑)、そういうことも普通にしていて。ほとんどくだらない話をしてるんですけど、一言二言、重要な話ができればと思っていましたね。実際、集中してレコーディングに入れるようになったのが震災以降だったので、そこまでにどうモチベーションを持っていくかだったり、そういう話はしましたね。特にああいう震災であったりとか、大変なことが起こったので、より前向きなと言うか、答えはどこにもないんだけど立ち止まってはいられないっていうようなメッセージの曲ができてきたのかなとは思います。
――さっきお話に出た「STAR」は実質1曲目ですけど、刄田(綴色・東京事変)さんのドラムも手伝ってプリミティヴなビートが素晴らしいです。
山内:
歌詞に「星を目指そう/猿と目指そう」っていうフレーズがあって、プリミティヴな意味も含んでるんですけど、突き抜けたいという気持ちを表現できたなと思いますね。歌詞に関しては僕ら、志村くんがすべてやっていたバンドなので、挑戦ではあったんですけど、メンバーと相談しながらっていいますか、「こういう歌詞にしたんやけど、なんかある?」って(笑)。そんなやり方で。
加藤:
この曲はストーリーを僕が書いて、で、話し合いながら。
山内:
いちばん大きいメッセージというか、加藤さんがバシッと決めたのは「こんなに近いのに/遠くもあるのだな」、その一節は加藤さんが書いてきて、「そう!」と思って(笑)。
加藤:
(笑)。
山内:
「それ!」って(笑)。
――(笑)。ちなみにいちばん悩んだ歌詞ってどれですか?
山内:
悩んだというか、たとえば曲がもうちょっとストレートな表現を望んでいるとか語りかけてくる部分もあるし、自分のなかにある思いを掘削する作業であったりするんですが、それで思いのほか手こずったのは「ECHO」です。
――たしかにバンドのリアルな事柄にも受け取れる内容だから悩みそうですね。でもロック・バンドの歌詞って、やはり歌の主人公の人物像が及ぼす影響は大きいと思います。
山内:
まぁでも曲の雰囲気のまんまっていう気もします。
――だとしたら、深いユーモアを持った人ならではの誠実さというか。
山内:
深いかどうかはわからないですけど、ユーモアのある音楽は昔から好きだし、そういうバンドなんじゃないかなと思ってるんですけど……まだまだできると思います。
――じゃあ、サウンドや演奏で今回、面白いとか新しいことができたなと思う曲があれば挙げていただきたいんですけど。
金澤:
面白いことって言えるかどうかわかんないんですけど、加藤さんが作詞・作曲の「アイランド」という曲があるんですけど、作詞・作曲をしているにもかかわらず本人は演奏せず見ているだけっていう(笑)。
加藤:
(笑)。
金澤:
っていうところが、僕としては初めての試みで。
山内:
奥ゆかしさを感じる(笑)。
金澤:
加藤さんらしさを感じるところで僕は非常に好きです。
加藤:
僕が最初に作った時もアコギと鍵盤が入っていたんですけど、で、ベースをデモ段階で入れてみたりしたんですが、「やっぱいらないなぁ」と思って、見るだけにしようかなって感じになりました(笑)。
――でも皆さんそうですよね、曲の見方が。
金澤:
そうですね。自分で作ったのにすごい俯瞰で客観的に見れてると思います。
――「理想型」では金澤さんが「マリンバは鍵盤と並びが一緒」という理由で……。
金澤:
ま、たぶんその理由だけなんでしょうけど、以前、『TEENAGER』のアルバムの頃、僕がマリンバを叩いた曲があったので、その流れもあると思います。
――打楽器奏者にいかずに鍵盤奏者にお鉢がまわったと。
金澤:
そうですね。まぁでもピアノも打楽器っちゃ打楽器なんだけど。僕、小学生の頃、マリンバ担当で。
山内:
俺もやねん(笑)。
――へ~(笑)。
山内:
ま、それはいいんですけど。ダイちゃんがアタマの中で鳴っている音を表現するっていうことで、スタジオにビブラフォンとか楽器がたくさんあるんですよ。で、試してみてダメだったらすぐやめるし、そういうのも決断は早いですね。一音鳴らしてみて「やめよか」って。す~ごい好きな楽器なんですけど、まだ1回も入れてないね?
金澤:
うん、入れてない。
――山内さんは新しいことがサウンドでできたなと思う曲はありますか?
山内:
新しい……今回は全体的にシンセのサウンドを出せてる曲が多いと思うんです。それはダイちゃんの武器だなと思っていて、「そんな音作れるんだ?」っていうのは発見ですね。「理想型」なんてまさにそうなんですけど、全面的に出せたっていうのは良かったなと思うんですけど。
――しかも以前のプログレっぽい使い方とは全然違いますね。
山内:
そうですね。シンセの音色によって曲ができることもありますし。
――音から広がるものがある、と。
山内:
ベースも新しいベースでむちゃむちゃ攻撃的な音を作ったりして。実際アンサンブルでひとり欠けているので、そこをどう埋めようというか、そんなに音数を増やそうなんて思わないんですけど、ひとりひとりの音がもっとブッとくないとな、っていうのは思います。
――加藤さんはいかがですか?
加藤:
毎回そうなんですけど、みんな進化していってるから同じとこで留まってはいられないなというか。
山内:
影響しあってね。
加藤:
うん。そういうところがやっぱいいです。
――このアルバムを聴いたら、現体制のフジファブリックもすごく独特で貴重なバンドだとわかると思います。
山内:
それはすごく嬉しいです。やっぱり日本は震災が起こって、「何が大事なのか?」をひとりひとりが考えるようになっていると思うので、そのチョイスとして音楽を持ってきてくれることだけでも僕らは嬉しいし、そこで別に押しつけがましいメッセージは僕らにはないので、どういうふうに伝わるのか? 思ってもらえるのか? っていうのは本当に楽しみです。
――すでに新しい体制でライヴもやってらっしゃるので、歌うことでの発見も一杯あるんじゃないですか?
山内:
この夏、フェスに出たんですけど、沢山の人が集まってくれて。興味本位みたいな人もいるかもしれないんですけど、何をするのかわからないわけじゃないですか? でも実際やってみたら、ほとんど新曲なのに、歌ってるときに「すげー聴いてるな」と思って。曲を歌を、演奏を。顔見たらわかるじゃないですか? すごい聴き耳立てて聴いてる人がいて、しかも大勢で。そうなると変わりますよね、人生観というか。
――それは変なプレッシャーにならないんですか。
山内:
全然ならないですね。よりこう、堅苦しい話じゃないんですけど、曲の持つメッセージをていねいに力強く伝えていかなければいけないなという気持ちになりましたね。やることそのものも楽しいんですけど、変わっていけるっていうのは……これからの人生、本当に楽しみだなと思います。
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フジファブリック : LIVE SCHEDULE
ホシデサルトパレードTOUR 2011
DATE : 2011.11.26 (sat)
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DATE : 2011.11.27 (sun)
VENUE : Nagoya DAIMOND HALL, Aichi
OPEN : 17:00 / START : 18:00
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DATE : 2011.12.3 (sat)
VENUE : Sapporo PENNY LANE24, Hokkaido
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DATE : 2011.12.10 (sat)
VENUE : Hiroshima CLUB QUATTRO, Hiroshima
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INFO : YUMEBANCHI HIROSHIMA 052-936-6041
DATE : 2011.12.11 (sun)
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OPEN : 17:00 / START : 18:00
INFO : KYODO NISHI NIHON 092-714-0159
DATE : 2011.12.16 (fri)
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DATE : 2011.12.18 (sun)
VENUE : Sendai DARWIN, Miyagi
OPEN : 17:00 / START : 18:00
INFO : KYODO TOHOKU 022-217-7788
フジファブリック
2000年、志村正彦を中心に結成。メンバー・チェンジを経て、2004年4月、シングル「桜の季節」にてメジャー・デビュー。2009年12月24日、4枚のアルバムと11枚のシングルをリリースしたEMIミュージックジャパンよりソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズへの移籍発表を目前にして、志村が急逝。遺された新曲を金澤ダイスケ、加藤慎一、山内総一郎のメンバー3人が完成させる形で5枚目のアルバム『MUSIC』を2010年7月28日リリース。アルバム発売直前の7月17日には、志村の音楽の原点・富士急ハイランド コニファーフォレストにて、バンドと縁の深い15組のアーティストをゲストに迎えての1日限りのステージ"フジフジ富士Q"を開催。秋以降、金澤はASIAN KUNG-FU GENERATION、山内は斉藤和義、くるりのツアー・サポート・メンバーとしても精力的に音楽活動をおこなう。デビュー7周年を迎えた2011年4月14日、東京と大阪で"フジフジ富士Q 完全版上映會"を開催。上映後、メンバー3人によるフジファブリック活動継続およびニューアルバム制作開始をヴィデオ・メッセージという形で発表。山内をボーカル/ギターに、金澤、加藤の新体制によるフジファブリックが新たな一歩を踏み出す。7月20日には、多くのリクエストに応える形で『フジフジ富士Q-完全版-』DVD/Blu-rayによるパッケージ・リリースを実現、発売日(7/19付)にはオリコンDVDデイリーチャート総合・音楽部門共に1位を記録した。
フジファブリック OFFICIAL WEBSITE
http://www.fujifabric.com/
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