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先日の"AIR JAM 2011"ではトップバッターとして出演し、その清々しく、伸びやかな声を横浜の青空に響かせた磯部正文。歴史的な大舞台でその好調っぷりを存分にアピールした彼が、昨年のソロ・デビュー・アルバム『SIGN IN TO DISOBEY』以来となる、最新作『Deliver』を10月19日にリリースする。“届けたい”というシンプルかつ根源的でもある想い/意味をタイトルに冠した本作は、3月11日の震災以降、磯部が実際に被災地に足を運びライヴをおこなったり、現地の人びとと触れ合う中で、生まれてきた言葉でもあるという。さっそくだが、この新作について、磯部正文本人が大いに語ってくれているので、ぜひご一読いただきたい!!

Interview : Ryosuke Arakane
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
Deliver / 磯部正文
TFCC-86364 2,000yen (tax in)
2011.10.19 on sale
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  1. Polyodomino
  2. find
  3. 琴鳥のeye
  4. Today’s song
  5. 近未来
  6. Sound in the glow (JPN Ver.)
「琴鳥のeye」 Music Video
<磯部正文 『Deliver』 Interview>
 
──今作の話の前に"AIR JAM 2011"に出た感想から聞きたいんですが。HUSKING BEEでは皆勤賞で出てますよね? 今回、磯部正文BANDとしてステージに上がった印象はどうでした?
磯部:
今だからこそ、ぶっちゃけますけど、出演依頼とトップバッターであることを3月末にお知らせをいただいて、激・了解ですと。それから何ヵ月も決意を固めて進んでました。意識としての準備は相当前からあったので、それほど気負いはなかったです。ライヴ前は緊張しましたけど、これまで皆勤賞ですからね。場馴れしているというか、千葉マリンと比べたら多少違うくらいですから。いい感じで気合いが入ってました。
──心の準備に何ヵ月をかけたんですね。
磯部:
はい。お客さんはハスキン(HUSKING BEE)を観たい部分もあったでしょうし、そうしてあげたいけど、そうできないところもありましたからね。あと、自分の名前がバンド名になっているのは自分だけなんだなって。健さん(横山健)だってねぇ、今日はHi-STANDARDだと思って(笑)。
──はははは、そうですね。
磯部:
まあ、磯部正文BANDとしては"AIR JAM"初体験のメンバーもいるし、でもなぜかドラムはツネさん(恒岡章 / Hi-STANDARD)だしと思いつつ、お客さんもいろんな意気込みを持って来るわけですから。みんなを楽しませようと思って、ステージに立つことを決めました。当日は意外とカンカン照りで、暑かったですよね? 夜の人はいいなあと思ってました(笑)。
──イチさんは(LOW IQ 01)はライヴ前に寝れなかったと言ってたんですが、磯部さんはどうでした?
磯部:
2、3日前に入りが7時半と聞いて、夜は12時前に寝て、朝は6時に起きる習慣をつけました。今回は絶対そうしないと、トップバッターが声カスカスなんてあり得ないと思いましたから。ライヴ当日は見事に10時半に寝て、5時半には起きましたよ。
──実際のライヴでは、ドンドンこと平林さん(ex.HUSKING BEE)をステージに迎えるサプライズもありましたね。
磯部:
去年、自分が音楽を続けていく過程の中で弾き語りのライヴをやることが増えて、一緒に何かやれたらいいなあと思ってたんですよ。ただ、ドンドン自身が表に立ってライヴをやりたい部分と、そうじゃない部分があって。やっと、今年の春ぐらいから連絡がついて、久々に僕らのライヴも観に来てくれて、そこで話をしたときに本人も人前に出る心境になれたみたいで。久しぶりに出るライヴが"AIR JAM 2011"って、何だろうと思いましたけどね。実はハスキンに入りたてのときも、一発目が"AIR JAM 2000"でしたからね(笑)。ほんと強運の持ち主ですよ。まあ、ドンドンが出た方が盛り上がるだろうし、観たい人もいたでしょうから良かったです。
──それで今作にも収録されている新曲「琴鳥のeye」(田渕ひさ子がヴォーカル、ドンドンがコーラスに参加)を"AIR JAM 2011"でいきなり披露したのには驚きましたよ。
磯部:
やった方がいいだろうと思って、真ん中に入れてみました。
──そして、前作『SIGN IN TO DISOBEY』発表以降、レコ発ツアーや弾き語りもやったりと、目まぐるしい1年だったと思うんですが、振り返っていかがですか?
磯部:
そもそもソロでやりましょうという流れになって、入れ換わりでいろんなミュージシャンにお世話になったんですよ。で、何回かライヴをやるうちにいい意味で固定のメンバーになってしまったので。じゃあ、このまま行きましょう、今一緒にやってるメンバーでレコーディングしたいと思うようになって。あと、たまに弾き語りをやると、逆にバンドの良さもよくわかるようになったんですよ。今回のレコーディングに入るときも、1年間一緒にライヴをがんがんやっていく中で、お互いの手癖だったり、僕が作る曲の癖もメンバーがわかり始めて、お互いに知らない部分を知った1年でしたね。
──いままで見えなかった部分というと?
磯部:
ソロとハスキンの曲を織り交ぜて演奏する中で、ハスキンの曲に馴染んでいくメンバーの姿があって。バンドはドラムが肝だと思うんですけど、若干ライヴと音源のテンポが違うところもあったけど、それもだいぶしっくり来るようになったんですよ。その状態で曲作りに入れたので、バンド感は増したと思います。
──曲作りの仕方も変わりました?
磯部:
同じ部屋ででかい音を出しながら、メンバーと一緒に曲を作ったんですよ。そうなると、後々のライヴ感が違ってきますからね。その効果は曲に出ていると思います。
 
──それで前作とは違う作風になったと。あとは、ヒダカトオル養成ギブス(*前作までプロデューサー)からセルフ・プロデュースになったことも大きいと思いますが。
磯部:
筋肉付いただろうし、自分で投げてみなさいって。「私の手からはもう離れているでしょ」、「一人で歩けるようになったでしょ」という会話はありましたね。
──そう言われて、磯部さん的にはどうでした?
磯部:
うっすらそういう気持ちはありましたけど、次はどうなるんだろう? と考えてました。
──今作はどういう作風にしようと思ってました?
磯部:
3月の震災は大きなことでしたし、普段からその他のいろんなニュースを見て、いちいち考えたりしているので。それで“届けたい”という自分の気持ちに気付いたというか。4月に被災地に行って、歌わせてもらったりする中で、今回(震災)のことをどうすべきかと思ったし。でもいままで通り届けたいという気持ちをもって、作品を作ればいいのではないかと。例えば物資を運ぶ、瓦礫を撤去する、いろいろ役割があると思うんですけど。やっぱり自分は作品を作ることで、その人たちに届けることができるじゃないかと思って。いままでもそれをやってきたから、いろんなところにライヴに行けたわけで。まずは作品ありきだなと。だから、より続けよう、届けよう、という気持ちは高まりましたね。で、ミニ・アルバムを作ろうとなったときに、真っ先に『Deliver』というタイトルが浮かんできたんですよ。
──えらく直球ですよね。
磯部:
ははは。「琴鳥のeye」のワンフレーズ(届けたい 届けたいです)から取ったんですけど。その言葉が自分の中で勝手にグルグル回っているときがあって。あの言葉とメロディがずっとリフレインして、「届けた~い♪ 届けたいです~♪」って。この3秒だけじゃ曲にならないから、この前後を作らないといけないと思って。
──それはいつ頃の出来事ですか?
磯部:
7月に石巻でライヴしたんですよ。4、5月は福島、仙台で歌ってはいたんですけど、その頃は原発の問題も日々変わったり、何を歌えばいいんだろうと、悶々としてたんですよ。それで僕の知り合いにANCHORというバンドがいて、そのメンバーの三浦君の実家が石巻で、彼のブログに変わってしまった街やなくなった店の写真がアップされてて、その街でフェスをやりたいと書いてたんですよ。僕も是が非でも行きたいと思って。実際に行くと、死ぬかもしれなかった三浦君のお母さんが僕に良くしてくれて……、「息子にとってはすごい人みたいだけど、よろしくね!」みたいなことを言われて。そのお母さんは車ごと流れさて、ほんと奇跡的に助けられたみたいなんですよ。石巻でライヴをやれたこともいままで作品を作っていなければあり得ないことだし、絶対今日のことも曲にしてやる!と思って。石巻のライヴでは最後に「WALK」をANCHORと一緒にやったんですよ。そこにいる人たちがみんな笑顔になって、三浦君のお婆ちゃんがちょこんと真ん中で見ててたんですけど、その周りをモッシュしてたんですよ。
──(笑)。
磯部:
そんないろんなことがあって、こんなことが力になるのならと思ったし……震災で亡くなった人のことも考えたし、それで東京に戻ると、あのメロディがめちゃ流れてきて、絶対作ってやると思いました。
──「琴鳥のeye」はある意味ANCHORのメンバーに対して捧げた曲であり、石巻でライヴをやったときの磯部さんの心境が詰まっているわけですね。
磯部:
そうですね。いろんなことを感じて、穏やかに……、高ぶってはいけないというか。厳かに作りたいと思いました。ほかの英語で歌う曲はギュンと声を張りたいと思ったし、バランスは考えましたけどね。「琴鳥のeye」はいろんなことを踏まえつつ、表面には穏やかさが出てる曲にしたくて。
──穏やかさを心がけた理由は何でしょう?
磯部:
その方が伝わるだろうと思ったし、表面に出してないからこそ、伝わる部分もあると思うので。穏やかに歌った方がこの曲は絶対伝わると思ったんですよ。あと、ひさ子ちゃんの声が入った方が和むと思うし、この曲に笑顔は必要ないなと思って。きっと淡々と歌うことでお客さんに笑顔が生まれるんじゃないかと。
──なるほど。"AIR JAM 2011"でひさ子さんが突然歌い出しときはビックリしましたけど。
磯部:
はははは、それは狙いでしたからね。「ひさ子ちゃん、歌ってくれませんか?」と言うと、「えっ! 音痴ですけど、私で良ければ」って。
 
──そんなやり取りが(笑)。「琴鳥のeye」が今作の軸になって作品が仕上がった感じですか?
磯部:
それは多々ありますね。1曲目の「Polyodomino」は久々にできたポップ・ソングだなと思って。THE GET UP KIDSを好きだった自分を踏まえて、エモを感じる曲を作ろうと。
──前作はキャッチーでフックのある曲調が多かったですが、今回はメロディアスな部分が前面に出てますよね。
磯部:
前作は「まずここは声を張って歌いましょう」、「みんなが待ってますから」とヒダカさんに言われて、実際相当辛かったですからね(笑)。今回サボッてるわけじゃなくて、抑楊の良さというか、自分が聴いて気持ちいいものを作ろうと思いました。求められるものを出す良さもありますけど、今回はセルフなので自分勝手にやっちゃおうと。誰にもああしろこうしろ言われないと、こうなっちゃったみたいな。あと、少しヒネくれた要素も注入しているからこそ、自分らしく聴こえる部分もあるし。
──1曲目「Polyodomino」は磯部さんらしい言語センスが表れた楽曲ですもんね。あと、「琴鳥のeye」もそうですけど、「近未来」もすごくいい曲だなあと思って。
磯部:
今の世の中は懸念することが多くて、「日本、大丈夫?」というのは誰もが思っていることだと思うんですよ。でも見て見ぬふりをしているところもあったり、知れば知るほど怖いこともあったりして。じゃあ、近未来はこうなっていたらいいなあ、と思う自分の頭の中を歌いました。
──とてもメルヘンチックな曲調ですよね。
磯部:
たまたま暇なときに友達にメールして、東京ドームに広島×巨人戦を観に行くことになったんですよ。その帰り道の後楽園ですごくキレイなメリーゴーランドを見て、写真に撮ったんですよ。「近未来」のメロディを決めるときに「クルクル」という言葉が出てきて、あっ、いいなあと思って、数日前に見たメリーゴーランドと繋がったんですよ。見ておいて良かったなぁ(笑)。「軽やかに重くあろう 静かに強くあろう」という歌詞も「近未来」のメロディにハマッたので、それも不思議でしたね。この曲はライヴでやるときに、歌詞に意味があり過ぎると、感情移入し過ぎて、やりにくい部分も出てくると思うので。あまり言いたいことを言い過ぎてはいけないなって。すごく伝えたいことに繋がる言葉を意味不明にハメていくことも大事なのかなと。「近未来」は人それぞれ感じ方が違う曲だと思うので、それは楽しみですね。
──「軽やかに重くあろう 静かに強くあろう」という歌詞は、今作の内容にも繋がる言葉だなあと思ったんですよ。あらゆるものに対するバランス感というか、そういうことをすごく意識した作品なのかなと。
磯部:
その歌詞は、どんなことに対しても常々思っていることなんですよ。照れ臭いから決意表明しないんですけど、自然に決意表明するわけだなあ、と思いながら書いてました。
──素直に思っていることをポロッと出せた感覚ですか?
磯部:
ですね。正直言うと、実際いろんなことに対して大丈夫かな?と思ったりする反面で、自分は穏やかであろうという決意表明だと思います。言いたいのは山々だけど、大丈夫かな?と思えば思うほど、昔からそんなに慌てないんですよ。だから、作品もそうなるんでしょうね。
──歌詞に「未来」という言葉も多く出てきますよね。
磯部:
メロディにもハマりやすいし、あまり意味はないと思いますよ。
──そんなことはないと思いますけどね。
磯部:
昔からの癖なんですよ。日本史や世界史とか好きじゃなくて、過去のことを振り返ってもなあって。何年に何が起きたとか、めちゃくちゃ覚えてる人が不思議でたまらないんですよ。それ何の役に立つの?って、それより"AIR JAM 2011"を決めたハイスタの方が凄いんじゃないかって。記念日を作ったわけですから。未来をぼんやりと考える方が好きなんですよね。
磯部正文のサイン入りポスター プレゼント!!
磯部正文のサイン入りポスターを3名様にプレゼントします。ご希望の方は下記のリンクからご応募ください。
締め切り:2011年11月30日

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磯部正文 : LIVE SCHEDULE
THE MUFFS JAPAN TOUR 2011
DATE : 2011.11.6 (sun)
VENUE : Shinjuku LOFT, Tokyo
OPEN : 18:00 / START : 19:00
ACTs : THE MUFFS / 磯部正文BAND
INFO : contrarede 03-5773-5061
 
MINI ALBUM『Deliver』発売記念インストアライブ
DATE : 2011.11.12 (sat)
VENUE : Shinjuku TOWER RECORDS SHINJUKU, Tokyo
OPEN / START : 16:00
INFO : TOWER RECORDS SHINJUKU 03-5360-7811
※参加方法は磯部正文のオフィシャル・ウェブサイトをチェック!!
 
磯部正文 OFFICIAL WEBSITE
http://www.isobemasafumi.com/
磯部正文 OFFICIAL MySpace
http://www.myspace.com/isobemasafumi