PREMIUM:ココにしかないレアなオリジナルコンテンツが満載!
NYのアーバンな空気感とサンフランシスコのクラシックなスタイルを融合させ、SK8シーンの新時代を築いた世界屈指のスケーター、キース・ハフナゲル。彼のプライベートブランドであるHUFに長年在籍し、チーフ・デザイナーとして活躍したHanni El Khatib(ハンニ・エル・カティーブ)がミュージシャンとしてデビューを果たす。すでにナイキやコンバースのキャンペーンで楽曲が使用され、各地から注目が集まっているのも事実だ。
サンフランシスコ出身でパレスティナとフィリピンの血を引くHanni El Khatibは、幼少時代から聴き親しんだ50~60年代のアメリカン・クラシックともいえるロックンロール、ブルース、ソウル、ドゥーワップ、R & Bを自分流に解釈し、エクスペリメンタルなギターサウンドとストリート視点の歌詞、DIY精神に沿ったクリエイティヴィティを反映させ、デビュー・アルバム『Will The Guns Come Out』を完成させた。この1枚には、今現在のリアルな西海岸のガレージ・ミュージック・シーンの断片が凝縮されている。

Text & Interview : G.N.PRINCE
Will The Guns Come Out / Hanni El Khatib
HSE60081 2,200yen (tax in)
2011.12.21 on sale
iconicon
  1. You Rascal You
  2. I Got A Thing
  3. Human Fly
  4. Millionaire / Mother (Live)
  5. Loved One (Live)
  6. Will The Guns Come Out
  7. Build. Destroy. Rebuild.
  8. Fuck It, You Win
  9. Dead Wrong
  10. Come Alive
  11. Loved One
  12. Heartbreak Hotel
  13. Wait Wait Wait
  14. Garbage City
Dead Wrong (Music Video)
 
Loved One (Music Video)
You Rascal You (Music Video)
 
Wilcox Sessions Part1
<Hanni El Khatib 『Will The Guns Come Out』 Interview>
──ストリート・シーン、スケートカルチャーの中ではHUFのデザイナーとして認知されていますが、音楽のキャリアについてはあまり知られていないですよね。
Hanni El Khatib:
幼少時代に母親からピアノを薦められて始めたんだけど、あまりのめり込むことが出来なくてね。自分の意志で音楽に興味を持ち始めたのは10歳くらいの頃で、その時にエレキギターを手にして、趣味として音楽を続けていったという感じかな。
──本格的に音楽活動を始めたのは、いつ頃、どんなきっかで?
Hanni El Khatib:
8、9年くらい前に、正式メンバーではなかったけど友達のバンドだったHER SPACE HOLIDAYでツアー・ギタリストとして演奏するようになったんだ。そんな経緯がありつつ、今から5年くらい前から自分の楽曲をHER SPACE HOLIDAYのMarc Bianchiのホームスタジオで制作してみようということになって。その時はアコースティック・ギター&歌詞という感じで凄くシンプルでブルージーな楽曲をレコーディングしたんだけど、約3年前から本格的にアルバムを作り始めたという感じかな。同時期に自分の楽曲でツアーもはじめたから、その頃から本格的に音楽活動を開始したことになるよね。
──アルバム制作を始めた3年前、既に作品をリリースすることは決まっていたんですか?
Hanni El Khatib:
いや、当時はまったくプランがなくて、ライヴを演ったり個人的に楽曲をレコーディングしていただけ。アルバム制作のきっかけはMarc Bianchiが「レコーディングしてみなよ」と言ってくれて、実際に手伝ってくれたからなんだ。
──そうだったんですね。まさに今日、ちょうどHER SPACE HOLIDAYのMarc Bianchiが来日しているけど、もしかして一緒に来たの?
Hanni El Khatib:
皆に聞かれるんだけど、違うんだよね(笑)。
──滞在中に彼のライヴには行かないの?
Hanni El Khatib:
行けないんだよ。本当に残念だけどね。
──デザイナーだったあなたが、なぜ自分の表現方法として音楽を選ぶことになったんですか?
Hanni El Khatib:
当時やっていた仕事にストレスを抱えていて、もっと違った形でクリエイティヴな発想を発散させたいなと。それが音楽だった。心の底からクリエイティヴを楽しむためにね。だから、楽曲を作りながらバーやベニューや友達のパーティ、サンフランシスコのあらゆる場所で1年間ライヴを演り続けた。そうしていくうちに自分の音楽がまとまってきて、当時ストーンズ・スロウで働いていたジェイミー・ストロングが僕の曲を聴いてすごく興味を持ってくれたんだ。彼が「実はイノベイティヴ・レジャーという新しいレーベルをはじめるから、作品を出してみない?」と声を掛けてくれてね。本当にタイミングが良かったよ。最初に描いていたゴールは、ある程度ライヴを演って自主的に7インチの作品を出せたらいいなというくらいだったから。まさかアルバムがリリース出来るとはね。
──アルバム制作において作品の方向性やテイスト、明確なビジョンは描いていましたか?
Hanni El Khatib:
最初は特に決まったテーマはなくて、自分の中から沸き上がったものを形にしていただけだった。歌詞に関しても、スタジオにいる時に思い浮かんだものが多いしね。ただ、何曲かまとまってミキシングしていく中で、自分の音の持続性や協調性やカラーみたいなものを意識していったという感じかな。
──Johnny Burnette、Sam Cooke、Johnny Cashなど、50~60年代の初期ロック、ブルース、ソウル、ドゥーワップから影響を受けているそうですね。自分の楽曲に関しても、そういった自分の音楽的ルーツを下敷きに、自分なりの解釈で表現しているものですか?
Hanni El Khatib:
まさにその通りだよ。自分が尊敬しているアーティストや好きな音楽を吸収して、自分の消化したい形で消化して表現している。それが自分の音楽制作で重要にしていることだね。
──とはいえ、50~60年代の音楽をリアルタイムで聴いていたわけではないですよね。アメリカン・クラシックともいえる当時の音楽に影響を受けたり好きなった理由、そこまで魅力を感じるようになった要因は何だったんですか?
Hanni El Khatib:
50年代や60年代の音楽は、アメリカのカルチャーには欠かせないものなんだ。例えば、朝食を食べにダイナーへ行くと、BGMでドゥーワップが流れていたりしてね。そんな風に日常で聞く機会が多い音楽だけに、ごく自然に興味を持ったという感じかな。それに、50年代の音楽のレコーディング・スタイルは、自分にとって凄く実験的だと思っていて、新しいアイデアや手法を試していた時代だったような気がする。今ならエレキギターのエフェクターは当たり前のように使うけど、当時はそういった機材が出始めた頃だから、とにかくそれらを使って試行錯誤していたことが音を聞いて分かるというか。まさにロックンロールのスタートともいえる時代だから、そこから生まれる新鮮な感覚が僕にとっても魅力的に感じたんだと思うね。
──自分の作品にも、当時のアイディアや手法は取り入れていますか?
Hanni El Khatib:
自分がレコーディングした時期は使う、機材が限定されていたから再現は難しかった。本当は、当時のアンプやマイクを使いたかったけどね。ただ、デジタルでどこまで再現できるか、それは意味のあるチャレンジだったかもしれない。そんな状況の中でも、50年代や60年代のアイデアや要素は自分なりに消化して取り入れたから、その精神を受け継ぎながら新しいものを表現できたとはずだよ。
──ホームグラウンドであるサンフランシスコを舞台にした楽曲「Dead Wrong」の制作背景や経緯を教えてもらえますか。
Hanni El Khatib:
僕はサンフランシスコで生まれ育ったんだけど、ヒッピーやホームレスの人達が多い街で、この曲は彼らが色々な人達に声を掛けているというのがテーマになっているよ。なぜホームレスをテーマにしたかというと、彼らは人によって様々な解釈をされていると思うんだ。例えば僕の場合、最初はどこかシンパシーを感じていた部分もあったけど、後々面倒だと思って相手にしなくなってしまった。中には、ドラッグ依存者だという目で彼らのことを見ている人もいるだろうし、心の底から同情心を抱いている人もいると思う。そういったように、ホームレスに対しての色々な人達の視点を描いた曲になっているよ。
──すべての楽曲において多かれ少なかれあなたのパーソナリティが反映されていると思いますが、その中で最も自分自身を象徴しているのはどの曲になりますか?
Hanni El Khatib:
確かにすべての曲が僕自身の実体験や頭の中にあるアイデア、仲が良い友人のことなど身近なことを表現しているよ。今話した「Dead Wrong」は、どんな人でも人生の色々な場面で、誤った捉えられ方をしてしまうというメッセージが表現されている。それって僕自身も共感を得られるようなメッセージだから、自分の感情が一番反映されている曲は「Dead Wrong」かもしれないね。
──音楽制作に影響を与えるのは、日常にある出来事や感情が多いというか。
Hanni El Khatib:
そうだね。自分が曲を書きたいと思うそのインスピレーションは、自分の実体験や物事を表現したいと思った時に生まれることが多いかな。だから、自分の音楽はパーソナルなことが反映されているよ。
──歌詞の内容だけでなく、ギターのサウンドにもあなたの感情が乗っているように聴こえます。
Hanni El Khatib:
ありがとう、そう言ってもらえるのは凄く嬉しいね。
──ちなみに、スケートカルチャーやストリートシーンで蓄積されたDIY精神、それはミュージシャンとしての自分にも大事なものとして残っていますか?
Hanni El Khatib:
それは間違いないね。レコーディング制作はもちろん、今回のアルバム契約が決まる前から、自分でジンを作ってそこに楽曲が入ったCD-Rを付けて売っていたからね。今回のアルバムのアートワーク、Tシャツやグッズのデザインも自分で手掛けている。だから、今でもDIY精神を持って活動しているよ。
──各曲のミュージックビデオも格好いい仕上がりですよね。あなたの音楽的世界観が、映像においても明確に表現されているなと思いました。
Hanni El Khatib:
ありがとう。ビデオに関しても、僕自身もしくは友達が手掛けているものだよ。「Dead Wrong」の映像は、60年代のサンフランシスコのギャングのドキュメンタリーを見ていた時に、その物語がこの曲にマッチしていると思ったんだ。もしかしてそのギャングの子達も、人々に間違った捉えられ方をしていたんじゃないかという気持ちになってね。
──「Loved One」や「Come Alive」の映像も素晴らしいですね。
Hanni El Khatib:
“Loved One”のディレクターは僕の友達で、コニーアイランドで色々な子供達に協力してもらって撮影したものだね。ほとんどのビデオが一日で撮影したものだけど、「Come Alive」はリッキー&サイモンという友達が手伝ってくれて少し時間を掛けて作ったものだよ。
──アルバム全体を通して、感情、音楽的趣向、DIY精神など、Hanni El Khatibのパーソナリティが全面的に反映されていますが、タイトル『Will The Guns Come Out』に込めたメッセージとは?
Hanni El Khatib:
凄くシンプルだけど、このタイトルは朝目覚めた時に自分自身に問いかける質問がテーマになっている。朝起きた時に“今日は何が起こるんだろう”と考えた時に、もしかしたら車に跳ねられるかもしれない、銃で撃たれてしまうかもしれない、友達や恋人と楽しい時間を過ごすかもしれない、宝くじを買うかもしれない、どんなことでも起こりうるというかね。やっぱり音楽を通じて自分が感じているもの、世界に対して自分のアイデアやメッセージを発散しているから、自分の音楽に対して凄くストレートでなければいけないと思っている。タイトルに関しても、そういったメッセージが込められているよ。
──最後に、日本のリスナーに向けてメッセージをお願いします!
Hanni El Khatib:
早く日本に戻って来て、ライヴを演ってみんなに聴いて欲しいと思っているよ。作品とは違う一面、僕自身の音楽性を更に感じてもらえるはずだからね。
Hanni El Khatib OFFICIAL WEBSITE
http://www.hannielkhatib.com/
Hanni El Khatib OFFICIAL MySpace
http://www.myspace.com/hannielkhatib