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音楽に限らずだが、時間をかけてようやく作り上げたフォーマットを解体し、新たにアップデートしていくということは、容易なことではない。前作『Place to Try』で、全編英語歌詞というフォーマットを脱ぎ捨て、初の日本語歌詞を披露したTOTALFATは、2012年1発目のリリースとなるマキシ・シングル『Good Bye, Good Luck』にて、その新たな境地をさらに前へと押し進めている。表題の曲の「Good Bye, Good Luck」はもちろん日本語の歌詞。よりダイレクトに伝わりやくなった彼らのメッセージ、そしてTOTALFATらしい高揚感溢れるサウンドが胸を高鳴らせるキラー・チューンだ。今回のインタヴューではその「Good Bye, Good Luck」が生まれた背景をはじめ、いまTOTALFATがバンドとして何を表現しようとしているのか、あるいは現在の彼らにとって“パンク”とは何か……、話題はそんなテーマにまで広がっていく。このインタヴューをご一読いただき、ぜひ『Good Bye, Good Luck』をチェックして欲しい!!

Interview : Ryosuke Arakane
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
Good Bye,Good Luck (初回生産限定盤 DVD付) / TOTALFAT
KSCL1910 1,575yen (tax in)
2011.1.18 on sale
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-Disc1 (CD)-
  1. Good Bye,Good Luck
  2. Attack Or Die
  3. Place toTry
    -Featuring Atsushi Suemitsu Version-
  4. Good Bye,Good Luck
    -NARUTO-ナルト-Opening Version-
  5. Good Bye,Good Luck
    -Instrumental-
-Disc2 (DVD)-
  1. Good Bye,Good Luck (Music Clip)
  2. Livin’ for The Future (Live)
    (September 18th,2011 SHIBUYA-AX,TOKYO)
  3. Across The Chance (Live)
    (September 18th,2011 SHIBUYA-AX,TOKYO)
<TOTALFAT 『Good Bye, Good Luck』 Interview>
 
──2011年はTOTALFATにとって非常に濃い1年だったと思うんですが、振り返ってみてどうですか?
Shun:
バンド歴は長くても、まだまだ発展途上ですね。毎年振り返ったときにステップ・アップしてる感覚はあるけど、2011年は何かを変えることにエネルギーを費やした1年だったんですよ。その第一段階はうまく言ってるんじゃないかな。わかりやすく言えば、「Place to Try」(前シングル)にも表れていると思うけど、ここ1、2年の中で日本語詞を書くことや、どういう曲を作ればいいのか、メンバーそれぞれで闘いがあったんですよ。それがオフィシャルとして形になった年なので。
──温めた思いをようやく形にできたと。TOTALFATとしては、何をいちばん変えたいと思ってました?
Shun:
すごく根本的なことに立ち返って、音楽を通して何をやりたいのか……、そこを掘り下げました。(洋楽の影響下にある)スタイリッシュな音楽性を踏襲するのか、それともTOTALFATを支えてくれる人たちに対して、自分たちが思ってることをきちんと伝えていくのか。それを考えたときに、自分たちが背負っているものを再確認した上でフォーマットを変えてみたくて。
──それで聴いてくれるファンに対して、日本語でメッセージを伝えようと?
Shun:
そうですね。ただ、自分たちの中では信念を曲げずに、果敢に新しいことに挑戦しているつもりでも違う捉え方をされる場合もあると思うし。自分たちの内面的に日本語を消化できるか、できないのか、その見極めとも闘ってました。最初の落とし所って、すごく難しいと思うので。
Bunta:
Shunが言った通り、もっと踏み込んで、自分たちの音楽を聴いてくれてる人に、どういう音を鳴らしていくのかを常に考えてました。それで自分たちの憧れでやってきた洋楽のスタイルが一度壊されたことがいちばんの変化ですね。もしかすると、「この日本語詞、ダサい」とか言われることがあるかもしれないけど、ブレずにやれたのは今聴いてくれる人たちのために音楽を鳴らしていると思えたからで。同じバンドマンにダサいと思われても関係ねぇなと思って。そこまでメンバー4人でちゃんと話し合って、足並みを揃えて進めたことが大きかったですね。
──いままでやってきた洋楽のスタイルが一度壊されたというのは、もう少し具体的に言うと?
Bunta:
壊されたというか……。
Shun:
なんか、バランスが崩れる瞬間があるんですよ。バンドだけじゃなく、生きていく上でいろんなことを天秤にかけるじゃないですか。やりたいこともその都度変わりますからね。バンドが始まるきっかけになった大元のバックボーンがあって、音楽シーンのトレンドとも自分たちが融合して、その時々でウケたりウケなかったりして……。TOTALFATは外から物を取り入れて、それを自分たちの中で消化していくバンドだから。今自分たちが上を目指すためにやるべきこと、もともとバックボーンとして持っているもの、この先やっていかなければいけないこと、その中で新しい要素として、これからファンになってくれる人に対して、どういうことができるかを考えて、いろいろと絶妙なバランスの中で曲や歌詞を書いているんですよ。俺ら世代のバンドは洋楽に憧れて始めた人たちが多いと思うし、見た目やファッション、ギターの音色ひとつだったり、プレイに対しても厳しくやってますからね。だけど、メッセージ性に関してはライヴのMCや自分たちの表情でしかアピールできなくて、それだけじゃ嫌だなと思う瞬間があったんですよ。
──それはどんなシチュエーションで感じたんですか?
Shun:
毎年ライヴ・ハウスのサイズが変わって、ああ、去年よりこんなに人が増えたんだと思ったときに、このままただ音を鳴らすだけでいいのかな?と思って。それがきっかけで、僕がメンバーに日本語詞を書きたいと言ったんですよ。ただ、歌詞のメッセージ性だけに傾倒すると、いままでやってきたのは何だったの?となるから。その天秤はこれからも変わっていくと思う。
──Kubotyはどうですか?
Kuboty:
変化に対して臆しているわけではなかったけど……英語は雰囲気モノみたいなところもあって……日本語はみんなが評価できるじゃないですか。その中でTOTALFATとして日本語はまだよちよち歩きかもしれないけど、またここから始めようと思って。そういう意味で2011年は転機でしたね。
Bunta:
「World of Glory with JOE INOUE」をゼップ東京で演奏したときに、いちばん日本語詞に対して後ろ向きだったKubotyが、あの瞬間の空気を見て、一気に変わりましたからね。
Kuboty:
やっぱり現場を見ると、変わりますね。自分が思っていたよりも5億倍の反応がお客さんから来たから。
──ははははは。
Shun:
多分、フェスにも出れない、CDも全然売れない、外タレとも一緒にプレイしてない状況が今も続いていたら、意地になってまだ英語でやっていたと思う。
Kuboty:
英語詞でやり続けて、2011年まで来れたのが良かったんじゃないかな。
Shun:
腹を括れるか、括れないかの問題だと思うんですよ。周りのバンドマンもすごく評価してくれて、よくこのタイミングでこういう作品を作れたね、と言われたし(笑)。
 
──会場で後ろの観客まで歌っていたり、乗っている姿を見て、もう日本語詞しかないと?
Shun:
それもありますね。
Bunta:
本当に後ろの方までお客さんの手が挙がって、歌ってたって、Kubotyが言ってました(笑)。俺はドラムに夢中で見れなかったけど。
Kuboty:
「World of Glory」をやった瞬間、みんなの反応が悪かったら、(日本語を)やってなかったかもしれない。
Shun:
将来的に大きな会場で自分たちの曲を鳴らしたときに、会場にいる人全員が俺たちの曲を大合唱している光景を想像すると、ゾクッとするんですよ。たまたまそこに居合わせた人も、耳に入ってきた言葉を一緒に口ずさんだら、ヤバイんじゃないかって。それをやるためにどっちの言葉が簡単かという話ではなく、どっちの風景がグッと来るかなと考えたときに日本語だったんですよね。
──なるほどね。
Jose:
歌い手としては、例えばライヴ中にShunがMCをした後にプレイする曲はすごく盛り上がるんですよ。いちばん前で伝えるのはこの2人(Jose、Shun)なのに、日本語の曲をやる前は、Shunの方が伝える比重が大きくなっていた気がして。じゃあ、俺は真ん中で歌っている人間として、どうすればもっとShunと同じくらい強い力を持って伝えられるかなって、ずっと一人で悩んでましたからね。あと、震災後のツアーって、お客さんの熱量がほんとに凄くて。よりこの人たちのために何かをしたいという気持ちが強くなって。今は言葉の重みも痛感しているし、そこに対してやりがいも感じてますね。
──そして、今作は前作に引き続き、タイトル曲は日本語詞で勝負してますよね。これはいつ頃に書いたもの?
Shun:
「Place to Try」とほぼ同時期で、「Good Bye, Good Luck」はもともと英語で書いてたんですよ。前作はたくさん曲がある中で、あのタイミングでは「Place to Try」だったんですよね。で、TOTALFAT内外のいろんな歯車が噛み合うようになって、じゃあ、次はどれを投下するかとなったときに、白羽の矢が立ったのが「Good Bye, Good Luck」だったんですよ。だから、曲に向かうときの気持ちは前回と一緒ですね。Kubotyも言ったように日本語はまだよちよち歩きの段階だから、今回は何かテーマを設けて、叙情的というか、景色が見えるような歌詞にしようと。「Place to Try」はTOTALFATが始まったときから言っていた普遍性のある歌詞をストレートに書いたけど、「Good Bye, Good Luck」は卒業、旅立ちをテーマにして、生きていく上で誰にでもあるような転機を歌詞にできたらなと。
──ほんのり哀愁感が漂ってますもんね。
Kuboty:
最初の英詞は全然違って、夏の海辺を散歩しているイメージだったんですけど。
Shun:
それぞれフリースタイルで歌詞を書いたら、恋愛や疲れた男の話になったりして、その中のひとつに卒業の歌詞があったんですよ。
Kuboty:
どれがしっくり来るか考えたときに、旅立ちがいいなって。俺ら1月にシングルを出すのは初めてだし、季節感も考えてそうなりました。
Bunta:
今思ったんですけど、ラジオもでかいのかなって。
Jose:
ああ~、そうだね。
Bunta:
ラジオって、大学生よりも、夜中に外に出れない中学生、高校生が多く聴いてるんですよ。これを作ってるときもラジオをやっていたから、潜在的にそういう季節感も意識したのかもしれない。
Kuboty:
大体、新曲を発表するときはラジオが最初だからね。日本語にしたことで下の世代にも聴いてもらえるチャンスができたから、それはいいことだと思う。
──うまく辻褄が合いましたね(笑)。
Kuboty:
はははは。ラジオをやっていると、TOTALFATを聴いてる層がちょっと下がってる感覚もするんですよ。ウチらの番組が関ジャニ∞さんの後なので、そのままティーン層が聴いて、うっかり好きになっちゃうみたいな。「Good Bye, Good Luck」は違和感なく聴けるんじゃないかな。
 
──「Good Bye, Good Luck」を聴いた後だと、前作ではまだ武装していたんだなと思った(笑)。
Shun:
でもまた鋲ジャン着るかもしれないですよ(笑)。
Kuboty:
「Good Bye, Good Luck」は、TOTALFATの中ではポップ・サイドに振り切った曲だと思うんですよ。でもほかの日本のバンドと比べると、イントロやギター・ソロは全然ハードだと思うけど。
──ギターは相変わらず攻めてますもんね。
Shun:
それが俺らの役目なのかなと。こういう音を若い子たちに発信していきたいですからね。FACTのKazukiさん、Hiroさんと話したときに、「俺らは小学生に2ビートを叩き込むんで」って、流れで言っちゃったんですよ(笑)。それに対して恥ずかしがる必要はないし、逆に周りができないことをやってる自信がありますからね。
──パンクの入口になるようにバンドでありたいと。今、TOTALFATの根っこにあるものは何だと思います?
Shun:
俺らもまだ探っているんですよね。日々感じることもたくさんあるし、いままでは何かに怒ったり、憂いたり、喜んだりという気持ちをズバッと一つの英語にまとめていたけど、もっとミクロな形で感情を伝えたくて。これから大切になるのはどちらかを選ぶことじゃなくて、そのコントラストだと思うんですよ。今書いてる新曲も英語、日本語のバランスを考えてるし、また違う色合いのものができると思います。
──唐突だけど、今もパンク・ロックをやってる意識はある?
Shun:
ありますね。むしろ、このタイミングで日本語をやることが俺らなりのパンクです。
Bunta:
アジカンのゴッチさんのインタヴューを読んで、パンクだなと思って。あと、SEKAI NO OWARIの深瀬くんもやたらパンクで、NOFXとか大好きで。「俺の中のパンクは万人に届く歌とメロディで、いかに(歌詞で)刺すか」みたいなことを言ってて。人それぞれ内側にパンク・ロックを持ってるし、俺たちもそこがブレてないから日本語を選んだし。そこは再確認できましたね。
Kuboty:
ギターの音色はなるべくメロコアとメタルの中間を狙ってますからね。「Good Bye, Good Luck」はランディー・ローズとスウェディック・パンクを意識したり、2曲目の「Attack or Die」はジャーマン・メタルやNOFXを意識して、そういうところでアピールしているので。
Shun:
かといって、「TOTALFATはもうパンクじゃないよね」と言われても、イラッとしないし。難波さんが「毒づいてもいいし、怒ってもいいけど、俺たちが一個約束しなきゃいけないのはポップにやることだ」と言ってて、それで答えが出たんですよ。ポップに乗せた怒りこそ、どこまでも届く。それをやったのがハイスタですからね。"RUSH BALL 2010"のバックステージで夕日を背に一緒に飲んでて、初対面だったのに1、2時間くらい話してくれたんですよ。それがすごく心に残ってて、TOTALFATなりにそういうことがやれたらなと。
──うんうん。今作に話を戻すと、前作収録の「Place to Try」がピアノを導入した壮大なバラードに変身してて、これにもビックリしました。
Kuboty:
その曲はX JAPANを意識しました(笑)。ギターソロは尺を伸ばして、後半は同じソロだけど、前半は新しく付けたんですよ。
Shun:
「Place to Try」が気に入ったから、調子に乗った感はありますね(笑)。
Bunta:
バラードは規模感がないとできないし、徐々にそういうこともやれるようになったのかなと。
──今作はTOTALFAT史上、過去最高に丸裸な音源になりましたね。
Bunta:
「Place to Try」は初めての日本語詞だったし、逆にメロコアに特化した部分があるんですけど。それを超えて、今作の「Attack Or Die」もそうだけど、ヘンに力まずにTOTALFATがやってきたことを表現できているんじゃないかな。
──前作が2ビートに寄りかかっていたとするなら、その支えも取っ払ったというか。
Bunta:
前作はすげえ気を張ってましたからね。
Shun:
2ビートをやれば、かっこ良くなりますからね。でも1回そこから離れて、8ビートでも勝負できる曲があればいいなって。周りを見渡すと、俺らだけじゃなくて、メロコアのシーンでもそういう曲が少ないと思うんですよ。ベーシックなビートで、裸になって前に押し出せるものが身に付いたのかもしれない。
TOTALFAT : LIVE SCHEDULE
PUNISHER'S NIGHT 2012
DATE : 2012.1.29 (sun)
VENUE : Shibuya CLUB QUATTRO, Tokyo
OPEN : 17:00 / START : 18:00
ACTs : TOTALFAT / MONGOL800 / STOMPIN'BIRD
INFO : CLUB QUATTRO 03-3477-875
DEVILOCK NIGHT THE FINAL~Thank you and Good bye~
DATE : 2012.2.25 (sat) / 26 (sun)
VENUE : Makuhari MESSE 1~3 9~11, Chiba
OPEN 11:00 / START : 12:00
※TOTALFATは2月25日(土)に出演します。
PUNKSPRING 2012
DATE : 2012.3.31 (sat)
VENUE : Makuhari MESSE, Chiba
OPEN : 11:00 / START : 12:30
INFO : PUNKSPRING 2012 OFFICIAL WEBSITE
PUNKSPRING 2012
DATE : 2012.4.1 (sun)
VENUE : 神戸ワールド記念ホール, Hyogo
OPEN : 13:00 / START : 14:00
INFO : PUNKSPRING 2012 OFFICIAL WEBSITE
TOTALFAT OFFICIAL WEBSITE
http://www.totalfat.net/
TOTALFAT LABEL WEBSITE
http://www.totalfat.jp/
TOTALFAT OFFICIAL MySpace
http://www.myspace.com/totalfat