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BACK DROP BOMBといえば、これまでもその貪欲なまでの雑食性によって唯一無二のサウンドを展開してきたが、この度、前作『VENOMETEORIC』から4年の歳月を経て世に送り出されたニュー・アルバム『THE OCRACY』において、そのサウンドは、ある種の“極み”というべき完成度にまで達している。これまでのBACK DROP BOMBのファンは言うまでもなく、新しい音を求め続ける貪欲なリスナーたち、そしてアンダーグラウンドなクラブ・ミュージックを愛するリスナーたちにまで広くアピールする大傑作だと断言しておこう。
これまでにも雑食的に様々な音楽の要素を吸収し独自のサウンドに変えてきたバンドなら、いくらだっているだろう。が、BACK DROP BOMBのそれは群を抜いてユニークである。もはやそれはジャンルとジャンルの単純な掛け合わせではない。メンバーの各々がへヴィーなリスナーであることによる膨大な音楽的アーカイヴの蓄積、またライヴやクラブを問わず長きにわたりリアルなストリート・ミュージック・シーンにコミットし続けてきた嗅覚と経験が、すでに無意識と呼べるレベルにまで血肉化しており、決して一朝一夕では成し得ない、世界でも類を見ない独創的なサウンドへと実を結んでいる。
進化に進化を重ねた果てに辿り着いた新境地とも言うべきこの『THE OCRACY』は、在日ファンクとのコラボ楽曲「READY ON THE GROUND」をはじめ、EGO-WRAPPIN'のサポートなどで知られる武嶋聡、オーサカ=モノレールの山縣賢太郎による素晴らしいホーン・セクション、R & Bやファンク、あるいはアフロ・ミュージックの要素を全面に打ち出した楽曲、はたまたDFAも肝を潰すに違いないウルトラ・ハイヴリッドなディスコ・パンク、コズミック・ディスコやプログレ、スラッシュ・メタルを混合したかのような楽曲など、全編を通して様々音楽的な仕掛けが施されており、もう聴きどころが満載過ぎである。1回聴いただけでは、仕掛けのすべてを発見することはできなういだろうと思うので、ぜひたっぷりと時間をかけて楽しんでいただきたい。
今回はメンバーの白川貴善、田中仁、そして昨年新たに新ギタリストとして加入した寿千寿の3人がこの『THE OCRACY』についてたっぷりと語ってくれた。

Interview : Ryosuke Arakane
THE OCRACY / BACK DROP BOMB
CTCR-14749/B 3,200yen (tax in) 初回限定盤 CD+DVD
CTCR-14750 2800yen (tax in) 通常盤 CD
2012.2.22 on sale
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-Disc 1-
  1. INTRO
  2. PROGRESS
  3. VOICELESS SCREAMIN’
  4. CRUCIAL DANCE
  5. THE SOUND DISTILLATION FEAT.IGNITION MAN
  6. RENZOKU NO MIRAI
  7. CHAOS FROM CASH
  8. NOISE KILLS
  9. BIDIBAHTON
  10. NOW EVER
  11. BEAT DOWN
  12. READY ON THE GROUND FEAT.ZAINICHI FUNK
-Disc 2-
  1. BDB feat.Coming re:Action Orchestra Live at SHIBUYA O-WEST 13JUL2011
    ※初回限定盤のみの特典
PROGRESS / BACK DROP BOMB
<BACK DROP BOMB 『THE OCRACY』 Interview>
──今作は実に4年ぶりのアルバムになりますね。この期間は振り返って、どう感じてますか?
田中:
結構、修行でしたね。ドラムの奴(武田)と一緒にゼロから土台を作っていたから。根本が変わっちゃったので、それを作る作業に何年もかかったんですよ。で、寿が入って、一気にいろんな物事を考えられるようになって、それがこのアルバムにも繋がっていると思う。
寿:
僕はずっと日本にいなかったんですよ。ドバイにいて、ずっとスカイプでやり取りしながら、曲作りしてました。それから加入まで半年ぐらい待ったんですよ。スタジオで初めて会ったときは(BACK DROP BOMBの曲を)全然弾けなくて、パッションだけでしたね。
田中:
うん、ほんとパッションだけは半端なかった(笑)。
白川:
ドラム交替の後、正直、予想以上に時間がかかっちゃって。いままでは友達のドラマーに手伝ってもらって、その人のエッセンスが入るみたいな感じだったけど。新しいメンバーが入るとなると、カラーを持ってる人というよりは、バンドに合わせるのはもちろんだけど、そこから新たにエッセンスを作ってもらう感じになるので、別の家を建てるようなものなんですよ。そこに向かうまでに時間がかかりましたね。それに慣れたのが3年目で、ガラッと変わったのは寿が入ってからですね。パッションが入ったから(笑)。
寿:
ははは、ありがとうございます。
──ドラムがようやくバンドに馴染んできた頃に、寿さんが加入したと。
白川:
だから、今考えると、いい流れだったのかなと。今のメンバーになったことで単純に作曲者が増えたし、楽曲に携わるメンバーが一人増えるだけで違いますからね。
──正式にもうひとりギターを入れようと思っていたんですか?
田中:
『MICROMAXIMUM』の辺りからヘルプではいましたからね。そのときはメンバーを入れようとは考えてなかった。自分のやりたいことがあったので、それを出し切って、あとはまかせるみたいな感じで。寿の場合は僕と全然違うことができる人だし……。あと、いままで入れたいと思うギタリストがいなかったことも大きいですね。
──自分にない色というと?
田中:
自分にないというか、バンドにない色だと思うから、面白そうだなって。前にやっていたバンド(ズイノシン)も好きだったので、そのときの音色を想像していたけど、予想外な形でやってくれましたからね。単純にツイン・ギターになったわけじゃないというか。
寿:
ズイノシンとは全然違うと思います。もともとBACK DROP BOMBは最初からあるバンドなので、そこで何ができるかを考えました。仁君(田中)も同じアプローチを求めてないと思ったし、もっと間口を広げたかったので。
──少し振り返って聞かせてもらいたいんですが、この4年間にベスト盤、メガ・ミックス『Coming re:Action』(配信リリース)を発表しましたけど、何かしたらバンドにもたらした影響はあります?
田中:
あの『Coming re:Action』は総まとめ的な感じで、出せて良かった。気持ち的には昔から聴いてる人と、これから聴く人、その両方に聴かせたくて。『Coming re:Action』に関しては、寿が入って初めて作ったので、アルバム制作前にああいう形で出せて良かったですね。
白川:
確かに『Coming re:Action』は分岐点というか、今回のアルバムに向かう上でテスターにもなりましたからね。再構築ではないけど、一度句読点を打てた気がする。リミックスは昔の曲の今盤という考え方もあって、今の温度でレコーディングしたらどうなるだろうなと思って。もともと、リリース前から考えていたアイデアだったんですけど。
田中:
結構、昔から考えてましたね。誰かがやる前にやらなきゃと思って……。まあ、先にやられちゃいましたけど(笑)。ビートルズの『LOVE』みたいなイメージで……、だけど、あれより全然できると思ったし。
寿:
リミックスは一杯出ているけど、自分たちで演奏し直している人たちはいないんじゃないかな。
田中:
とにかく、やってないことをやらないと意味がないと思って。あと、このいいメロディは聴いてないだろう? とか、そういうことも踏まえて作りました。制作のときは震災直後だったので、テンションは高めでしたね。
──寿さんは、あのリミックスが初めての音源になったわけですよね?
寿:
そうですね。BACK DROP BOMBの曲はいろんな仕掛けがあるので、自分はフレッシュな気持ちでやれました。傍から見て、メロディの良さ、ギターリフの良さ、リズムの凄さとか、ライヴであまり聴けない部分もピックアップして、改めてやばいバンドやなと再認識しました。
田中:
寿が入って良かったと思うのは、BACK DROP BOMBのファンというわけじゃなかったから、すごく客観視してくれたんですよ。俺たちのことが好きで、入れて嬉しいという感じだと、いい化学反応は起きなかったと思う。
白川:
初めての共同作業だったけど、ある程度の流れを新しいメンバーの寿に委ねましたからね。
寿:
センターみたいなスタンスでした。
白川:
ちょっと書記長みたいな立ち位置で(笑)。それで返してきてもらったものに対して、ディスカッションしたりして。
寿:
僕は入ったばかりだったので、こんなのどうですか? って、いろいろ提案できたんですよ。
白川:
それが新曲だったら、どうなるかわからなかったけど。既発曲なので、ダイレクトにアイディアをもらえたのは良かったですね。
──それを経て、今作が見えてきた部分はあります?
白川:
まあ、地続きになるだろうなと思って。そのときに得た感覚を持ったまま進むんじゃないかって。実際、そうなっているかはわからないけど。
──前作(『VENOMETEORIC』)とは、またベクトルの違う作品になりましたね。
白川:
うん、同じタイプのものをやってもしょうがないし、また新しいものを作りたいと思ったから。
──前作でやり切った感覚もありました? もうあれ以上、先の景色は見えないんじゃないかみたいな?
田中:
海外まで行って、好きなエンジニアにもやってもらいましたからね。やり切った感じはありましたね。あのままやってもしょうがないなって。
 
──今作はバンドの肉体性が際立った、フィジカルに訴えてくるサウンドで。
田中:
容赦なく、暗すぎる曲はボツにしてましたからね。
寿:
明るい曲にしようと思ってました。
白川:
ちょっとダークな曲は避けようかなって。ちょうど作った時期的にも、そういうタイプの曲を作りたくないと思って。震災以降の周りの状況もあったし、これからのところに放つためには……、重い音楽を楽しむタイミングではないなって。ある程度いろんなものがフラットになったときに、そういう音楽は楽しめばいいと思うし。そう考えると、自然とポジティヴな曲が多くなって。
──少なからず震災の影響も受けてると?
田中:
大きいっすよ。
白川:
それは僕らもそうだし、聴いてくれる人もそうだと思うんですよ。共通認識というか。
──それで楽曲自体も明るくなり、エネルギッシュになったと?
田中:
楽曲にパワーはありますよね。
白川:
作った明るさではなく、エネルギッシュであり、それがフィジカルに繋がっていると思うから。前に進んでいる感覚はありますね。
──音像もシンプルになりましたね。
田中:
わかりやすく、力強いみたいなところは意識しました。伝わりやすくというか、伝えたいですからね。メインになるものがガッ!と前に出てくる感じにしたくて。
白川:
何回も聴けば、隠れキャラがいっぱい出てくるんですけど(笑)。
──今回はイントロ~2曲目「PROGRESS」のインパクトが強烈で、ファンキーなヴォーカルにホーンも加わり、賑々しくもパワフルな仕上がりですよね。
白川:
出来てから、これはファンク・アルバムだなと思って。全然意識してなかったんですけど、やっぱり好きなんでしょうね。中盤のマサ(小島)の歌声は工場長みたいな感じで、築地感が出てますけど。
──ははははは。以前はテクノ、ダンス・ミュージックを掘り下げていた印象を受けましたが、今作はファンク、ソウル色が強まってますもんね。
白川:
それは前作のそういう流れも経たからかもしれない。
田中:
それも時代なんでしょうね。クラブも新しいものばかり鳴ってるわけじゃないし、今は何でもありですからね。
──実際の曲作りはどうでした?
田中:
大変でしたね。
寿:
楽ではなかったですね。例えば僕が曲を書いても、誰かが違うなあと言ったら、それを納得させるものだけのもので返さないと、先に進めないんですよ。そこで相乗効果が生まれるので、せめぎ合いですよね。ただ、自分が音楽が好きだという気持ちを信じながら、ポジティヴなイメージで曲を作ってましたけど。
白川:
ポジティヴな空気は心がけるというよりは、後から付いてくればいいなと。
──ツイン・ヴォーカルの住み分けもより明確になっている気もします。
白川:
そうっすね。先にマサのメロが上がってきた曲とか、その逆もあったりするんですけど、相手のトーンを聴きながら歌ったところもあるので。ここは必要以上に歌った方がいいな、と思う部分はそうしているし。僕に関して言えば、耳触りが悪くないように、よりストレートに歌いました。
──メンバー交替があると、改めて暗黙の了解にしていた部分を見直すきっかけにもなりますよね?
田中:
面倒臭がってる部分に対して、寿が「なぜそうなるの?」と聞いてくるから、そこにいちいち返していかないといけないですからね(笑)。
──バンド・サウンドに回帰したい、という思いもありました?
田中:
いままでの中で打ち込みはいちばん使っているんですけどね。以前は浮いてたというか、うまく使えてなかったんでしょうね。
白川:
前回のミックスはダンス・ミュージックっぽい感じだったし。今回は打ち込んだものをバンド演奏と地続きな形でやったんですよ。だから、意外とこれ生だったんだ、これ打ち込みだったんだ、と後で気付くかもしれない。言っちゃえば、もともと僕らは打ち込みの音楽をやることにあまり抵抗がないし。聴いてもらえた人が、以前よりも抵抗がなくなっているのかもしれないし、その共有の幅は広がっているんじゃないかな。
寿:
BACK DROP BOMBが面白いと思うのは、最初に曲の発案者がいて、それを6人で引き上げるような感じなんですよ。そんな大人数でやったことがなかったから、それが新鮮すぎて。こんな風に音楽が転がっていくんだって。
──ああ、なるほど。そして、今回はゲストも多彩ですよね。なかでも、在日ファンクを迎え入れた「READY ON THE GROUND」はすごくかっこ良くて。
白川:
フィーチャリングというよりは共作と考えて、いままでやってなさそうなところというか、想像しづらいところを選びました。実際、共演感は出てると思うんですよ。今度ライヴでもやるんですけど、どうなるのか楽しみですね。
──「PROGRESS」に通じる肉体性のある楽曲で。やっぱり今は小手先よりも、ダイレクトに響かせたい?
田中:
そうじゃないと伝わらない気がして。直接的にどうだ!という感じじゃないと、時代的にも通じないんじゃないかと思って。前はそんなこと考えなかったですけどね。あと、僕に関しては社会生活をするようになったことも大きいのかなと(笑)。音楽だけやってるわけじゃなくなったから、それがでかいかも。要するに音楽しかやってない頃は音楽のことだけしか考えてなかったから、実験的なことを繰り返していたけど、今は生活の延長でやってる部分もあるので、余裕は出てきますよね。
──昨日のライヴ(2月5日・下北沢シェルター)では初期の名曲「BAD NEWS COME」をやってくれて、とても興奮しましたが。
白川:
一時期、初期の曲をやってもしょうがないと思っていたけど。今はその初期の感じを経過して、自分の体に中に入っているものなら、ポンと出してもいいんじゃないかと思って。そこに関しては、悪い面は一つもないですからね。そういう意味でも昔よりは客観視できてるんじゃないかな。
BACK DROP BOMB OFFICIAL WEBSITE
http://backdropbomb.jp/