music festival “tieemo”
武居創 (ex.OCEANLANE) × 大橋賢 (Choir touched teras chord) 対談
開催が今週末に迫ったmusic festival “tieemo”。今回は主催者であり、Choir touched teras chordのメンバーとして出演する大橋賢と、元OCEANLANEでtieemoにはソロで出演する武居創による対談をお届け!!
早速だけど、ゲット・アップ・キッズも全然聴いてた感じ?
ゲット・アップ・キッズは……初めて聴いたのは1st『FOUR MINUTE MILE』で、それが高校2年か2年だと思う。
高校生でゲット・アップ・キッズ聴いてるのって、なんか凄いマセてるイメージあるんだけど。
ラッキーだったのが吉祥寺に結構そうゆうディープなレコード屋があって、特にワルシャワレコードには通い詰めて、そこでアメリカのエモを知ったっていうのが大きいかな。Jimmy Eat Worldの『Clality』がワルシャワでかかってるの聴いて、あれは人生の数少ない衝撃。
あーはいはい。お店でかかってビビッと来る。
あと原宿にUP STARTっていう服屋とレコード屋があって、そこもワルシャワみたいにリアルタイムのアメリカのパンクとかハードコアのレコード、CD、あとバンドTシャツとか置いてあって、そこにカムバック(COMEBACK MY DAUGHTERS)のベースが働いてたらしいんですよ。
カムバックとかも仲良いの?
カムバックは仲良いですね、やっぱ。
結成した時から?
まぁ最後の方あんまりやらなかったけど、結構最初の方はよくツアーとかやってましたね。
日本のエモバンドでそこまで有名になったバンドってそこまでいないよね、カムバック、OCEANLANEって何かそんなイメージない?
Bluebeard!
おぉ。でもBluebeardは早く解散しちゃったからね。
あー確かに。
だから、OCEANLANEぐらいじゃないかなーってぐらいガンガンいってたイメージ。ワルシャワとか行ってた時はオーシャンやる前?
やる前ですね、オーシャンやり出したのが、俺と直江で曲書き始めた18ぐらいなので。
OCEANLANEで最初に作った曲が入ってるのが、あの1stアルバム?
そうですね、あれは結構。
ぶっちゃけ結構いきなりいっちゃったって感じ?
んー、まぁそうかもですね。だってライヴ活動もそんなあんまりしてなくて、音源だけ作ってて、結局正式にOCEANLANEをやり出して……多分1年以内で作って。
清野さんがエンジニア?
あーそうそうそう清野さん
ちょいあーも清野さんです。そういえばみたいな(笑)ハジメ君と清野さんってほんと仲良いみたいだよね。
あー凄い仲良い、だってもう10年以上だから付き合いが、、だって2nd以外全部清野さんがエンジニアですしね。
歌になると厳しかったりしない?
あ、そう歌にすげー厳しい、むちゃくちゃ厳しい。
何か言われたの?
清野さんはなんかこう厳しいには厳しいんだけど「それがバンドの実力だから、無理してやっても意味ないよ、もっと練習して来いよ、なんでここでやるんだよ」みたいな結構キレられる時もある(笑)。
へー。俺らレコーディングした時は……歌録りの時とか、「あの子ナイーヴっぽいからあんまりいってもねー」って。それが今の実力なんだから、必要以上にウマく聴かせるな、みたいな感じだったけどね。
んー確かに。
そういや「ハジメ君の歌上手くなったなー」って誰かが言ってたなと思って、でも最初っから上手かった気もするんだけど。
いや、でもね、今聴くと1stの歌ヒデえな俺。って。
へー全然わかんないよ。ちなみにゲット・アップ・キッズのマットもインタヴューで全く同じ事言ってた!1stの曲は好きだけど自分の歌が好きじゃないなぁって(笑)。最初言ってたんだよね、ハジメ君が当日ゲットアップの通訳とかやったらウケるかなーって(笑)。でも一緒に対バンした事あるんだよね?
ゲット・アップ・キッズは2003年かな? SAVES THE DAYと日本に来た時、大阪だけやったんですよライヴ。その時はねー、ヴォーカルのマットがライヴ前に、ジャックダニエルをボトルでがんがん飲んで、みんな大丈夫かなって(笑)。
さすがカンザスの男!! じゃあもうベロベロみたいな?
でもねベロベロじゃなかった、ライヴもすげーって思ったっていうのは覚えてる。そういやゲット・アップ・キッズ見に行きましたよ、3年くらい前に来日した時。
おぉ。ハジメくんもか~。今回tieemoの出演者ほとんど見に行ってるんだけど(笑)再結成して見るゲット・アップ・キッズはどう?どこか違った?
いや、普通によかったみたいな。
変わらずよかった?
変わらずよかった。
きっとそこまで練習なんかしてないはずなのにね、大人ってすげー。
アメリカのバンドはライヴがウマい、ひたすらツアーやってるからその辺の鍛えられた感じは凄いと思う。
今回ゲット・アップ・キッズは1stと2ndを中心に演奏しますが、何かあります?普通のライヴと違います?
なんだろ……基本的には1stと2ndしか聴いた事がない。
あー実は自分も結構その感じで、3rd以降はそこまで聴き込まなかった。
俺は1stを最初に聴いて、1stが一番好きなんだよね、だから1stか2ndっていうとやっぱり1stだね。
1stのどこらへんが良かったんですか?
何が良かったんだろ、こういう音楽初めて聴いたからかな。もちろんその当時エモコアって言葉も知らなかったし、なんでだっけなー、とにかく音も悪いし何やってるのか分かりづらいし、そしてヴォーカルもあんま聞こえないし(笑)。何かこう響くものがあったんだろうなーって。
本当ゲットアップの1st音悪いの有名だね、歌もあんまり聞こえないみたいな話もよく聞くしね(笑)。
しかもやってるのは、ギターをディストーションでかき鳴らしてるだけ、小細工一切なし、そういうのって普通パンクバンドとかロックバンドがやるのに。ほんと勢いにまかして30分くらいで絶対2曲くらい作っただろ?っていうくらいな、明らかに何もアレンジとかされてない感じが良かったのかな。
分かる分かる(笑)。やっぱゲットアップの2ndも聴いてた?
聴きました、ロボットのジャケ。
ゲットアップのロボットとジミーのクラリティはほんと超聴いたなぁ、結局何だかんだ絶対聴いてる2枚だった。あれはほんと名盤。
はいはいはい。
やっぱオーシャンレーンの1stもそういうイメージなんじゃないかな?名盤みたいな。でもハジメ君言ってたよね、OCEANLANEの作品の中だと最後のアルバムが好きみたいな。
それはミュージシャンとしてスキルアップしてっていう観点で見るから、だから最新のを好きになる。自分も例えば音楽ファンとしての立場からすると視点違うし、例えばファン目線から言うと1stの方が好きって人も多いからそれは関係ないですね。ミュージシャンのスキル云々っていうよりスキルじゃない初期初動の部分だったり、そういう言葉にはできないテクニック云々じゃないとこっていうか、それは例えばゲットアップなら1stが一番好きだし、あと自分が出会ったタイミングによりますよね、オアシスだったら俺はリアルタイムは1stと2ndだからどうしてもそこら辺になっちゃうし、出会ったタイミングで。
青春時代になった部分は刻まれるみたいな?
うん。
今回tieemoやってるのも、基本的には青春時代に刻まれたイメージが強くて、だからゲットアップやハスキンにも、つい1stと2ndお願いしますって言っちゃったみたいな。当時、本当に1stと2ndを聴いてて、自分が分からないものには手が出せないみたいな、こっからいきなり勉強しても邪念が入るかもしれないし「あの時ああだったなー」って青春時代の初期初動ってのはあるかも。
ハジメ君って自分は歌い手だ!っていうのあるの?ギターなのか?作曲家なのか?ってない?俺もドラム叩くし作曲もするしみたいな、逆に言えばtieemoみたいなイヴェントもしちゃってるしみたいな、何なんだろって言われるとまぁ確かによくわからないんだけど作曲家なのかな~って思うんだ。
まぁ個人的には歌い手かなー。
あーやっぱりやっぱり。
曲書く時も自分が歌いたいために曲書いてるから。
それ超素敵過ぎる。
だからそうギターも全部歌のために、歌があってそのフレーズがあるみたいな、歌を生かすための曲がある、歌を生かすためにそのギターフレーズがあるみたいな。
ハジメくんの歌ほんと良いもんねー。「俺歌えるな」っていつ思ったんだろ?
中学校とか。
すっげー早いね。
中学生、教室とかで友達と教壇の上に立って2人でアカペラでチャゲアスとか歌って。
ものすごっ!教室コンサート?
そうそうそう、チャゲとアスカ役で。
やっぱハジメ君はアスカ?
そうアスカ、アスカさんに憧れてて。
わかるわかる。
子どもの頃に大人の男の人ってこうあるべきだっていうのがカッコいいなーって子ども心ながらに思ったんですよ。
SAY YESとか?
SAY YESとか。まぁまぁ結構いろんな曲が好きで。
ははは(笑)あっ、全然関係ないけど、ちょいあーのコメント書いてくれてありがとうございます。熱いコメント。
いやいやいや。
ゲット・アップ・キッズ、プロミスリングの真の後継者って書かれててビックリしたよねー。本当に?って、絶対嘘でしょ?って。2曲目が大名曲ってのもびっくりして。うちのギターのぜんさんが作った唯一の曲(笑)。
なんで2曲目にしたんですか?
あれ、1曲目に持ってこようと思ったんだけどね、なんか推し曲じゃないって、元々ぜんさん自身がボツにしようとして、それを俺が拾って作ってった曲だから、超推し曲ってイメージは俺らにはないかな、でも確かに凄い人気あって、ハジメ君までも言ってるからえーって。
すげーって思った。
そういえば、ハジメ君にはゲット・アップ・キッズが決まる前から軽くオファーっぽく声掛けてたじゃん、もしかしたら何かが決まるかも?って。
あーはいはいはい。
それで、ゲット・アップ・キッズになりました!って伝えた時、実際どう思っただろうって。
いや、凄いなーって。
嘘だと思わなかったの?
いやいや全然。素晴らしい! テキサス(Texas Is The Reason)だったとしても凄かった。
やっぱりやっぱり?
テキサス見たかったのになー。まじで
残念だったよねー、アメリカまでオファーしに行ったんだもんな~。テキサスのライヴ動画とか見ると懐かしいよね、あれを思い出す。
ライヴいいなー。日本人とか来てました?
なんか来てたみたいだけど全然わかんなかった。
本当に活動終わっちゃったのかな、マジで?
終わっちゃったんじゃないかなぁ? やっぱ難しいよね再結成バンドは。
まぁ、そうですよねぇ。
そうだね。難しいからこそゲット・アップ・キッズを呼べたのはものすごく嬉しかった。最近はやっぱ全然活動してなかったみたいだし。ずっと思ってたのは、今ちゃんと活動してる海外のエモバンドはSTIFF SLACKとか& recordとかがきっと呼んでくれるし、ウチらがやるべきなのはちょっとよくわかんないヤツ、ゲット・アップ・キッズ、The Promise Ring、Texas Is The Reason、Cap'n Jazzとか、ちょっとリリースも無い、どういうタイミングでどういうノリで呼べば良いか分からないみたいなバンドを呼んで、夢を追いたい……みたいなね。
ほんと素晴らしいですね。
tieemoの運営の人達は今のバンドも好きで、BIGMAMAとかも聴いてて、実は、ほぼみんなゲット・アップ・キッズを知らないでオファーしてた(笑)。でも、Predawnはみんな好きだし、BIGMAMAも通ってる、OCEANLANEも超聴いてるって、でもそういう子がゲット・アップ・キッズは知らない、そう、そういう子達がゲット・アップ・キッズを知らないとこのシーンは盛り上がらないんじゃないか?って思いが凄い強くて。OCEANLANEを好きな子とかもエモだって認識もなく、キャッチーなメロしてる良いロックバンドのイメージが強いかもしれないって。若い人達の中でエモっていう定義みたいなのほとんどないと思うから、エモが何かっていうのも、エモってジャンルがあるっていうのもtieemoで初めて触れる人達もいると思う。
そうだろうね、マニアックなサブジャンルだからね、バンドやってる人が聴くみたいな。
思ったんだけど、若い20代くらい男の子が、エモとか全く聴かない子がこの前ツイートでエモについて喋ってて、エモについて、「エモってこう心臓がみなぎるような感じ」「自分の中でドクドクするようなのがエモ」だって呟いてて、エモってこんな若いコでも通ってるんだなーって。そういえばテキサスのライヴ行った時も若い子いっぱいいたもんね、意外にもみたいな。
でもまだまだなんだよね。
今回の出演者もいろんな協力者もみんなゲット・アップ・キッズ好きで、フライヤーとかを置きに行っても、えぇ!!ゲット・アップ・キッズ!!みたいな、なんか音楽関わってる人は全員知ってるんじゃないかっていうくらいに、きっとほんとにいいバンドだから出演者も協力者も思い入れがあるのかなって思うから、リスナーにも是非聞いてもらいたいね。
聞いてもらいましょう!
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