新作完成まで密着!! AA= Special Contents
Member Interview Vol.1 Nobuaki Kaneko
今回の特集のひとつの目玉、AA=メンバー・インタヴュー。初回となる今回はドラマー金子ノブアキ。 いままでは上田剛士以外のメンバーに焦点があたることはなかったが、デジタル・シングルのリリースを控え、さらに次なる新作も制作中とのことで、上田にも同席してもらい、AA=のメンバーになったきっかけや、AA=でのドラムのスタイルについて金子に話を訊いた。
前編・後編と2回にわたり公開します。今回は前編。

後編はコチラから!!

Interview & Text : New Audiogram
Interview Photos : Ryo Nakajima (SyncThings)
ただいまAA=の新作のレコーディング中とのことですが、進行状況はどうですか?
今はドラム録りが半分くらいまで終わっていて、あと残り半分くらい。俺のほうでまだ作っている段階の曲もあるので。
進行的には順調ですね。
普通のバンドのレコーディングとちょっと違って、(各パートを)バラバラな感じで作っていくので、ちょっと(全体像が)見えづらいといえば、見えづらいですが。曲作り中ということですね。
AA=の新曲をレコーディングする時はどのように進んでいくのですか?
今までは、基本的に自分が曲を作ってアレンジまで考えた割と完成型に近いデモを作って、それをみんなに聴いてもらって、リハーサルにも入らず、いきなりレコーディングですね。
いきなり録っちゃいますね。
曲はそのとき初めて聴くんですか?
メンバーには前もって聴いてもらって、各自(自分たちのパートを)考えておいてもらうけど、バンドでスタジオ入ってみんなでセッションして録るというのは基本的に無くて、いきなりレコーディングしちゃうというのがいままでのパターン。
なるほど。
で、今回はそれをちょっと変えて、レコーディング前にみんなでスタジオ入ってセッションしました。そこが今までと違うところですね。
だから、最初のドラム録りの時にベースとギターも一緒に録っていたんですね。(RECORDING PHOTO GALLERY : Session 1を参照)
そうです。だから、今まではバンドで曲を合わせるのはレコーディング終わったあとが初めてで……。
今まではそう。ライヴのステージ上で初めて全員で合わせるみたいな(笑)。そういうのが基本のスタンスだったんですけど。
アルバムはデモの延長では無いけど、スタジオワークというか作品作りの方に着目してやってきてたんだけど、今回は(事前にリハーサルをして)バンドっぽい感じで。
なぜ今回から変えようと思ったんですか?
まぁ、ちょっと違うことやりたいなぁと思って(笑)。
あはは!飽きたんですかねー(笑)。
そのやり方がなぜかというと、まず2nd(『#2』2010年作)を作った時はレコーディング期間中はメンバーに会わない(笑)というのがテーマで、一人一人(各パートを)録っていったんです。
果てはミックスまで(笑)。エンジニアさんを含めて……
会わない(笑)。
それでもやれちゃうんで、いろいろと駆使して。
会わないというのがテーマだったけど、それで出来るってわかったんで、今度は会おうかって(笑)。
じゃあ、今度はみんなで顔合わせて(笑)。
「会うっていいね!」みたいな(笑)。
(笑)そういうコンセプトがあったんですね。
2ndのそういう流れから3rd(『#3』2011年作)でそれを完成できた感じですね。
ちなみに、1st(『#1』2009年作)の時はみなさん参加してるんですか?
俺は1stのライヴからですね。
1stは打ち込みメインです。
なるほど。剛士さんがデモを作ってくるということでしたが、メンバーそれぞれの演奏を想定してのリズムパターン、フレーズを作ったりしますか?
だいぶわかってきましたね、それが(笑)。
あはは!
最初はわからないから、何となく雰囲気で作ってきたんだけど……まぁ実(ギター/児島実)は(一緒にやって)長いんだけど……あっくん(金子)のタイム感とか、ドラムは同じ8ビート、同じフレーズ叩いても人によって全然違うし、特にRIZEとAA=は両極端にあるくらいスタイルとして違うので、あっくん自身もやってみないとわからないだろうし、やっていくうちに出来ていったんだと思う。
そうですね。もうかれこれ5、6年になりますよね。AA=という名前になる前からセッションしたりとかしていたので……。
自分が何もしていないプー太郎の時期に一緒に遊んでたんです。
もう5、6年一緒にやってるんですけど、俺自身も開発された部分は大きいですね、その中で。今までMIDIに合わせてやっていくことはあまり無かったんで、そういう意味では影響は大きいですね。それが5、6年と経つとだんだん日常になっていくというか、体も出来てくるので、今では内側から出てくるものが大きくなりました。
というか、メンバーと一緒にインタヴュー受けるのって……
今日初めてだね!だからいま「何だ。この感じは?」って思って(笑)。
(笑)。さっきお話にあったようにAA=始める前から一緒にセッションしていたということもつながっていると思いますが、AA=やるにあたってドラムに金子さんを誘った理由は何ですか? 彼のドラムのどのようなところをAA=は必要だったんでしょうか?
すごい独特なノリがあるというか、彼が持っているリズム感がすごくいいんですよね。最初合わせた時は「もろにRIZEだな」って思ったんだけど……
そうですよねー(笑)。
でも、そうやって合わせていくうちに手応えを感じて……。自分の場合、打ち込みと生のドラムを合わせるのがスタイルというか何年もやってきたことなので、それを完成させることが目標なんですけど、実はそれをやるのは、そういうノリを持っている人とやらないとなかなかうまく出来ない。ちゃんとした人間のグルーヴというか、いいグルーヴを持った人が、機械と合わさってやっていかないと、そこでマジックが生まれないというか……。で、彼と合わせてみて「これは合うな!」と感じました。あと彼の手数多さ、細かさとかが、打ち込みの大きなノリに絡んでくると、面白いなと思いましたね。
なるほど。
あと、RIZEはセッションしている感じというか、みんなでアドリブやりあったりとか、そういうのが得意なバンドだけど、うちに関してはそれは全くといっていいくらい無いんだけど、そこにアドリブとかそういうことが出来る人がやると、また全然違うものになって面白いし、逆にRIZEで出来ないことをやってほしいなと思っています。
金子さんは、AA=参加の話が来たときはどうでしたか?
すげー楽しそうだなって。まぁ、剛士さんたちは、そうとう少年時代から憧れてましたし、かわいがってもらってましたし、「一緒にやる日が来たか!」って興奮したのを覚えています。
それから数年たち、レコーディングも参加し、ツアーも何本もやりましたが。
さっきの話になんですが、そういう機械の音に対して絡んでいく打楽器奏者として参加していった時に、自分が入ることにより生まれるであろう化学反応みたいなものは、なんとなく頭でイメージ出来るんですけど、それが体に……身体地図というか、体がどんどん動いていく、それに順応していくようになるまで、ひたすらやるしかないと思っていたので、リハーサル入るときはガーッと1000本ノック状態でやりまくるんですけど、僕もそういうの結構好きなので、そこも気があったというか……AA=はメンバー全員の足並みというかペースが割と近かったのかな。「めんどくせー」とか言いながらもちゃんとやってる……ちゃんとやりたい感じ(笑)。やっておかないと不安みたいな(笑)。
みなさん、その辺マジメなんですね(笑)。
その辺は、やらないで振り返るのはやめにしたい。やれることは全部やっておいて、そうすれば取捨選択、話はシンプルになってくるので。
なるほど。
で、その機械のビートに対して、自分はその時点まで積み上げてきたスタイルというものもかなりあったりはしんたんですが、人間のそういうグルーヴ感は極めて楕円に近いノリがあると思うんです、それは呼吸とか間みたいなものですが。それっていうのはやっぱり今のテクノロジーでは、人間が楽器を演奏するような速度で回転していくっていうのは、まだ表現が難しい部分がすごくあって、そこで何か力になれるかもしれないと思って。でも、ライヴと(アルバム)制作は全く違うので。今回はそれこそプリプロ(ダクション)ちょっと入ったりしてるのは、ライヴも重ねて来てノウハウが、それぞれ出来ているという意味も含めて、ちょっとそこに喜びを見いだしてみようかなと思ってたんですけど。そもそもライヴで更に刺激とか楽しみが散りばめられていくような感じになればなぁと思って作ってきたので。で、曲ってどんなスタイルでもライヴでやると育っていく部分がすごくあるんで、AA=の場合はそれはすごく特殊な形で……さっき言ったようにステージ上で全員で音を出すまで、出したことがないといった状況で始まるので、一度100まで作り上げたものが、また本当にゼロから始まるっていうのは、結構珍しいケースなのかなと思うんですけど。全員そこはストイックにステージに出る頃にはそれぞれ完成しているという責任を持ってやっているなと思うので、そういう意味で不安は無いですよね。それに対してネガティヴな感情は働かないというのはすごい強みだし、それは音楽の力を増幅させる、いい仕掛けかなと思っています。
後編はコチラから!!
新作完成まで密着!! AA= Special Contents Member Interview Vol.1 Nobuaki Kaneko