New Audiogram: オルタナティヴミュージック ウェブマガジン

toe
[2010-11-02 21:50]

最初にギターの美濃が現れ「1 / 21」のイントロを弾きはじめるのに続き、残りのメンバーが登場。あっという間にtoeのスケールの大きな音の風景がO-EASTのなかにたち現れる。アルバムでは原田郁子をフィーチャーした「After Image」の清涼感漂うテクスチャーが追い討ちをかける。

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山嵜がいつものマイペースな口調で「酒でも飲みながら聴いてください」とMCし場内の笑いを誘いながら、「グッドバイ」が始まると歓声が沸き立つ。フジロックで観た土岐さんとのヴァージョンはいわずもがなだけど、山嵜のヴォーカルもまた味わい深い。間髪いれずプレイされた「New Sentimentality」で柏倉の圧倒的なドラムを堪能する。

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山嵜と美濃のエレクトリック・ギターのスリリングな絡みが発揮されたシリアスな「孤独の発明」、「エソテリック」の暴力的なノイズの後、エモな「I Do Still Wrong」のカタルシスへ。「今日はほんとうにどうもありがとうございました、あと5曲くらいあるかと思った」と山嵜が名残惜しそうに挨拶し、「Long Tomorrow」。

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野外のフェスティヴァルで心地よい風に吹かれて聴くtoeも格別だけれど、渋谷は円山町の喧騒にタフに立ち向かっていく構築されたアンサンブルもまた彼らの魅力だと思う。そして「Path」にある、いわゆる日本的な情緒ではないのに、たまらなく感情をゆさぶられてしまう、精緻なサウンドと空気感へのアプローチに感服した。


Set List

01. 1 / 21
02. After Image
03. グッドバイ
04. New Sentimantality
05. 孤独の発明
06. エソテリック
07. I Do Still Wrong
08. Long Tomorrow
09. Path