「片道切符の歌」で幕を開けたイースタン。「夜がまた来る」の途中の口笛そしてドラム・ブレイクに、なんてモダンなバンドなんだろうと感じ入ってしまった。吉野の口笛と二宮のベースによるジャズのセッションのあと「踵鳴る」はこの夜会場が最も沸いた瞬間のひとつだった。すでにクラシックとなっているけれど、ライヴで聴くたびに背筋の伸びる思いと新しいエネルギーを感じることができる。
「遅くまで残っていだだいてありがとうございます。今日のライヴは順を追ってフレッシュさを失っていきます。ノー・フレッシュ(笑)」という吉野のMCのあと、「ズッコケ問答」「何処吹く風」。ここまで生活のストラグルをロックの表現に刻み込むことができるバンドを他にしらないし、屈強なリズム・セクションを基盤にしたヘヴィネスを武器とし、長きにわたるキャリアを持ちながら新人のようなフレッシュさを忘れない。
「雨曝しながら濡れるがいいさ」そして「若者なら荒野をめざせ。若者じゃなくても荒野を目指せ。老いてなお荒野を目指せ。そう、俺たちeastern youth」という吉野の言葉からもちろん「荒野に進路を取れ」。そして「一切合切太陽みたいに輝く」決して達観することなく、世界の欺瞞や淀みまで全てを受け入れ輝いてる彼らの姿があった。
3バンドがライヴを終えたことがにわかに信じられないくらいあっという間だった。アンコールに応える3人が演奏した「夜明けの空」にあるすがすがしさをフロア全体で共有できたことがなにより嬉しかったのだった。
Set List
01. 片道切符の歌
02. 夜がまた来る
03. 踵鳴る
04. ズッコケ問答
05. 何処吹く風
06. 雨曝しなら濡れるがいいさ
07. 荒野に針路を取れ
08. 一切合切太陽みたいに輝く
- Encore -
09. 夜明けの歌