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「SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction -LIVE at MAKUHARI MESSE 2013.5.19-」
[2013-11-12 22:34]

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2013年5月19日に幕張メッセで行われたライブを
DVDとBlu-rayにしました。
前回のツアーでも幕張メッセ公演を映像化しましたが
今回は大きく3つの違いがあります。
今日はそんな話。

☆1 サラウンド


今回の幕張ライブはサラウンドでした。
最近の映画館では当たり前になってるので、聴いた事のある方が多いかもしれません。
僕たちにとってサラウンドの大きな利点は
客席を音で包み込む事が出来るなどの、表現の幅が広がった事
後方にいるお客さんにも、十分な音量で聴いてもらう事が出来た事
この2点に関して言えば
ドルビーの方や、音響チームの力があってこそ実現出来たと思います。
そして、実際に音を調節する際には
『いろいろな方向から音が出てきて凄かった!』
という事よりも
『音が良かった』
『ライブが楽しかった』
という結果に繋がればと思い
メンバー、スタッフ一同、一丸となって取り組みました。

このライブを映像化するにあたり
僕たちが立てた1つのコンセプトがあります。

『まるで当日の幕張メッセの会場にいるような音の再現を、しない』

あくまでライブはLIVEであって
あの日あの場所に来てくれた人にしか伝わらないものが確実にあります。
なので今回の作品は
『自宅のテレビでこのライブを見るとしたら、こんな音にしたい』
という、当日演奏された素材を使っての再構築をすることにしました。

サラウンドというフォーマットは
まだ音楽と言う分野において発展途上な部分が多く
業務用のスピーカーと、ホームシアターセットとして売られているシステムの違いも
ビックリするほど差異があって、
聴く環境やシステムの違いで、意図していない音量が出る結果になったこともあります。

最終的には3カ所のスタジオと一郎の自宅、計5種類のサウンドシステムで確認して
どの環境で聴いても、同じ印象になるよう調節しました。

残念ながらDVDには容量の問題で収録出来ませんでしたが
Blu-rayを購入した方で、ホームシアターセットをお持ちの方は
ぜひ楽しんでみてください。

☆2 バイノーラル


自宅にホームシアターを持ってる方は少ないのでは?
サラウンドをスタジオで爆音で鳴らして、それをバイノーラルで収録すれば
ホームシアターセットを持ってない人でも
ヘッドフォンやイヤフォンで、擬似的にサラウンドが楽しめるんじゃないか?

というメンバー、スタッフの話し合い(予想)の結果
バイノーラルを収録する事が決まりました。

バイノーラルとは
あたかもその場で、自分の耳で聴いているような音を収録できる技術です。
注意点はヘッドフォンかイヤフォンで聴かないと効果がないという事。

ホームシアターセットを持ってないという人も擬似的に
大きな音で聴きたいけどスピーカだと近所迷惑になるから聴けないという人も
ぜひ、このフォーマットで楽しんでみてください。

こちらはDVD、Blu-ray、両方収録されています。
ステレオとバイノーラルをヘッドフォンで聴き比べて
『ほほう、なるほどね〜』
と、音響マニアな気分になるのも一興です。

3、ハイレゾ


DVDには48k、Blu-rayには96kというハイサンプリングレートで収録されています。
過去作品との違いは、そもそも録音する時点で96kで収録していたので
アップサンプリングをしていません。
巷では、圧縮音源とハイレゾ音源を聴き比べても
違いが解らないというような記事もあるようですが眉唾モノです。
誤解を恐れずはっきり言わせてもらうと
『リスナーの耳をバカにするな』ですね。
勿論、前回のブログに書いたように
高音質=良い音ではありません。
昔のモノラル音源なんかは、味があって好きです。
そして個人的な意見ですが
ライブの空気感や、小さな音の繊細さの面で言うと
ハイサンプリングレートで収録された音の方が
僕は伝わりやすいなと感じています。
聴き比べても違いが解らない、なんてレベルではないです。
それは、卓上に置くような小さなPCスピーカーでも解ります。

特別な音響機器がないとハイレゾって聴けないのでは?
というような危惧をされる方もいるかもしれませんが
今あるほとんどのDVD、Blu-rayプレイヤーは対応しています。
HDMIケーブルでテレビと接続されていれば
難しい設定をしなくても、高音質で楽しめるものが多いようです。
(PCの場合は、簡単な設定が必要なものもあるので注意が必要かもしれません。)


長々と書き連ねましたが
上記の3つは、言わば僕らの売り文句。
音響的な知識を知っているかどうか、は
この作品を楽しめるかどうか、に比べれば、実はそれほど重要ではないと思います。


プレイヤーにディスクをセットする瞬間
ちょっとでも気持ちがワクワクしてもらえる事を願っています。
是非!

Keiichi Ejima : 江島 啓一 エジマ ケイイチ

Keiichi Ejima
江島 啓一 エジマ ケイイチ

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