ここまで国境を越えて、いわゆる現在進行形のポストロックに特化したフェスをやるっていうのは僕の知る限りでは他に無い。
なにせTera Melos, Maybeshewill, The physics house band, TTNG, Enemies, という
アメリカ、アイルランド、イギリス、そして日本と世界各国の友達が一堂に会することなんて
今までなかったから。
また興味深いのは僕らを含めこれら友達バンドが、揃いも揃ってフェスでは2番目の大きさの
同じステージ(YOHKAIステージ笑)に出演するということ。
つまりみんな同じような規模でやっている同世代バンドだとシーンに認知されてて、
嬉しい事に僕らLITEもその一部なんだということ。
そしてそれは国境という概念が限りなく0に近いという事も意味する。
バンドも国境を越えて、お客さんも国境を越えて一つのポストロックという狭いジャンルのフェスに集まる。
ポストロック黎明期から数えて何回目の波かは知らないが、
今新しい波が目の前に確実におきていることを肌で感じる事ができた。
LITEはこのフェス最終日に、二番目に大きなYOHKAIステージの大トリをつとめさせて頂いた。
そして一番大きなステージの大トリはMONO。
今回最も興味深いのはこの世界各国の同世代のポストロックを濃縮したイベントにあって、
1番目、2番目のステージの大トリが日本のバンドだということだ。
(僕らのステージ名も”妖怪”だし。)
偶然なのかどうかは分からない。
僕らはまだまだ若輩者にすぎないが、事実として日本には世界に誇るバンドが沢山いる。
そしてそれらのバンドはいつでも世界の大きなうねりに巻き込まれない独自の世界観でシーンを牽引してきた。
その成功の一因には欧米のシーンにとっては日本が極東にある独特の風土という見られ方もあるかも知れない。
でも間違いなくそれは世界水準だし、偉大な先駆者達はいい意味で
世界に対して独自の進化を遂げているガラパゴス的なインパクトを残してきたと思う。
そして今回の大トリ。
MONOもその先駆けであり誰もが知る世界のバンドだから誰もが納得の大トリだけど、
僕らLITEも仮にそんな日本のバンドの一部だと評価されての大トリであるとするなら、
本当にミュージシャン冥利につきるというものだし、こんなに嬉しいことは無い。
この数年間LITEも毎年国内外でのツアーを重ねてきたということも大きいと思う。
フェスで歩けば友達に出くわすような環境は少なくてもイギリス国外のバンドでは
僕たちだけだと自負しているし、それだけ共通のファンがいるという事でもある。
だからこその大トリという意味でも成し遂げてきた事は大きい。
海外ツアーを通して世界とつながっていく活動の意味を、
音楽を続けていく理由をここで改めて考えさせてくれた。
10年間。
この数字が持つ意味は想像以上に大きいのかも知れない。
本当に10年続けさせてもらっている様々な協力者に感謝です。
来週からはアメリカで40年近く音楽を続けている僕たちのメンターMike Wattとツアーです。
P.S 10年間やってて初めてライブでダイブが起きました。忘れられない思い出。