申し訳ないがここまで彼らのライヴが素晴らしいとは予測していなかった。00年代UKインディを牽引してきた彼らが、他の多くのバンドが停滞するなかで活動を続け、『So Long, See You Tomorrow』という傑作を発表したことにも驚いたが、いきなり「It's Alright Now」でオーディエンスとのクラップが起こる一体感を作るバンドの説得力におそれいった。ジャック・ステッドマンのイノセントなヴォーカルそして楽曲にあわせスクリーンに映されるアニメーションといったファンタジックな世界とUK的憂いに、アップリフティングな「Overdone」そして 「Luna」「Feel」で強調されたポリリズミックなリズムの導入などにより生まれたオプティミズムが加わる。90年代のそれとも異なる楽天性が、彼らのオリジナリティになっている。「フジロックニコラレテウレシイデス」というジャックのMCも微笑ましかった。