過去最多のオーディエンスを集めた "FUJI ROCK FESTIVAL '12" !!
13年ぶりとなる全日晴天という環境の中、夢のようであっという間の最高な3日間でした。
そんなGREEN STAGEの大トリを務めたRADIOHEADのライヴ・レポートをお届けしたところで、3日間に渡りお届けしましたこの最速ライヴ・レポートもこれにて終了となります。
ご覧になって頂いた皆さんありがとうございました!!
それではまた来年、苗場にてお会いしましょう!!
ディスコグラフィーを年代を遡るようなセットリストだった。
「Lotus Flower」に始まり、「15 Step」にしてもいずれの楽曲もリズムがとりわけ強化されている。ここ数年のレフトフィールドなダンス・ミュージックへの接近が影響しているのだろう。「Karma Police」のようなバラードは別にしても、よりパーカッシヴにリアレンジされアップデートしたレパートリーは、前2回の来日時よりも選曲に自由度をもたらしたのではないだろうか。
とはいえいかにチューンアップされているにしても、正直こんなに過去曲を屈託なく演奏するアーティストだったかなと思うところもあった。今日も日本語で何度もコミュニケーションをとろうとしていたトムからの日本のファンへ向けてのプレゼントだったのかもしれない。
中盤紹介された新曲(トム・ヨークはすでにYouTubeにアップされているとぼやいていたが)も、すこぶるダンサブルかつ憂いをたたえた曲調だったことは記しておきたい。
それにしても、昨日と同じくソールド・アウト、計14万人を集めた今年のフジロック。雨らしい雨も降らず、最高の環境で楽しむことができた。震災の翌年にもかかわらず、このように成功させることができたことに、アーティスト、スタッフ、SMASHそしてオーディエンスに感謝を送りたい。
ホワイトステージに掲げられた、REFUSEDのロゴがあしらわれた幕が落ちた瞬間、予測不可能な曲展開とメタリックなギターそしてシャウトが渾然一体となる。
ヴォーカルのデニスが政治的な曲かつ、この曲を発表したときより状況はさらに悪くなっていると前置きしたうえで『Songs to Fan the Flames of Discontent』から「Rather Be Dead」を演奏。「20年日本に来られなくて申し訳ない、けれど、20世紀にちっぽけなパンク・バンドで小さなクラブで演奏していた俺たちがこうしてフジロックに出ることができて嬉しい」と泣かせるMCのあとプレイした「Summerholidays vs. Punkroutine」や、粘りつくようなグルーヴの「Refused Are Fucking Dead」など、ポリティカルなメッセージと合わせ、本当に様々な音楽的試みをおこなっていることをあらためて認識。
日本ではあまりにも知られなさすぎているのは事実。この90年代スウェーデンから世界を凌駕したハードコア・バンドを、復活を期に掘ってみることをお薦めする。
これまで多くのポストロックのインストゥルメンタル・バンドを観てきたけれど、EXPLOSIONS IN THE SKYはそのどれとも異なっていた。
まず反復によるヒプノティックなタイム感を極力用いず、変拍子にもおもねらない。旋律のかたまりの一つ一つを丹念に積み重ねシンフォニーとして構築していく手法は、比較されがちなMogwaiとも違う風景を見せる。セットが進行していくうちに夕闇が迫りホワイトのライティングが神々しくさえ映る。原初の記憶を思い起こさせるようなメランコリックなメロディとシンフォニックなアンサンブルが胸に迫った。
とはいえ高い評価を獲得したアルバム『Take Care, Take Care, Take Care』のように、彼らの作る音はテキサスという土壌がそうさせるのか、決してとっつきにくくなく、あくまで日常の感情の機微に優しく寄り添ってくる。隣のお客さん「泣ける!」と呟いていたけれど、本当に心をガシッと掴み離してくれない音の波が最後まで止まることはなかった。
UK祭りの様相を呈している今年のフジロックだが、こんなアクトも招いていることを忘れないでほしい。00年代以降のアメリカンポップ・ミュージックを語るうえで欠かせない、正統的後継者が初出演。
ギター、ベース、ドラムを従えた骨太なアンサンブルによるノスタルジックだけど新しい音像。卓越したソングライティングには、ソウル、カントリー、フォークからベッドルームミュージックまでのエッセンスを網羅している。ニュー・アルバム『A Wasteland Companion』から、まるでDavid Lynchの映画の一場面のような「Me and My Shadow」そして「Primitive Girl」で一際大きな歓声が上がる。名盤『Post-War』からオールドタイミーな「Rollercoaster」などこれまでのナンバーや「ベートーベンをぶっ飛ばせ」といったオールディーズのカバーも織り混ぜ、アメリカンポップス復権の立役者による才気に満ちたステージだった。
山嵜がステージに現れセッティングをしながらいつもの口調で集まった観衆に感謝を述べる。
そして原発再稼働について触れ、原発への別れを込めて「グッドバイ」をACOをフィーチャーしてスタート。穏やかなイメージから後半ドラマチックな音の重なりへと変貌を見せる。続いてリリースされたばかりの『The Future Is Now EP』から「月、欠け feat.ACO」。そしてクラムボン原田郁子とのコラボ曲「After Image」、最新作から疾走感に満ちた「The Future Is Now」。山根と柏倉の雄弁なリズムセクションがグリーンの足元を揺らす。同じく新曲「Run For Word」からは美濃と山嵜が椅子から立ち上がりエレクトリック・ギターの激しい絡みを披露するアグレッシヴな曲が並ぶ。最後には山嵜がモッシュピット前に降りてギターを鳴らした。
精緻なプロダクションで知られる彼らの、アジア・ツアーなどで鍛えられあげたライヴのラウドでラフな面を見せつけるパフォーマンスだった。
もしかして13年ぶりの全日晴天となるか、という最終日。レッドマーキーのオープニングに初出演のLOSTAGEがステージに現れる前から場内に拍手が巻き起こる。
新しいアルバム『ECHOES』からバンドのマッドで狂気的な面「BROWN SUGAR」。鋭利なアンサンブルと五味岳久のシャウトが空気を切り裂く。オルタナティヴな曲作りとスリーピースのアンサンブルの妙について自らを追い込み挑戦してきたひとつの大きな成果と言っても過言ではない新作からに加え「ひとり」など、アグレッシヴでドライヴ感溢れる演奏が好調ぶりを物語る。
地元を拠点にしたインディペンデントな活動姿勢にもリスペクトを寄せられる彼ららしく「奈良から来たLOSTAGEと言います」とあらためて挨拶したあと「BLUE」「楽園」「RED」最後はバンドにとって、リスナーにとって最も重要な「手紙」。求道的にLOSTAGEとしての在り方を音楽と態度は苗場でも変わることがなかった。
いよいよ "FUJI ROCK FESTIVAL '12" 最終日です!!
本日も快晴で、3日間晴れるのは13年ぶりとのこと。
熱中症には充分気をつけてください!!
そして本日のライヴ・レポート1発目はRED MARQUEEのトップバッターLOSTAGE!!
お楽しみに!!
2日目、GREEN STAGEのトリを務めたNOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDSのライヴが終了したところで本日のライヴ・レポートは終了です。
明日はとうとう最終日です!!
この2日間は天気が大きく崩れることなく来ているので、最終日も天気がいいことを願うばかりです。明日も現地よりレポートをお届けするのでお楽しみに!!