クロージング・アクトのSCISSOR SISTERSが終了し、
3日間に渡りお付き合い頂きました
この最速ライヴ・レポートも終了となります。
レポートをご覧になって頂いたみなさま、
本当に本当にありがとうございました!!
もちろん、現地ではまだ朝までお祭りは続きます!!
SUNDAY SESSIONでは、先ほどLCD SOUNDSYSTEMのJAMES MURPHYのDJプレイが
あり、またこれからY.Sunahara、RASMUS FABERなど注目のアクトが
まだまだ苗場を盛り上げます!!!
今年も数々の心に残るライヴがフジロックのステージで生まれ、
フジロックの新たな歴史に刻まれましたね。
それぞれがフジロックで作った思い出を胸に、
明日からそれぞれの生活へと戻るわけですが
また1年後に苗場のこの場所へみんなで一緒に帰って来ましょう!!!
それではまた来年のフジロックでお会いしましょう!!
SEE YOU NEXT YEAR!!!!
(編集部 田中)
毎年このヴェリー・スペシャル・ゲスト枠はパーティー度高いアーティストが出演するけれど、こんなに下ネタが連発する年はなかったのでは。ほとんどパンツ一丁でうたうヴォーカルのJake Shearsと、セックス・シンボルをマンガでキャラクター化してしまったようなAna Matronic。深夜を過ぎ雨足が強まるけれど、ふたりのサービス精神旺盛なやり取りでそれを忘れてしまう。
とかく派手なイメージが先行してしまうけれど、ディスコ・ミュージックのゲイ感覚を根底にした楽曲の秀逸さはもっと評価されるべき。新作からまるで80年代ハリウッド青春映画の主題歌のようなドラマティックな「Fire With Fire」も歌ってくれたし、「ときめきダンシン」をクルーに捧げるなど、とにかくツボを押さえたショーマンシップとディスコ感に降参しました。
3日目のGREEN STAGEのメインアクト、MASSIVE ATTACKはブリストルサウンドのオリジネイターでありながら、重厚さという自らの殻を破ろうとしている。Horace Andy、そして最新アルバム『Heligoland』でフィーチャーされたMartina Topley-Birdも参加したパフォーマンスは、復活前の必要以上に甚大さやヘヴィネスを抱えたライヴとは、皮が一枚めくれたように格段に訴求力を増していた。
序盤に比較的アップテンポの楽曲を揃えた構成は、後半のDaw Aung San Suu KyiからAvram Noam Chomskyまで、自由についての名言がスクリーンに現れた「Safe From Harm」などメッセージ性をビジュアルに反映させた楽曲を強調する。そして3DとDaddy Gが起用したMartina Topley-Birdは、MASSIVE ATTACKというトライブの、まさしく新しいミューズとなっていた。
(KK)
「ドウモアリガトウ」、「ワタシハニコラデス」、「アーユーレディ」とロボ声で愛嬌を振りまきながら続くステージ。これまでのAIRのライヴというと、プログレ的な美しい仰々さがあったのが、ソリッドにそしてタイトになった。しかしそれはロックっぽくなったということではなく、かつて彼らのアートワークや映像を手掛けたMike Millsが表現した、雲の上を歩くような、甘くファンタジックなカラーはナリを潜め、その根底にあった本質的なポップ・ミュージックとしての質の高さを、よりわかりやすく提示しているかのようでもあり、聴く者たちに新鮮な驚きを与えるものだった。
それにしても、彼らの『LOVE2』におけるてらいのない分かり易さは、今回のこのRED MARQUEEでのライヴにも顕著に表れていた。時代に応じて、音をしっかりとアップデートさせ、その時代に最もマッチした手法で提示する。これまでAIRのふたりが追求してきたエレガンスな世界観、それは90年代とも、00年代とも、また違った響きをもって我々の耳に届けられていた。
(KK)
Thom Yorkeによる注目の新バンド、まず目を惹いたのが、レッチリのFlea、さらにはJoey Waronker、Mauro Refoscoからなるリズム隊の特異さだ。今回、レパートリーの中心となっているのはThom Yorkeのソロ作『THE ERASER』の楽曲だが、本来のスムースでメロウなフォーク・エレクトロニカから一変、このスペシャルなメンバーたちがプロダクションを解体し、奇妙で土俗的なリズムを新たに作りあげている。Thom Yorkeのヴォーカルだけが唯一、曲の輪郭を示しているという感じだ。
Thom YorkeはRADIOHEADのときよりも楽器は幾分少なめ。タンクトップにヘアバンドというアスリートのようないでたちでバンドのグルーヴに陶酔するように踊り続けている。そう、Nigel Godrichもこのアシッドでストレンジなムードに拍車をかける。いつになく伸び伸びとしたThom Yorkeの姿が印象的で、"最後の曲はTHE BEATLESの「Paperback Writer」です"なんてジョークも飛び出していたくらいだ。
アンコールの最初こそThomas Yorkeのひとり多重録音をふくむ極私的なナンバーだったが、ATOMS FOR PEACEは、そのセッションを単純な腕利きたちの探求の場としての機能ではなく、それを革新的なポップとして成立させてようとしているのだと改めて確認できたアクトだった。
(KK)
秋からは全米リリース、全米ツアーも控えるBOOM BOOM SATELLITES。彼らがもはや世界的に見てもトップレベルの実力を持つライヴ・アクトであることに、異論を唱える者はもはやいないだろう。まさにGREEN STAGEを揺るがした今回のパフォーマンスで、そのことはさらに多くの人たちの記憶に鮮烈に残されたはずだ。
2010年にリリースされたニュー・アルバム『TO THE LOVELESS』ではプロダクションの構築をさらに強固に進める一方で、メランコリックな楽曲との2面性をも表現していた。それがいざライヴで披露されるとなると、その破壊力とダイナミスムは圧倒的。ドラマーを加えているせいもあるだろうが、腹の底までその重厚なビートとグルーヴを叩きつけられる。
「EASY ACTION」、「KICK IT OUT」といったこれまでの彼らのライヴを支えてきた楽曲の野外での映えは鳥肌もの。これまでにない獰猛な音のうねりと対照的に、川島と中野は最後までストイックでクールなスタンスを崩さなかった。彼らのこのパフォーマンス、いま世界でどう受け取られるのか、彼らの全米ツアーに期待が高まらずにはいられない!
(KK)
文字通り、RED MARQUEEの"RED"に相応しい、そしてまた最新作『The Weapons Of Math Destruction』のアートワークと同じく、"真紅"の衣装で登場したBUFFALO DAUGHTER。シュガー吉永、大野由美子、山本ムーグそしてサポート・ドラマーの松下敦が向かい合うお馴染みのセッティングから生まれるヒプノティックなグルーヴが、夕暮れどきの赤らんだRED MARQUEEに響きはじめる。
メッセージ性の高い楽曲が揃っているだけに、ステージのスクリーンにはそれぞれヴィジュアルが映し出されテーマを補完する。「Pshychic」などこれまでのライヴ定番曲もさらにアップデートされている。ここ最近、精力的にライヴ・パフォーマンスを重ねていることもあるのだろうか、バンドとしての結束がグッと強くなった印象で、いまがまさに彼らの全盛期なのだと言わんばかりの圧巻のパフォーマンス。
BUFFALO DAUGHTER、とても長いキャリアを持つバンドだが、いまこそ観ておかなければならないバンドである。
(KK)
彼らもまた昨晩のWHITE STAGEの大トリを見事に務めたMGMTと同じく、2008年の来日時から劇的な状況の変化を迎えたが、初のフジロック出演にして、いきなりGREEN STAGEへの出演を果たし、文句のない圧巻のステージを見せてくれた。
ニューヨーカーらしいアーティーなセンスで、アフロやラテンなどエスニックなリズムを果敢に取り入れ、ジャグリーなギター・ポップと融合させる。ヴォーカルとギターのEzra Koenigをはじめとしたメンバーのニートなファッションも、バンドマンというよりほとんどアートスクールの学生といった趣き。
コール・アンド・レスポンスを多用していたものの、ニューヨークのタクシーを題材にしたりする彼らのライヴで、まさかモッシュが起こるとは思わなかった。あのGREEN STAGE前の大ダンス大会を考えると、VAMPIRE WEEKENDの音楽のパンキッシュな側面を日本のオーディエンスは早くから感知していたのかもしれないと思った。同世代のインディーバンドよりもアルバム『Contra』の世界的成功で頭ひとつ抜けたこの後、どんな変化を遂げていくのか、興味は尽きない。
(KK)
待望の難波章浩名義での活動を活発化させている彼が、WHITE STAGEに登場。ドラムに佐藤ヒロシを迎えての3ピース編成で、パンクを基調としながらも、レゲエやニューウェイヴのエレメントを導入したサウンド、さらにはアッパーかつメロディアスなナンバーで、パンクな難波復活をアピールする。もちろん、これまでのソロ活動で顕著だったテクノやダンス・ミュージックの打ち込みのビートもそのサウンドの細部から感じ取れる。
時おりジャンプをきめ、日本語と英語のリリックで「俺は音楽しか信じない」、「人生諦めるなよ」、「発する、鼓動を鳴らし続ける。それがロックでしょ」と、他の人が言ったら相手にされないだろうことを臆面なく発信する。
そして後半、おもむろに「思い起こせば11年前になるんだよ」と呟いた後、「STAY GOLD」! ステージ前にオーディエンスが駆け寄り騒然となるなか、Hi-STANDARDのクラシックが蘇る。その瞬間のみならず、終始解き放たれた感覚に満ちたパフォーマンスは、フロントに「I AM FROM Hi-STANDARD AKIHIRO NAMBA」、バックには「STAY GOLD」のフレーズがデザインされているTシャツを客席に投げ入れるサービスまでおこなわれ、終了した。改めてその圧倒的な人間力と存在感を誇示した難波章浩。次なるアクションが楽しみで仕方がない。
(KK)
MATT & KIMのライヴにて、(写真右端から)riddim saunterの田中啓史さん、FRONTIER BACKYARDの田上"TGMX"修太郎さん、CUBISMO GRAFICO FIVEのチャーべさん(今回2回目登場!)に遭遇!
ライヴ観覧中にも関わらず、素敵な写真を頂きました。
ありがとうございました!!
(編集部 田中)