バンドのドラマチックな楽曲の魅力を極限まで引き出すプロセスの果てに、シンフォニックなアレンジは下世話さスレスレまで拡大され、レーザー光線が飛び交う演出とともに3人がクリエイトする物語を天に捧げる。
クラシック、プログレ、グラム・ロック……、天才肌に考えられるアイディアをすべて盛り込んだようでありながら、ねじ伏せるような説得力を持つ。Matthew Bellamy、Christopher Wolstenholme、Dominic Howardのそれぞれの高いプレイヤビリティがライヴではやはり壮観だ。
「Uprising」のような近作でのニューウェイブな意匠も、ステージ映えは人気曲に劣らない。フジロック史上最もド派手なメインアクトなのでは、というのは終わってから周囲のオーディエンスの何人もが「すごいもんみちゃったね」と口にしていたことからも見当違いではないだろう。
(KK)
「戻ってこれて嬉しいよ」と。思えば、彼らが2006年に出演した頃は、バンドの知名度や人気が急速に伸びはじめていた頃。いまやその人気と知名度、そしてバンドとしての実力もさらに高いレベルに到達した彼ら、RED MARQUEEで披露されたそのパフォーマンスにはもはやある種の貫録やすごみさえ漂っていた。
最新アルバム『Forgiveness Rock Record』から「Forced to Love」や「All to All」 のようなロマンティックなナンバーが際立った今回のライヴ、楽曲が粒ぞろいということもあるけれど、そのアレンジメントの多彩さは見事というしかない。ステージとフロアが多幸感でたちまち包まれていく。
本編ラストの「この曲は僕らのアンセムであり、闘争であり、祝祭なんだ」という「Meet Me in the Basement」で僕らはBROKEN SOCIAL SCENEのコミュニティの一員となった。
(KK)
70年代ロックの大仰さとオルタナの小気味よさ。月並みな形容で恐縮だが、THEM CROOKED VULTURESのすごさとはそういうことだというのが昨年発売されたアルバム『THEM CROOKED VULTURES』についての結論だった。
しかし今日まだ断続的に降り続ける雨のなかステージを揺らしたこのスーパー・グループは、もっとオルタナティブだった。「Scumbag Blues」の延々と繰り広げられるソロとセッション、それを引き締めていたのは、Dave Grohlの存在、そしてJosh HommeとJohn Paul Jonesの彼への深いリスペクトゆえなのだと思う。その関係性がブルース、ハードロックを現代的に対象化させることに成功しているのではないだろうか。
(KK)
日の落ちかけた苗場には、うってつけの連中がステージに現れた。その恐ろしくダークなサウンドはまさに夜の闇が苗場を包んでいくように、ほぼ満員のRED MARQUEEをすっぽりとダークなトーンに沈めていく。おそらく、そこにいた全員の予想を遥かに上回るダークさだったのではなかろうか。
先日の来日の際のdommuneやLIQUID LOFTでのDJプレイでも明らかだったが、ダブステップをはじめとする先鋭的なクラブ・ミュージックのエレメントをいち早く嗅ぎ取るJamie Smithの嗅覚とセンスは相当なもので、それはもちろんThe XXのサウンドに大きく反映されている。Oliver SimとRomy Madley Croftの後ろで、ときにパッドを叩きながらビートをコントロールする姿と、その尋常でなくダークなプロダクションに才気が宿っていた。
パーカッシヴなイントロから「VCR」への導入にはじまり、そのライヴはアルバム以上に徹底的に陰鬱な美しさに満ちていた。しかしその憂鬱こそが強力な中毒性を持っているのだということを、この場にいる誰もが理解したことだろう。
(KK)
巨大なグリーンのステージに不釣り合いな大きさのバックドロップ、つまり普段のライヴ・ハウスと何も変わらないということなのだけど、Kenさんらしい。ライヴ前から強い雨が降るなか登場するやいなや「お客さんも予想してたと思うけど俺たちも予想してた」と「雨にぬれても」(Burt Bacharachの作曲による名曲中の名曲。西部劇映画『明日に向って撃て!』の主題歌としても有名)のパンキッシュなカヴァーを一発かます。
4年前の出演とはバンド・メンバーも変わったKen Band。前任Gunnに代わり謎の覆面ドラマーを迎えた今日、アルバム『Four』から「Kill For You」、「Your Safe Rock」などのナンバーとこれまでの代表曲を交えたセットは、バンドとしての成熟と、アリーナでも野外でもライヴ・ハウスでも、どんな場所でもKen Bandの個性を出せるという自信に満ち溢れていた。
湯気があがるモッシュピットに向けて時おり鼓舞するように手を叩きながらプレイするKenさんに、改めてパンクロッカーとしての底力を感じた。
(KK)
スティールパンやキーボード、さらにホーン・セクションまで加わり、toeはその構築されたアンサンブルを攻撃的にそしてポリリズミックにアップデートしていた。
山嵜と美濃の繊細なギターの絡み、驚異のドラミングで楽曲の躍動とエモーションを倍増させる柏倉、パンクやエモをルーツとする音楽の極北ともいえる、こんな精緻で美しい音楽を作る人たちなのに、山嵜のMCは相変わらず「ぜひ童貞と処女を喪失していってください」といった調子で、これまでにもWHITE STAGEに出演したことがあることを「全部政治力で(笑)」とウソぶく。
ハイライトはもちろんあのメランコリックな旋律がはじまり、クラムボンのミト、そして土岐麻子がステージに登場した「グッドバイ」。ゆっくりと高揚が膨らみ、エンディングに向けて高まっていくさまは圧巻だった。
(KK)
これまでフェスなどではMCはおろか挨拶もそこそこにパフォームする彼らだったのに、今日のRED MARQUEEでの彼らの佇まいといったら! 「いゃあ、フジロック楽しい、ここは天国ですね」と嬉しそうに語る出戸。昨年の『フォグランプ』以降の成長が手に取るようにサウンドの厚みとスケールから伝わってくる。
出戸の浮遊感溢れる歌声と、サイケデリックながらポップなツボを絶妙に押さえた演奏、そしてリズムの多彩なヴァリエーション。オーディエンスからの大きなリアクションで迎えられた「ピンホール」、「コインランドリー」もよかったが、中盤で披露された新曲はインディーマナーを踏まえつつ、ヌケ感があって文句なし。外国人のお客さんも多かったが、ほんとに日本を代表する堂々たるバンドになったと思う。
(KK)
「おはようございます! 最高の朝ですよ! 朝っぱらからロックンロール・パーティはじめましょうか!」深い緑に囲まれたWHITE STAGEにROYの塩辛いヴォーカルが遠くまで響いている。
粗野なガレージ、ブルースをエンターテイメントとしてお茶の間まで届ける彼らの評価と人気を確固たるものとしたアルバム『THERE'S NO TURNING BACK』。そこから「HOT DOG」、「KEEP YOU HAPPY」そして共にパーティできることへの感謝が込められたマージービート「I WANT TO THANK YOU」と次々プレイされる。
マイクスタンドを蹴散らさんばかりのJIMの酔いどれギター、オーディエンスからのMARCYコールに寡黙なドラマーが思わず見せためちゃくちゃ爽やかな笑顔、ラストのTAXMANのワッショイ締めまで、今年のフジロックのスタートを賑々しく飾るステージだった。
(KK)
さあ、フジロック1日目スタートしました!
写真は本日のGREEN STAGE。
数々の伝説的なライヴを生んできたこのステージ、
今年もここからいくつもの伝説が生まれることでしょう。
現在、GREEN STAGEではSuperflyがパワフルな声を空に響かせています!!
そんな中、我われはすでにWHITE STEGEに移動。
これからはじまるTHE BAWDIESのライヴに備え、スタンバイ中です。
ライヴはこの後11:30から!!
(編集部 田中)
おはようございます!
フジロック、1日目の朝です。
天気は曇り。少し晴れ間も見えています!!
山の神様、どうか今年はお手柔らかにお願いします。
ということで、本日より
ライヴ・レポートをガンガンお届けしていきますので
お楽しみに!
(編集部 田中)