夢の3日間が終了してしまいました!!
苗場は今、フジロックの終了を悲しむかのように
雨が降っています。
これで現地からのレポートも終了です。
3日間このレポートにお付き合いいただきありがとうございました!!
では、また来年
苗場でお会いしましょう!!
ヴェリー・スペシャル・ゲスト枠といえば、フジロックに貢献してきたり、パーティの終わりを楽しんだもの勝ちというアーティストばかりだが、今年はその傾向がさらに徹底された。
BASEMENT JAXXは数あるブレイクビーツ・アクトのなかでも、しっかりバンドセットでパフォーマンスができるうえに、リズムのトレンドに対して常に敏感だ。この夜日本で初披露された待望のニュー・シングル「RAINDROPS」も、エレクトロな質感にソウル・フレイヴァーを加え限りなくキャッチーにアレンジした、即アンセム化決定な曲だった。これまでのレパートリーからも「ROMEO」「DO YOUR THING」、『CRAZY ITCH RADIO』から「HUSH BOY」などなどを披露。そして、THE WHITE STRIPESのフレーズをさりげなく加えたりのサービス精神もすみずみに行き届いている。
もしかしてこのブッキングは清志郎のためなんじゃないか? という気がしてしまうほどのソウル・レビュー、いやすべての音楽への愛に満ちたピースなミュージック・レビューだった。
ROYKSOPPが2005年のRED MARQUEEを満員にしたときのパフォーマンスは神がかっていた。憂いを帯びたメロディライン、スムーズなビートといった魅力をライヴに確実に落としこんでいたと言っていい。
先頃発表した『JUNOIR』は、クラブ・シーンから登場したTORBJORN BRUNDTLANDとSVEIN BERGEのコンビがポップスターとして誕生したアルバムだと言える。ブームボックスが描かれたステージに、ベース・プレーヤーそしてシンガーを加えた編成から生まれるシンフォニックで厚みのあるシンセ・サウンドと、少し気恥ずかしい80年代っぽさで統一されている。
フィーチャーされたシンガーの大仰さまで計算ずくだとしたら相当なもの。一昔前のTVスター並の衣装や、寸劇めいたやり取り、一曲終わるごとにMCを挟む構成は、メドレーのように自らの楽曲を繋げていくことの多い昨今のDJアクトに比べると、時代錯誤なまでの行為だが、彼らがやるならなるほどと膝をうつ。そこに「POOR LENO」など過去の楽曲も加えるという荒業で、今年のWHITE STAGEの有終の美を飾った。
またしても極彩色のドリーミーなサイケデリアを出現させバンドの新たな代表作となった『MERRIWEATHER POST PAVILION』のイントロと同じく、深海にいるようなムードでライヴが幕を開ける。
作品以上にAVEY TAREとDEAKINによるヴォーカルが際立っている。というか歌いまくり。チャントやケチャのごとくプリミティブなヴォイシングは歌の野性的な効力を信じ、重要視しているからだろうか。そしてその横でマッド・サイエンティストよろしく一心につまみを操作し続けるPANDA BEAR。
革新的なのが、ライヴだからと安易にロック的なキックを打っている曲がほとんどないこと。しっかりしたボトムが顔をのぞかせるのが、開始から40分ほど過ぎた頃なんだから、じらし上手にもほどがある。それだけに、この異能集団のサウンドは中毒性が高いのだ。あっけにとられた人も少なくなかったみたいだけど、ある意味これこそむちゃくちゃラディカルなプロダクションなんだと思う。
まったくなんて人たちなんだろう。SEのブルガリア民謡のあと「PLACEBO」のゆったりとした旋律がスタートするやいなや、TOSHI-LOWがおもむろにステージを降り、クラウドのなかに吸い込まれていく。そのまま観客のなかですっくと立ち上がり歌いはじめたのだ。騒然となる会場。続く「THE ONLY WAY」とともに、ゆっくりとバックに巨大な幕がせりあがってくる。
GREEN STAGEの広さをないものとするような全身全霊の表現と、若干ベースのトラブルがあったものの、文句のない音圧と歌と演奏は、多くのビッグアクトに並んでの大舞台に発揮された持ち前の大胆さゆえだ。そして音楽性としても、アティテュードとしても、ハードコア以外の要素で、ハードコアのステレオタイプから離れ、どれだけハードコアでありえるか、ということを彼らは命を削り、生への渇望をもって表現し続けていることを感じた。
初となるGREEN STAGEのパフォーマンスは、間違いなく今年のフジロックのピークのひとつだった。
「(雨が)降ってきちゃったけど、サニーデイ・サービスです」。FIELD OF HEAVENの美しいランドスケープに、昨年のライジングでの電撃的活動再開から3回目となるライヴとして、曽我部恵一、田中貴、丸山晴茂が揃う。
「恋におちたら」「スロウライダー」 といった名曲群はもちろん、スウィング感のあるリズムの「恋人たちは」、ミディアムテンポでハードな「ふたつのハート」という2曲の新曲が素晴らしい。ソロともソカバンとも明らかに異なる、愛するものたちの残酷で美しい姿を描く、サニーデイのタッチがまぎれもなくある。
またレコーディングもツアーもやろうと思ってるという彼ら。バンドを始めたときみたいで楽しいよという気持ちが伝わってきたいちばんの場面は、ラストの「コーヒーと恋愛」。「晴茂くん前に出て一緒に歌ったら」と、歌詞を忘れながらもマイクをシェアして歌う姿が微笑ましい。こんな風にアットホームに、楽しげな3人の音楽がまた聴けることがなにより喜ばしいことだと思う。
最新作『LP』によりインディーロック・ファンを起点に噂が噂を呼んでいるカナダからの刺客。
2台のキーボード、ドラムス、ベースが真ん中に固まったセッティングから、タイトで直線的なビートを延々と生み出し続けるリズムセクションに対して、キーボード組は曲が変わるたびに無数のキーボード、テープなどのエフェクターの配線を繋ぎ換えながら、その場で出した自らの声やメロディカもエフェクトしスペイシーに飛ばしていく。
BATTLESとMGMTが出会ったような、あるいは8ビットからプログレまでを万華鏡におとしこんだ原色の色彩とヒプノティックなグルーヴ。音の渦から浮かんでは消えるビジョンは、新たなインストゥルメンタルの担い手としてのポテンシャルを秘めている。それこそあのBATTLESの伝説のWHITE STAGEでのパフォーマンスさながらのリアクションをみせていた。ほとんどMCもなくストイックに演奏していたメンバーも、満場の拍手に最後は満足した表情を見せていた。
駆け足でステージに登場したMASS OF THE FERMENTING DREGSが、最終日朝一のRED MARQUEEをたちまち沸騰させる。宮本が「レッドでライヴをするのが夢だったんです。実際立つことができて嬉しいです」と笑顔で語ると、客席から「おかえり!」と声があがる。
2007年のROOKIE A GO GOに抜擢されたことで一躍脚光を浴び、その後の彼女たちの快進撃はご存知の通り。この日も『MASS OF THE FERMENTING DREGS』『ワールドイズユアーズ』という2作からバンドのスケールを味わうことのできるベストな選曲。ダイナミックななグルーヴ、リリカルなメロディとオルタナなコード感。そんなマスドレのジャンクな美というべき"新しさ"が実を結んだこの日、「続けていればいいこともあるねんな」と感極まった表情の宮本。
後半ではセキュリティに引きずり戻されるオーディエンス、ぶちまけるペットボトルとカオスとなる柵前に果敢に身を乗り出していく。まっすぐに一日一日を生きてください、というバンドの姿勢とメッセージが、そのすさまじい轟音のなかに清涼感をもって響いた。
とうとう最終日です!!
夢の3日間も今日で終わりです!!
会場にくる方は思い切り楽しみましょう!!
FAKE BLOOD
TRIBAL CIRCUSのスタートダッシュを決めたFAKE BLOOD。イーヴンキックを基本にしたグルーヴで、このステージ直後には隣のGAN-BANブースに移りプレイを続行し、そちらでもトバしていた。
80kidz
次に控える80kidzの時間となる頃には、入口からオーディエンスが溢れだすまでに。すさまじい期待度が爆発し、演奏が始まるやいなやフロアはおもしろいようにドッカンドッカンきてました。もちろん予想されていたコラボもあり。『THIS IS MY SHIT』からの「Frankie」ではTHE SHOESとともにきらめくエレクトロニックなプロダクションをド派手にショーアップ。ニューカマーということは関係なく、次世代ダンスシーンを背負って立つ存在であることを文句なく実践してみせてくれた。
THE BLOODY BEETROOTS
THE SHOES
THE BLOODY BEETROOTSはレイヴィーでトランシーな音づくりでこちらも終始アッパーに。そしてTHE SHOESも再びロッキンなエレクトロにハチャメチャ感をでたらめなまでにミックスして攻める。
普段は天候や近くのグリーンのアクトの状況で密度が変化するRED MARQUEEだけれど、この夜はTHE CROOKERSが終了する朝方まで熱が途切れることがなかった。
THE CROOKERS