なぜMELVINSがオルタネイティヴ・ロックのシーンで長きにわたり活動を続け、支持を集め続けるのか。
日本でも現在のインディ・ロック・バンド勢にも深い爪痕を残しているし、ちゃんと新作もリリースし、こうしてライヴも続けている。決して大胆なサウンドの変化を続けてきたわけでもない。BUZZ OSBORNEのキレたギターワークや執拗にまとわりつくリフ、DALE CROVERとCOADY WILLISによる、それだけで多彩な表情をかもしだすツインドラムとドラムソロ。JARED WARRENの、マッドなBUZZとバランスを成すベースとヴォーカル。破壊的でささくれだったノイズをふりまきながら、実はそのオリジナリティを磨くためにものすごく建設的であるのではないか。
そこは同じグランジの雄として語られ今年ともに出演を果たしたDINOSAUR JR.と似ているのかもしれない。とにかく、オルタナの歴史を築いた金字塔『HOUDINI』から「HOOCH」をやったときがいちばんクラウドは沸いたけれど、決してそれはノスタルジーではなかった。