まったくなんて人たちなんだろう。SEのブルガリア民謡のあと「PLACEBO」のゆったりとした旋律がスタートするやいなや、TOSHI-LOWがおもむろにステージを降り、クラウドのなかに吸い込まれていく。そのまま観客のなかですっくと立ち上がり歌いはじめたのだ。騒然となる会場。続く「THE ONLY WAY」とともに、ゆっくりとバックに巨大な幕がせりあがってくる。
GREEN STAGEの広さをないものとするような全身全霊の表現と、若干ベースのトラブルがあったものの、文句のない音圧と歌と演奏は、多くのビッグアクトに並んでの大舞台に発揮された持ち前の大胆さゆえだ。そして音楽性としても、アティテュードとしても、ハードコア以外の要素で、ハードコアのステレオタイプから離れ、どれだけハードコアでありえるか、ということを彼らは命を削り、生への渇望をもって表現し続けていることを感じた。
初となるGREEN STAGEのパフォーマンスは、間違いなく今年のフジロックのピークのひとつだった。