FRANZ FERDINANDの最新作『TONIGHT』は、スタジアム・クラスとなったバンド感にアンダーグラウンドなダンスミュージック・ファンをも納得させる視点が加えられていた。その高い完成度を受け継ぐ、エンターテイメント性とダンス感がウェルメイドに融合されたステージが繰り広げられていく。
序盤から「DO YOU WANT TO」などの人気曲を持ってきて、ニュー・ウェイヴな「TURN IT ON」といった新曲により、「THE DARK OF THE MATINEE」「TAKE ME OUT」のようなシャープにドライブするギター・サウンドがぐっと生々しく迫ってくる。そしてALEX KAPRANOSのDEPECHE MODEのDAVE GAHANなどの系譜にある影のあるデカダンなヴォーカルも、なまめかしさとロックの恍惚感を表現しきる。
ハイライトはアンコールの「ULYSSES」。あの麻薬のようなドラムとベースラインたるや! そして「LUCID DREAM」のホワイト・ファンクとディープハウスが出会ったようなめくるめく世界で、GREEN STAGE2日目のトリを華麗に締めくくった。