ヴェリー・スペシャル・ゲスト枠といえば、フジロックに貢献してきたり、パーティの終わりを楽しんだもの勝ちというアーティストばかりだが、今年はその傾向がさらに徹底された。
BASEMENT JAXXは数あるブレイクビーツ・アクトのなかでも、しっかりバンドセットでパフォーマンスができるうえに、リズムのトレンドに対して常に敏感だ。この夜日本で初披露された待望のニュー・シングル「RAINDROPS」も、エレクトロな質感にソウル・フレイヴァーを加え限りなくキャッチーにアレンジした、即アンセム化決定な曲だった。これまでのレパートリーからも「ROMEO」「DO YOUR THING」、『CRAZY ITCH RADIO』から「HUSH BOY」などなどを披露。そして、THE WHITE STRIPESのフレーズをさりげなく加えたりのサービス精神もすみずみに行き届いている。
もしかしてこのブッキングは清志郎のためなんじゃないか? という気がしてしまうほどのソウル・レビュー、いやすべての音楽への愛に満ちたピースなミュージック・レビューだった。