New Audiogram : PREMIUM : FUJI ROCK FESTIVAL '10

ATOMS FOR PEACE @ GREEN STAGE
[2010-08-01 20:01]

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Thom Yorkeによる注目の新バンド、まず目を惹いたのが、レッチリのFlea、さらにはJoey Waronker、Mauro Refoscoからなるリズム隊の特異さだ。今回、レパートリーの中心となっているのはThom Yorkeのソロ作『THE ERASER』の楽曲だが、本来のスムースでメロウなフォーク・エレクトロニカから一変、このスペシャルなメンバーたちがプロダクションを解体し、奇妙で土俗的なリズムを新たに作りあげている。Thom Yorkeのヴォーカルだけが唯一、曲の輪郭を示しているという感じだ。

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Thom YorkeはRADIOHEADのときよりも楽器は幾分少なめ。タンクトップにヘアバンドというアスリートのようないでたちでバンドのグルーヴに陶酔するように踊り続けている。そう、Nigel Godrichもこのアシッドでストレンジなムードに拍車をかける。いつになく伸び伸びとしたThom Yorkeの姿が印象的で、"最後の曲はTHE BEATLESの「Paperback Writer」です"なんてジョークも飛び出していたくらいだ。

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アンコールの最初こそThomas Yorkeのひとり多重録音をふくむ極私的なナンバーだったが、ATOMS FOR PEACEは、そのセッションを単純な腕利きたちの探求の場としての機能ではなく、それを革新的なポップとして成立させてようとしているのだと改めて確認できたアクトだった。

(KK)