何年ぶりかという晴天!初日のグリーンのトップはTHE BACK HORN。
ニュー・アルバム『リヴスコール』と同じく「トロイメライ」「シリウス」と続くオープニング。開放的なこの空間にふさわしい、まっすぐでのびやかな山田のヴォーカルとスケールの大きなアンサンブルがひろがる。ドラムの松田が1999年インディーズ時代の出演から、13年経ってグリーンのステージに立ったことを報告する。誠実な歌のなかに狂気をはらませる彼らの魅力が端的に現れた「ブラックホールバースディ」の暴力的な音の渦に息をのむ。
それにしても、これだけの大きな野外ステージでもひとつひとつの言葉がしっかりと響いてくるのは、単に大舞台を数多く踏んでいるだけではない、バンド自身の在り方ゆえであろう。「人の力を、音楽の力を信じて、フジロックの3日間が終わったら、変えられるような気がする」というメッセージのあと最後は311直後に発表された「世界中に花束を」。生きることのしんどさと無力感を受け入れ、それでも感謝することを素直に伝えるこの曲を苗場で聴けることを幸せに思う。
音楽のパワーを実感するフジロックが今年も始まった。