これまで多くのポストロックのインストゥルメンタルバンドを観てきたけれど、EXPLOSIONS IN THE SKYはそのどれとも異なっていた。
まず反復によるヒプノティックなタイム感を極力用いず、変拍子にもおもねらない。旋律のかたまりの一つ一つを丹念に積み重ねシンフォニーとして構築していく手法は、比較されがちなMogwaiとも違う風景を見せる。セットが進行していくうちに夕闇が迫りホワイトのライティングが神々しくさえ映る。原初の記憶を思い起こさせるようなメランコリックなメロディとシンフォニックなアンサンブルが胸に迫った。
とはいえ高い評価を獲得したアルバム『Take Care, Take Care, Take Care』のように、彼らの作る音はテキサスという土壌がそうさせるのか、決してとっつきにくくなく、あくまで日常の感情の機微に優しく寄り添ってくる。隣のお客さん「泣ける!」と呟いていたけれど、本当に心をガシッと掴み離してくれない音の波が最後まで止まることはなかった。