いよいよやってきた最終日。
デンマーク、コペンハーゲンからロンドンへ。
ホテルから空港まで電車で移動。何気にツアーで電車を使う事はほとんど無いので新鮮。
飛行機が2時間遅れていた為この日はリハーサル無しで本番へ挑む事になった。
ロンドン、多分最初に来た時はお客さんなんて数える程しかいなかった。
だが今日はどうだろう?
ワンマンではないとは言え、僕らがヘッドライナーで見事にソールドアウトしている。
地道にツアーし続けたかいがあった。
最初のツアーに出た時はバンド貯金を全部使ってフライト代を出した。もちろん現地でのライブのギャラはほとんど無く赤字。
その後も暖簾に腕押しする様なツアーは続き、これは草木の育たない荒野に種をまく様な意味の無い行為なのでは?と思う事もあった。
しかしそれは意味の無い行為では無く、しっかりと草木は育っていた。
毎回来てくれる人、何年間も待っていてくれた人、LITEを観て影響を受けたと言うバンド、色々な人達がいた。
前回のツアーもどこの場所も結構な集客があったがそれは一緒に回ったダブルヘッドライナーのMAYBESHEWILLによるところも大きいと思う。
今回ヘッドライナーはLITEだけで集客に関して正直少し不安な部分もあった。しかしいざフタを開けてみると全箇所とまではいかないが、各会場僕らの存在と曲を知っている人達であふれていた。もちろん現地のプロモーター、イベンターのおかげと言う所もあるが、単純に嬉しく自信に繋がった。
会場に遅れて着くと既にイベントは始まっていて沢山のお客さんが会場を埋めていた。
出ていたバンドはどのバンドも格好良かった。僕らの前のフィジックスはかなりの盛り上がりを見せた。彼らの人気を窺わせる。
そしてLITEの出番。異様なまでの盛り上がり。「Bond」「Gosht Dance」辺りでのキッズ達のモッシュ。日本での僕らのライブではあまり観れない光景だった。ツアー最終日は緊張感が無い演奏になりがちだがこの日はしっかりした良い演奏だったと思う。
最終日と言う事で僕らも混じって写真を撮ってみたがノンとかぶってしまっている。。
楽屋でだらだらとビールを飲みながらスーツケースにパッキング。
ホテルに向かう。残るツアー行程は帰国するのみとなった。
1日の滞在でアイルランドからイギリスへカムバック。
3日連続でのフェリー移動。波も穏やかであまり揺れる事はなかった。
さすがに疲れが溜まってきたのか移動中はほぼ寝ていた。
そんなみんなが寝てる中一人黙々と仕事をしている漢。
我らがLITEマネージャーkazuto。カッコいいぜ。。
このベニューで演奏するのは2度目。前回のツアー初日にやった所。カフェっぽくなかなか洒落ている。
この日はフィジックスとLITEだけではなく、地元バンドが1バンド加わって3バンドでのイベント。
1バンド目から結構な客が入っている。照明の青緑具合がどことなく下北沢ERAを感じさせる。
フィジックスも気合いの入った演奏をしていた。
そしてLITE、昨日もかなりいいライブをしたが、この日は軽くそれを超えるこのツアーベストなライブだったと思う。
序盤、中盤、終盤隙が無く、楽器達が脈動するようなライブ。とでも言っておこう。
沢山のお客さんが来てくれた。ありがとう。
明日はバーミンガム。ツアーも残り4本。終わりが見えてきた。
時差ボケも治ってきて思いのほかシートでの睡眠も快適なものだった。
起きると既に機材車に乗っている。この感覚はなかなか無い。言ってしまえば次のベニューに着くまで起きなくても大丈夫な訳だ。
しかしそこはみんな一応起き、歯を磨き軽い朝食をとる。
フランスの多賀サービスエリアを出発しナントへ。
昨日結構移動したと思っていたが意外とまだ距離があった。
ベニューに到着。川沿いの素敵な場所だった。
この日のベニューに着いてすぐドライバーのレスのテンションが上がっている。PA卓(音響の機材)がMIDAS(凄く良いメーカーです)だったからだ。
何故ドライバーの彼が?
実はこのツアー、レスはドライバー兼PAなのでだ。
ちなみに彼は昔ブラックメタルバンドをやっていて日本にも来た事があるとの事。川崎クラブチッタでライブをしたらしい。
基本的にメタルをやっていた人の出す音とLITEの音は相性が良い。安心安定のゴリゴリバキバキ。
ディナーはベニューのひとが作ってくれたパスタでした。これが本当に美味しかった。
フランスは料理が美味しい。
3本目のライブで時差ボケも治まりようやく調子を取り戻してきた僕ら。
なかなか集中した良いライブだったのでは。
お客さんも初めての土地にしてはまずまず入ったと思う。終演後の物販はかなりの勢いで売れた。
明日は首都パリへ。
毎回ツアーブログを書かせて貰っているNew Audiogramというサイト。そこのスタッフの人達は言う「お前らの最近のブログ全然面白くねぇ。2008年位のやつは最高に面白かったのに。」それは多分ここ最近のツアーは何のトラブルも無く『こなしてる』感が出てたからであろう。実際最近はツアーにも慣れてきて、毎日移動とライブの繰り返しだけなのだからそんなに毎日書く事なんてある訳無い。そしてツアーでの毎日ブログ更新は結構大変だったりするのである。
やはり安全な所から観る人の不幸は面白い物なのであろう。人間とは酷いものだ。まさにカイジだ。
今回はそんなカイジに出てくる様な奴らの為にも、ある事無い事書いてトラブル感出してこうぜとか冗談で言っていたら本当になってしまう辺り、LITEは色々持っているバンドだなと思ってしまう。。
ちなみに3.13 O-Westで行われるthe band apartとの2マンライブはNewAudiogramのイベントです。お世話になってます。
この日はこのツアーでライブが無い唯一の日。
バルセロナからフランスのナントまで1,000km近くある為移動だけとなっている。
昨日のベニューから15分程の所にあの世界遺産『サグラダ・ファミリア』があるとの事。これは観に行かねばと一気に観光モード。
スペインまで行ける機会なんてなかなか無い。実物を観れて本当によかった。
基本ツアーには休みがほとんど無いのでここスペインで時間が取れたのは今回運がいい。
そう、よく海外ツアーに関して「何でツアーに休みをいれないの?」とか「何で毎日ライブなの?」とか聞かれるが、今までの経験上休みは無い方がいいと思っている。と言うかそれが普通なんだと思う。ツアーを組んでくれる方も無駄が無いようにご丁寧に毎日ライブを入れてくれます。
まあ、ビッグになれば少し話は変わってくるんでしょうが。
一日の滞在でスペインからまたフランスに戻ってきた。
途中機材車のタイヤの調子がおかしいと整備所に寄った。
何となく見た事のある光景。2008のEUツアーの時、機材車を2台潰したのを彷彿とさせる光景だ。
ただ今回はタイヤを交換して特に問題無くすぐに出発。ほっと胸を撫で下ろす。
そこから更に数時間進みこの日のセーブポイントに到着。
日本で言う多賀サービスエリア的な所である。(バンドマンならピンとくるはず)
そこでシャワーを浴び就寝。
ただ昨日も書いたようにベッドが一人分足りないのだ。そして今日俺はじゃんけんに負けた。。
明日はナントへ。