New Audiogram : PREMIUM : FUJI ROCK FESTIVAL '08

my bloody valentine @ GREEN STAGE
[2008-07-26 00:27]

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結論。4人は何も変わっていなかった(91年の初来日公演の会場にいた者として言う)。スポットライトが一切当たらない照明も、耳をつんざく轟音も、終始うつむいたままのケヴィンと直立不動のビリンダによる透明なハーモニーも。歴史的な再始動、しかし旧作の再発さえ拒む完璧主義ゆえというべきか、新曲はもちろんなしの、サービスのかけらもない淡々としたステージング。しかし「Soon」「Feed Me With Your Kiss」「You Made Me Realize」の後半の流れに至るまで、あらためてマイブラとはあとに亜流を多数生むソングクラフトの秀逸さがあるのだということを感じた。どんなフォロワーでも、あの人を不安にさせる美しい旋律は書けない。そしでそのまんますぎるたたずまいに、怪物作『Loveless』の呪縛から解き放たれて、また新作をリリースしてくれるような期待さえ抱いてしまった。「You Made Me〜」の意識が遠のいていくほどのフィードバックノイズには、彼ら十数年に及び自らの表現を頑固なまでに守り続けてきた証が確かにあったのだ。

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mice parade @ FIELD OF HEAVEN
[2008-07-25 20:06]

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時折降り注ぐ雨もすっかり止み、夕暮れを迎えた最高のシチュエーションのヘブンにアダム・ピアースとメンバーが現れる。清涼感に満ちた音の手触りを持ち味に刻々とサウンドをバージョンアップさせてきた彼らだが、今回は最新作となるセルフ・タイトル・アルバムのイメージを受け継いだ、折衷的な音のレイヤーに柔らかなボーカルを随所に置いたスタイル。初期の幾分実験的なポストロックの手法は、ジャズ、ボサなどあらゆる音を自由に編集してオーガニックなアンサンブルにまとめあげる姿勢にうかがえ、そこにライヴならではのダイナミックな感覚が持ちこまれる。「フジロックは初めてだけど、素晴らしいところだね」と、彼らも会場の雰囲気を満喫しているようだ。さらに、先ほどホワイトで感動的なアクトを終えたばかりの原田郁子が加わり、2005年の共演作『bam-vinda vontade』のめくるめく世界再び!幻想的なヘブンにぴったりの、スペシャルなコラボレーションだった。

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GOSSIP @ RED MARQUEE
[2008-07-25 17:50]

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今年はグリーンでソロアクトが不在のため、女性アーティスト/シンガー好きにはちょっと物足りない、なんてことも言われたりするけれど、いやはや、参りました。冒頭のトーキング・ヘッズの「サイコ・キラー」の引用からはじまり、ポストパンク経由のディスコビートの連続にノックアウト。執拗にきざまれるクールなファンクネスに「I'm so excited!」と、2曲目で早くもフロアに降り歌いまくるアイコン、ベス嬢のバイタリティーたるや!肌も露な衣装もさることながら、いきなりニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」やらマドンナ「Like A Virgin」をアカペラで歌いだしたり、その体格にふさわしい?ソウルフルなボーカルはとてつもない迫力を持つ。そぎおとされたサウンドを鳴らすバンドの音数の少なさも目からウロコ。最後はもちろん、世界的アンセム「Standing In The Way Of Control」。オーディエンスとともに汗だくになりながら歌うベスは存在そのものがカウンターであり、エンターテイメントであった。

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くるり @ GREEN STAGE
[2008-07-25 16:22]

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くるりのライヴにある期待感というのはいつも独特だ。作品ごとに、そしてツアーごとにどんな変貌を遂げるのか予測のできない、岸田繁のあくなきクリエイティビティ。その妥協なき姿勢が今回選んだのは、ドラムに堀“bobo”川、ピアノに三柴“エディ”理、そしてギターに内橋和久。岸田は3年ぶりとなるFRFに「やっぱりいいものですね」と語る。いつにも増して演奏中に笑顔が多いのが印象的で、この新たな編成をドキドキしながら作りあげていっているのが伝わってくる。鬼タイトなboboのグルーヴとキラキラとしたピアノが加わり生まれ変わった「ワンダーフォーゲル」、突き抜け感とは別のカタルシスを持つ「ロックンロール」、三柴と岸田による連弾と佐藤のコントラバスによる「アマデウス」。ほかにも「東京」も内橋のイマジネイティブなプレイが大幅に導入され、ラストの「ばらの花」では三柴のロマンティシズムが加わり切なさ倍増している。単にアヴァンポップな方向ではなく、くるりなりのポピュラリティを持った進化は、今後も見逃せなさそうだ。

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原田郁子 @ WHITE STAGE
[2008-07-25 14:16]

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グランドピアノがひとつ置かれた、広々としたステージに森の妖精のようないでたちの彼女が現れる。アルバム『ケモノと魔法』に伴うツアーでは、バンドと弾き語りの双方によるセットで魅了したばかり。「まさかここで弾き語りができるとは」というMCにも、ホワイトでピアノとともに演奏できることの喜びが満ちている。「やわらかくて きもちいい風」からスタートし、心地よい緊張感と弛緩をたたえた楽曲にたちまちひきこまれる。クラムボンの「チャームポイント」、そして永遠に歌い継がれていくであろうフィッシュマンズ「いかれたBaby」といったカバーも含めた選曲。そして忌野清志郎との共作によるできたばかりの新曲を「ゆっくり元気になってほしい」というメッセージとともに歌ってくれた。ふたりの音楽への眼差しが重なった、奇跡的に美しいナンバーで、いつかまた苗場で聴けることを楽しみにしていたい。6年連続出演、苗場の空気を愛し、愛されてきた彼女ならではのゆったりとしたバイブに満ちていた。

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始まりました!フジロック
[2008-07-25 10:44]

いよいよ始まりました!フジロック!!
天気は曇。でも非常に暑いです。帽子や日焼け止めは必須です。水分補給も忘れずに!万全の体調で夢の3日間を楽しみましょう!!

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これからNew Audiogramセレクトのアーティストのライヴ・レポートをお届けしますのでお楽しみに!