近年ではストリングス・アレンジメントの第一人者として名を馳せる彼が自らの名義で発表したアルバム『IN CONFLICT』は流麗なストリングスのみならず彼のマニアックなポップセンスが存分に発揮されていたが、その新作を携えてのフジロックでも、マジカルな世界を現出させた。短パンにTシャツ、キャップという出で立ちから、バイオリン一本をループさせ重ねていく。音源での打ち込み的音色もバイオリンを打楽器のように用い、テクノとバロックの融合のような驚異的なプレイにフロアが沸く。そしてライヴであらためて、彼のクルーナーとして、ヴォーカリストとしての表現力も、ファンタジックな童話かはたまたゲームの世界にまぎれこんだようなカラフルなサウンドに重要なポイントであることを確認した。ラストの「Lewis Takes Off His Shirt」 のエモーショナルな高揚に包まれ、彼の天才ぶりを見せつけれた。