さすがにCOLDPLAYはもう観るとこないでしょ……、と思ってた自分を反省しました。荘厳なSEから、花火、レーザーとド派手な演出には解ってても気持ちが昂ってしまうし、2曲目に初期の名曲「Yellow」そして「In My Place」をもってくるのもなんとも心憎い。
いきなり「雨に唄えば」の替え歌をうたったり、Chris Martinの態度には完璧なショーを作ることよりも、もっとラフな感情をもって観客との距離を縮めたいという意図がうごめいていたように思う。もちろんそこには震災と原発事故のことは無関係ではないだろう。
日本の酷い状況を知り、出来ることはここにして歌うこととChrisはいい、アコギを片手に新曲を披露した。これが地味なんだけれど、とてもよかった。一般的にはその後の最新シングル「Every Teardrop Is A Waterfall」がハイライトなのだろうけれど、彼らの生身の心のブレが感じられたような気がした瞬間だった。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
まずバンドとしてのタフネスとグルーヴが増していることに驚く。前回のフジロックのときはまだキャンプなビジュアルのイメージを踏襲してる印象だったけど、今回はそうした虚飾のないところで、堂々とバンド・サウンドの迫力で勝負しようとしている気がした。
さらにはLovefoxxx(ラヴフォックス)の“ミンナダイスキ!”、“サケベ!”など日本語を交えての貫禄さえ感じさせるたたずまいとアンサンブルのパワーアップはそぼふる雨のなかでもオーディエンスも感じていたのでは。フロアまで降りて歌う彼女の肝っ玉と、牽引力はやはりすごい。
得意のダンサブルな楽曲でもラヴフォックスの古めかしいフロウにビートがうまく噛み合いいわゆる形骸化したディスコパンクとは離れた、オリジナリティを獲得していた。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
個人的には彼らの最高傑作と断言したい先日リリースされたばかりのニュー・アルバム『Suck It and See』がライヴでどのように表現されるのか、という部分の一点に注目していたのだが、なるほど、らしい、としか言い様のないクレヴァーな構成で、自らの新境地を的確にオーディエンスに提示していたと思う。
オープニングを『Suck It and See』からのファースト・シングル曲「Don't Sit Down 'Cause I've Moved Your Chair」で飾り、これまでの性急感溢れるナンバーのなかに、幾分レイドバックした新曲を次々織り込んでいく。
オプティミスティックな「She's Thunderstorms」やニュー・シングル「The Hellcat Spangled Shalalala」といった解放的な世界観を持つ楽曲を決して緊張感が持続するセットのなかで浮かせることなく、オールドロック的大仰ささえある「Brick by Brick」までクールな顔で革ジャンの襟を立てて歌いこなしてしまうのは、Alex Turnerの才能だ。リリシストとしてやプロダクションの手腕はもちろん、やはりサウンドの温度の差を違和感なくやり遂げるライヴ・バンドとしてのかっこよさを再認識した。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
夕暮れ迫るWHITE STAGEのSAKEROCKは、アルバム『MUDA』の方向性を引き継ぐロック・バンドなアンサンブル。エキゾのないサケロックなんて? と思っていても、めっぽうストレートにバンドしているサウンドの奥に潜ませたストレンジさにはやはり感服する。
星野源、ハマケン、田中馨、伊藤大地のメンバーそれぞれが別のユニットでも活躍する多彩さを持っているが、その多彩な活動の集約がサケロックになるというより、また4人で別の生き物を飼いはじめたような、奇妙な、でも聴いたことのない新鮮な音の共同体がそこに生まれていた。
おなじみのハマケンのシャツいじり(今日はUNITED ARROWSのシャツだった模様)など、いつものMCのダラダラ具合は苗場でもぜんぜん変わらなかったけど、ラストの「MUDA」のなんとも言えない不思議な多幸感に至るまで、そ知らぬ顔でどんどん新しい音の領域に進行してきているような気がする。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
テキストも後程公開します!! お楽しみに!!
Amy Winehousが流れるWHITE STAGEにメンバーが登場。「雨のなか残ってくれてありがとう。でも止んだね!」の言葉とともにスタート。思わず太陽も顔を覗かせるサニーなファンク・ナンバーたち。
彼らがレアグルーヴのムーヴメントをルーツしていることは自明の理だが、ソウル/ファンクのアクトにありがちなテクニックのひけらかしもなく、ダンス・ミュージックとしてのパーツであるとかブレイクネタとしての楽曲に取り組んでいるというのでもない。もっと懐の深さがあるというか、THE JAMES TAYLOR QUARTETばりのクールなオルガン・インストもあるけれど、存在自体がいなたさを醸し出している。
ともかくフジロックに毎年欠かせないファンク・アクトの筆頭であることは疑いようがない。途中「いいニュースと残念なニュースがあるんだ」と、残念ながら不参加となったBuddy Guyのかわりに日曜の夜のオレンジコートに出演することを発表したが、いやぁ頼もしい存在です。
Text : KK
とにかくバンドがいま登り調子にあることをまじまじと感じさせるステージングがみずみずしい。ヴォーカルのKip Bermanのイノセンスを湛えた歌声。チャームを振り撒くキーボードのPeggy Wangにも女の子から歓声があがる。
新しいアルバム『Belong』の鉄壁のプロダクションは、青春の1ページを切り取るようなヴィジョンをより鮮やかにし、90年代ギター・ポップから純粋培養したようなソングクラフトと甘く柔らかいシューゲイズなアンサンブルを確固たるものとした。しかしそこに、グラスゴーやロンドンのバンドとは異なるUSインディとしてのエッセンスが絶妙に加わっているのが、彼らの大きな魅力だろう。
ライヴを観るとDEERHUNTERなどのUSのサイケデリア陣と通じるにおいも感じられたりして、このあたりがまた新曲ででてくるようになったら…と思うとこれからも間違いなく目が離せないのだ。
Text : KK
今年、痛快な新作『Ashes To Ashes』と共に帰ってきた彼らが、初日RED MARQUEEのオープニングを飾る。ライヴ・ハウスそのままの密室感に満ちた音圧を構築し、マエソンが何度も“ナエバー!”と雄叫びを挙げる。
3曲目の「You Just Not Only One」では打ち鳴らされるリズムにオーディエンスの拍手が重なり、TORAがバスドラの上でリズムを刻み続ける。“こんなときにできること、元気出していこうぜ!”というMCもあったけど、彼らの不器用なまでに自らのガレージーなセンスと凶暴なロックンロールをぶちまける姿は、ポジティヴな高揚を余さず与えてくれる。
“最後にいつもの曲を…”、と「we do viberation」。マエソンがハンドマイクを握りクラウドの波の上に乗り出していくと音と会場のカオスが荒々しく混じりあっていく。ここまで体とグルーヴを呈して場の空気を自分たちのものにしていく姿にバンドの気骨を感じて止まなかった。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
おはようございます!!
苗場の朝は、快晴! ではもちろんなくて、小雨です……。
天気予報的には午前中に強い雨が降る可能性もあるようですが
午後からじょじょに弱まり、夜にかけては曇りになっていく模様。
まあ、山の中なので、どうなるかはわかりませんが、雨具、防寒具の準備はお忘れなく!
てか、雨が降ろうと、降るまいと、ここまで来たら楽しむしかないのです!!
というわけで、いよいよフジロックの1日目がはじまります。
今日も豪華な出演アーティストたちが各ステージを大いに盛り上げてくれるはず!!
みなさん、ぜひこちらのレポートにも注目していてくださいね!!
よろしくお願いします!!