夕暮れ迫るWHITE STAGEのSAKEROCKは、アルバム『MUDA』の方向性を引き継ぐロック・バンドなアンサンブル。エキゾのないサケロックなんて? と思っていても、めっぽうストレートにバンドしているサウンドの奥に潜ませたストレンジさにはやはり感服する。
星野源、ハマケン、田中馨、伊藤大地のメンバーそれぞれが別のユニットでも活躍する多彩さを持っているが、その多彩な活動の集約がサケロックになるというより、また4人で別の生き物を飼いはじめたような、奇妙な、でも聴いたことのない新鮮な音の共同体がそこに生まれていた。
おなじみのハマケンのシャツいじり(今日はUNITED ARROWSのシャツだった模様)など、いつものMCのダラダラ具合は苗場でもぜんぜん変わらなかったけど、ラストの「MUDA」のなんとも言えない不思議な多幸感に至るまで、そ知らぬ顔でどんどん新しい音の領域に進行してきているような気がする。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)