ちょうどこの前の時間のWHITE STAGEでは同じSUB POP RECORDSのNO AGEがライヴをしていたけれど、どちらも素晴らしいアクトで、USインディ・シーンの層の厚さを痛感させられた。BEACH HOUSEはネオ・アコースティックやシックスティーズのウォール・オブ・サウンド、バロック・ポップの要素などをハイヴリッドしたその白昼夢のごときドリーミーなプロダクションを徹頭徹尾サポートのドラムを加えた3人で表現する。
ヴォーカルのVictoria Legrandの歌声は透明感に満ちていて、ギターのAlex Scallyは控えめに、しかし確実にサウンドの厚みを支える。なにより彼らの名を世に知らしめた傑作アルバム『Teen Dream』と同様どこまでもスローで霧のなかから響いてくる世界観を貫き通す姿勢は、柔らかな音の手触りに反してとてもパンクなのだ。
Victoria Legrandは“ここにいることがとてもマジカルな気持ち”、“何が起ころうとも、あなたたちを愛しています”とピュアなキャラクターを物語るMCをしていたけれど、それが決して浮世離れして聞こえないのは、繰り返すがふたりのアチチュードによるものだ。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)