とにかくバンドがいま登り調子にあることをまじまじと感じさせるステージングがみずみずしい。ヴォーカルのKip Bermanのイノセンスを湛えた歌声。チャームを振り撒くキーボードのPeggy Wangにも女の子から歓声があがる。
新しいアルバム『Belong』の鉄壁のプロダクションは、青春の1ページを切り取るようなヴィジョンをより鮮やかにし、90年代ギター・ポップから純粋培養したようなソングクラフトと甘く柔らかいシューゲイズなアンサンブルを確固たるものとした。しかしそこに、グラスゴーやロンドンのバンドとは異なるUSインディとしてのエッセンスが絶妙に加わっているのが、彼らの大きな魅力だろう。
ライヴを観るとDEERHUNTERなどのUSのサイケデリア陣と通じるにおいも感じられたりして、このあたりがまた新曲ででてくるようになったら…と思うとこれからも間違いなく目が離せないのだ。
Text : KK