真夜中のイメージの強い彼らとしては、真っ昼間のGREEN STAGEなんて、もしかしたらガラじゃなかったのかもしれないけれど、衣装も含め黒で統一されたクールなステージで、VV(ヴィヴィ)は黒い髪で顔を覆いながら情熱的に動き回り、対照的にHOTEL(ホテル)はクールにギターを操る。
3年を要したアルバム『Blood Pressures』は新機軸を打ち出すというよりも、シンプルにTHE KILLSというバンドの本質的な魅力を引き出した作品といった印象だったが、キャッチーな「Future Starts Slow」、VVもギターをかき鳴らす「Heart Is A Beating Drum」、ほの暗い「DNA」、ふたりがヴォーカルをとる「Baby Says」、VVがスタンディングでドラムを叩く「Pots and Pans」と、やはり曲は粒揃いだ。
VVとHOTELは名実ともに2010年代のロックンロールのフォルムをファッションやゴシップを含め体現してしまったが、それもまた彼らの実力。そして決してそれだけではないバンドとしての実力も垣間見れたアクトであった。
Text : KK
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)