New Audiogram : PREMIUM : FUJI ROCK FESTIVAL '13

The xx
[2013-07-29 01:35]

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ホワイト最終日のヘッドライナー The xx。 新作発表前の状態だが、アルバム『xx』『coexist』 の楽曲のほとんどが新たなアレンジによりヴァージョン・アップしていることに驚く。ギル・スコット・ヘロンのアルバムを始めプロデューサーとして、そしてDJとして現在最も期待を寄せられるジェイミーの才気が、もはやクラシックと言えるこれまでのレパートリーをよりダンサブルに、そしてダビーに解体/再構築していく。ギターのロミーとベースのオリバーの歌の存在感も強度を増しており、 二人の後ろでジェイミーは手でその場でビートを打ち込んでいくジェイミーと3人のバンドは安定感を増しているようだ。オリバーが「大好きなバンド、ザ・キュアーが別のステージで演奏してるから、心配だっんだ。でもあたたかい空気でよかった」と感謝をフジのオーディエンスへ捧げる。さらに「今日はアイドルのキュアーとステージを離れて共演できたうえに、もう一人のアイドル、キャット・パワーと同じステージに立てて嬉しい」とも語った。その変わらぬ哲学でアーティストたちからも称賛を受けるフジロックのこれからに、期待せずにはいられない。

CAT POWER
[2013-07-28 22:45]

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CAT POWERはフォトのみとなります

VAMPIRE WEEKEND
[2013-07-28 21:30]

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グリーンのトリ前VAMPIRE WEEKEND。フローラルのバックドロップの前に現れたスマートな4人によりアフロなビートが苗場を包む。前半はいつものカラフルでポップで洗練されたビートが満ちていく。ヴォーカルのエズラが「フジロックは3年ぶり、その間に僕らニュー・アルバムをリリースしたんだ」と最新作 『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ザ・シティ』を紹介。 そして「Diane Young」「Step」を続けてプレイ。あらためてこの2曲をライヴアレンジで堪能すると、単なるロカビリー調の曲、そしてソウルズ・オブ・ミスチーフをサンプリングした曲という以上に彼らが重層的に新曲にこめた意思が伝わってくる。 1、2枚目からのナンバーもミックスしながら、 今度は新作から最もシリアスな「Ya Hey」をエズラがギターを持たずに祈るように歌う。後半はアルバムのオープナーで荘厳なコーラスワークが映える「Obvious Bicycle」も演奏。 こうした曲をあえてフェスティヴァルでやることに、モダンなプロダクションに隠れがちな彼らのアーティストとしての矜持を感じた。

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TORO Y MOI
[2013-07-28 19:27]

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雨の上がったホワイトを超アーバンな空間にしたてあげてしまったTORO Y MOI。 どこかギークっぽいルックスとキャラクターで、ダンスフロアとポップフィールドを絶妙に繋げていくチャズ・バンディックの才能は日本でも知られて久しい。 新作『エニシング・イン・リターン』はチルウェイヴのその先の、数年前だったら絶対アウトだったメロウなAORフィーリング(おっさんですみません)や、いなたいダンスクラシックのファンクネスをさらに推し進めた。彼のフュージョン感は、密室度高い音源よりも、ライヴで一番強く体験することができる。 やる気ゼロの脱力PVが忘れられないラストの「Say That」まで、 苗場の自然のなかで彼の緻密な妄想を解放しきったようなサウンドに浸っていると、やはりこの人はアリエル・ピンクやディアハンターのブラッドフォード・コックスと同じ相当な<奇才>であるのだと、その異質さが別の角度から感じられた。

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SAVAGES
[2013-07-28 17:17]

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シャワーのような雨のなかホワイトのステージに登場したSAVAGES。短く髪を刈り上げたヴォーカル、ジェニー・ベスのヒール以外はデビュー・アルバム『サイレンス・ユアセルフ』 のジャケットに写るようにブラック&ホワイトの衣装で揃えられている。時にそのピンクのヒールを蹴りあげ、パティ・スミス(特に詩を読むときの彼女)を思わせるベスの唱法、手首に星の刺青を入れたギターのジェマ・トンプソンは終始うつむきがちに、黙々とイマジネイティヴなフレーズを鳴らす。エイス・ハッサンのバンドのポストパンク感を強く印象づける地を這うベース。そして力強いフェイ・ミルトンのドラミング。ジョイ・ディヴィジョンのような「She Will」、彼女たちの存在を世界に知らしめた決定的な名曲「I Am Here」と、アルバムからの楽曲を淡々と続けていく。 極めてストイックに、乾ききった感情を、虚飾を廃し、ゴツゴツとした骨組みとギター本来の狂暴さを込めたギターサウンドで描く彼女たちは本物だ。

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the telephones
[2013-07-28 15:11]

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「苗場をディスコに変えようぜ!」の石毛の一声の通り、何回ディスコっていえばいいのかっていうくらいの力業でthe telephonesがホワイトをダンスフロアに変える。シンセサイザーの岡本の無軌道なダンスも暑さのためか倍増。8年前地元の埼玉で結成以来夢見ていたというフジロック初出演。大自然の緑が言ってみれば特殊舞台効果であるホワイトで、いつもミラーボールを回し続けている彼らは完璧なディスコ愛に満ちた「A.B.C. DISCO」のあとザ・ラプチャーをさらに猥雑にしたような「It's All Right To Dance」 あたりからバンドの鋭角なポストパンク感を強調。 ラスト、フジロッカーズに捧げられた「Love&DISCO」まで、 楽天的な感覚の再獲得も含めディスコという言葉を大切に活動を続けてきた彼らのルーツにはやはりニューウェーヴにあることを、タフなバンドの音の塊から受け取った。最後の「ライヴハウスに来てください」というメッセージもフジロッカーズに伝わることだろう。

DIIV
[2013-07-28 13:45]

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最重要レーベル、キャプチャード・トラックスの新鋭DIIVがレッドに抜擢。このレーベル特徴の小気味よいインディーギターサウンド、ベスト・コーストなどの先陣のビーチポップ/ドリームポップのテイストを持ちながら、90年代のスロウダイヴやチャプターハウスといったシューゲイザーからの影響も見える。しかし長髪にキャップ、真っ赤のXLのミッキーマウスのTシャツという〈早すぎる〉着こなしも含め、現在進行形のインディ感を持って独走する、決してリバイヴァルやフォロワーに終わらない可能性を秘めている。中盤の「How Long Have You Been」のBPM早めたバージョン、そして「Follow」「Sometime」「Oshin」と アルバム『Oshin』からのナンバーを続けるなかに披露された新曲も胸キュン高め。いつ解散してもおかしくない、というくらい青春のはかなさを閉じ込めた音と佇まい。2013年夏を思い出すことがあるなら彼らの音がサウンドトラックとなるだろう。

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LITE
[2013-07-28 12:48]

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最終日レッドの2番手、4人がステージに現れ「LITEです」と武田の短い挨拶のあとスタート。
ニュー・アルバム『Installation』は、ここ数年のシンセ感の導入などの新機軸を経て、初期の作品に顕著だったスリリングでテクニカルでエモな要素も再び盛り込み、格段にプロダクションの多様性を増した意欲作だったが、今日はスクリーンのイマジナリーなヴィジュアルともリンクし、さらに広がりのある絵を表現する。ヒリヒリとした緊張感よりも、井澤、山本の安定感あるリズムセクションの上で、 「Echolation」の祝祭感など、本当に今までにないくらいカラフルでキラキラとしたフレーズが飛び回っている。3年前朝イチのレッド出演から「ちょっとだけアップしました」と武田は謙遜するが、いやいや、サウンド的にも大躍進でしょう!「今度はでっかいステージに帰ってきます」という言葉も頼もしく、ラストはジャスティスばりにシンフォニックに締めくくった。

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BOYS NOIZE
[2013-07-28 01:39]

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BOYS NOIZEはフォトのみとなります

BJORK
[2013-07-27 23:16]

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Photo : Kenji Kubo

2日目グリーンのヘッドライナーBJORK。アイスランドの総勢10数名におよぶコーラス隊、そして2名のサポートを従え、アルバム『バイオフィリア』で試みたようにDNAレベルでの自然界の驚異とテクノロジーの関係を最小限のアンサンブルで表現する。ときに深遠にそしてときに『スプリング・ブレイカーズ』の女の子たちのように無邪気に踊りまくるコーラスは、「アーミー・オブ・ミー」など代表曲を猥雑なビートでのリミックスで解体してしまうビョーク自身の分身に違いない。意図的なこの簡素な舞台演出が、 コケティッシュな立ち振舞いとダンス、ミラクルな声を際立たせる。終始 「ありがとう!」と繰り返していた ビョーク。アンコールには「一緒歌って、カラオケ!」のMCのあと「Declare Independence」でパンキッシュに終了。蛇足かもしれないけれど、スクリーンに一度もステージ上の演者を映さなかったことも、パフォーマンスに肉体的にのめり込むことができた理由のような気がした。