ステージのDJブースにはOK20のロゴ、つまり結成20周年という記念すべき年にフジロック出演、しかもWHITEのヘッドライナーが決定した彼ら。まるで20年のディスコグラフィを辿るようなセットリストにより、小雨降るWHITEのオーディエンスを躍らせた。「ジャネット・ジャクソンじゃなくて……ミス・ジャクソンって名前を知ってるかい?」というMCから続く「Ms Jackson」ステージにオーディエンスの女の子たちを上げての「Hey Ya!」など、Andre 3000とBig Boiの対照的なラップ・スタイル、ヒップホップの枠を超えて影響を与える音楽性をまんべんなく再確認することのできる、20周年にふさわしい夜だった。そこで感じたのは、彼らのサウンドはどんなに多様でも、芯にソウル・ミュージックのエッセンスが含まれていること。サンプリングということのみならず、そのスピリットという部分で彼らはソウル・ミュージックの正しき(そしてかなり過激で革新的な)継承者であるのではないだろうか。