EDITOR'S CHOICE:エディターたちが厳選した最新レビュー!

LIVE REVIEW

BRAHMAN presents "tantrism vol.6"

2009.12.3 (thu) @ Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo
ACTs : BRAHMAN / EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX / THA BLUE HERB

類は友を呼ぶ。そんな気の効いたセリフも遠くに霞むほど、異ジャンルの振れ幅を堂々と叩きつける不敵なイヴェントである。BRAHMAN主催による"trantrism vol.6"が開催され、そのメンツがまたブッ飛んでいた。結論から書くと、1組ずつ終わるたびに心地いい虚脱感に陥り、しばし呆然とする自分がいた。無理もない。我(個性)の三つ巴ぶりが半端じゃなかったのだから。

ド頭からラップによる自己紹介だけで場を沸かせたのは札幌代表のヒップホップ・ユニット、THA BLUE HERBだ。生硬なILL-BOSSTINOのラップは、観客を映し鏡にして自己に問いかけるような虚飾を剥いだリリックで迫る。続いてのEGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXXもまったく負けていない。ソウルフルな中納のヴォーカルは色香たっぷりで、その歌声は壮烈な広がりを見せると同時に、観客すべてを磁石のように吸い付けていくようだった。

100106_brahman_01.JPG

満を持してメイン・アクトのBRAHMANがステージに登場すると、また会場の臭いは一変した。まずはミディアム曲で急勾配をジワジワ上がり、一気に急下降して加速度を高め、あとはカーヴやループを全速力で駆け抜けていく。終点まで止まらないローラーコースター級の興奮は、やはり他の追随を許さない。というか、これが彼らのスタイルだ。鍛え抜かれた肉体、経験に裏打ちされた頭脳、その両輪をフル稼働させた濁りなき衝動には美しさすら感じてしまう。TOSHI-LOWの嗚咽には詩情を、タイトかつストイックに刻まれる演奏には歌心を受け取らずにはいられない。感情の高ぶりの最先端を表現し、そこからしか見えない雄大な景色を突き付ける演奏っぷりには息を飲んだ。

100106_brahman_02.JPG
100106_brahman_03.JPG

残り3曲でTOSHI-LOWはマイク・スタンドを捻じ曲げると、バンドはさらに鬼気迫るレッド・ゾーンへと突入し、未曾有のカオスを作り上げていく。パンクもハードコアもオルタナティヴもロックも飲み込み、ひらすら強固なBRAHMAN節を観客の喉元にブッ刺してくる迫力は、ライヴ終了後も余韻を引きずらざるを得ないほど凄まじいものだった。早くも次のアルバムでどんな進化と展開を提示してくれるのか、楽しみで仕方がない。

100106_brahman_04.JPG

そして、アンコールでは「KOHKIが浅草のウチに家に2日間泊まりに来て、曲を作った」という森の前置きMCの後、BRAHMAN+EGO-WRAPPIN'によるスペシャル・セッションが始まった。TOSHI-LOWと中納との掛け合いパートでは両者の歌声が豊かに溶け合い、中盤ではなんとILL-BOSSTINOが熱きラップで援護射撃する演出もあり、会場は大宴会状態で幕を閉じた。それにしても、このコラボ曲が一夜限りにならないで欲しいと願うくらい、いい曲だった。

Text : Ryosuke Arakane

New Audiogram: DISC REVIEW
LIVE REVIEW: MONTHLY ARCHIVES
LIVE REVIEW: SEARCH
LIVE REVIEW: ARCHIVES