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待望のニュー・アルバム『Strangers In Heaven』をリリースしたNothing's Carved In Stone。今回New Audiogramではツアー・リハーサル終わりのメンバーに集まってもらい、通算6作目となる新作について座談会形式でざっくばらんに話を訊いた。リハーサルも順調のようで肩の力も抜けた穏やかな雰囲気の中、笑いの絶えないインタヴューとなった。

Interview & Text : New Audiogram
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
Strangers In Heaven / Nothing's Carved In Stone
ESCL-4251 2,800yen (+ tax)
2014.8.6 on sale
  1. Intro
  2. Shimmer Song
  3. Brotherhood
  4. ツバメクリムゾン
  5. Crying Skull
  6. What's My Satisfaction
  7. 雪渓にて
  8. Idols
  9. (as if it's) A Warning
  10. Midnight Train
  11. キマイラの夜
  12. 7th Floor
「Brotherhood」 Music Video
<Nothing's Carved In Stone 『Strangers In Heaven』 Interview>
 
──素晴らしいアルバムが出来ましたね。まず、メンバーそれぞれ率直な感想を聞かせてください。
大喜多:
感想ですか……忘れちゃったなぁ(笑)。リズム録ったのが4月ごろだから。
生形:
完成が5月末だね。
大喜多:
今回は持てる全てを注ぎ込んだというよりも、自分とナッシングスが融合したものを出せたという感覚が強いかな。振り絞った感はなく、自分の引き出しをバンバン開けましたって感じ。もちろんメンバーみんなに引き出してもらったものありつつ、それらを感覚で出していった感じ。そういうところで言えば1st(アルバム『PARALLEL LIVES』)に近いかも。
村松:
うん、うん。
大喜多:
とりあえず、曲作っていた時はみんなバチバチな感じでしたね。「よっしゃ、この曲をカッコよくしてやるぜ!」みたいな感じで。
──その感情はやはりメンバー間のセッションの中で生まれてくるものですか?
大喜多:
そうですね。何を出そうかというよりも、みんなにいい感じのをぶつけて、それでどうなるかなと。より自然体で出来ましたね。
──村松さんはどうですか?
村松:
曲作りがすげー楽しかったですね。1曲1曲すごく手応えがあったので、新しいこと出来てるなーと感じてました。俺は基本的にはヴォーカルありき、歌ありきなんですけど、今回はギターでもうちのサウンド面において、サイドギターなりのキャラというか、そういうものを確立したいなという思いがあったんで、それを曲作りの最初のセッションの段階でいろいろ出来たかなと思います。すぐ過激な音(がするエフェクター)とか踏んじゃうんですけど、それをメンバーが「(村松)拓、それ違うっしょ!」って止めてくれるから、オレも自然体で自由にギター弾けたのが、嬉しかったし、楽しかったですね。
──では、生形さんは?
生形:
俺も今回はトントン拍子で出来たというか……もちろん時間かけるところはかけたんですけど、前回が結構大変だったんで、それと比べるとすごくいい感じのまま録り終えることが出来たと思います。
──なるほど。日向さんは?
日向:
今回は制作中から全体を客観視出来てて、曲のクオリティを自然と求めていていたんですが、それぞれの曲のクオリティが自分の望んでいるところと一致した感じがすごくしますね。ナッシングスはこれまで全体のかたまり感とか、強さが売りだったりしたんだけど、今回はもうちょい奥行きとか、壮大さみたいなものを欲しがってて、全体的に。それがリンクした感じがありますね。結果、曲のクオリティは高くなったし。アレンジもすごく楽で時間もかからなかったですね。アレンジ中は曲としてのクオリティをどうやって高めていくか、抑揚の付け方とか、そういうところを考えていました。
──そのようにアルバムを作っていく上で、事前にメンバー間でテーマやコンセプトなどについて話し合いはしたんですか?
生形:
してないです。ここ2、3作、そういう話はしてないですね。
──では、本当に自分たちから出てきたものを自然に。
生形:
そうですね、自分たちがやりたいと思ったものを順にやっていったって感じです。
──バンドとしては特にコンセプトはなく作ったとのことですが、メンバーそれぞれ個別には何かテーマなどでありましたか? あえて前作とは変えていこう、新しいものにチャレンジしていこうなど意識したことがあれば教えてください。
大喜多:
そうだなぁ、いままでエレクトロの雰囲気とか構築していくのに結構ソリッドにしたり大変な部分もあったんですけど、今回はより肉体的にしようという意識はありましたね。そういう意味ではエレクトロ的なところからはドラムとしては離れたかもしれませんね。
日向:
でも、今回はとにかくトリガーに貼付けてる(サンプリングの)音色がすごいよね。叩きまくってる曲は、本当になに叩いてるかわからないくらいすごい(笑)。
──今回はトリガーを結構カマしてるんですね。
大喜多:
結構カマしてますね。
──ちなみに前作まではトリガー使ってたんですか?
大喜多:
使ってたんだけど、今回は振り切れてますね。
日向:
曲によっては打ち込みのぐらいの音にも感じるし、生っぽいところは生っぽくもあるし。振れ幅も大きいですね。
──なるほど。他のメンバーはなにか新しいことなどありますか?
村松:
いままでは落としどころがロックだったじゃないですか。それが今回は落としどころの幅が広がりましたね。80年代っぽさもあるし、90年代っぽさもあるし、さらに今っぽさもあって、それら全部含めて2010年代らしい音作りになったと思います。ヴォーカルのサウンド処理はエンジニアに「ちょっとダサいよね」とか言われるぐらい80’sっぽくしたんですけど、でもバックのサウンドがラウドなんで、それが合わさるとまた新しい感じになりました。
生形:
俺は自分が持って来たネタじゃないもの、セッションで出来た曲のリズム隊に対するギターのアプローチがすごく面白かったですね。面白い反面、そのアイディアが自分の中から出てくるのか怖いところもあって、そういう部分ではひさしぶりにピリピリしました。
日向:
本当に1st(アルバム)の時みたいだよね。
生形:
そうだね。アルバムの後半はセッションで出来た曲も多いんですが、そういうセッションの心地よい緊張感の中で生まれたフレーズって、自分でも何回も聞いちゃいますね。「Midnight Train」のアタマのアルペジオとか。あれはやっぱり、あのリズムからインスピレーション受けて出てきたものだから。そういう感覚はひさびさでしたね。
──ベースはどうですか? 今回ピック弾きが少ない気がしますが。
日向:
「Crying Skull」とかピックですね。前作もそうだけど、ナッシングスにおいてはサビを押したいというか、サビに力をつけたいから、あえてルート弾きにしてたことも多かったんですが、今回はそれをあまり意識せず、もっとベースの鳴りだったり、ベースのおいしいポイントだったり、そういう部分に重点をおいて、アレンジをしていたかもしれませんね。その結果ピック弾きが少なくなったという感覚もあるし。セッション性が高いものはすごい高く、その振り切った感じというのは意識しました。
──それはすごく感じましたね。では、このあとはそれぞれの楽曲に焦点を当てて訊いていきたいと思います。収録曲順で訊いていくのは普通なので、曲が完成した順に。
村松:
おー、曲が出来た順ですか?
生形:
覚えてないなぁ。
 
──まずは「ツバメクリムゾン」ですよね? この曲についてはシングルの時のインタヴュー(http://www.newaudiogram.com/premium/275_ncis/)をみていただくことにして、このインタヴューの時、シングルのセッションで4曲出来てシングルに2曲入れたとのことでしたが、他の2曲は今回のアルバムのどの曲になるんですか?
生形:
え、そうでしたっけ?(笑)
村松:
あっはっは! どこいったんだっけ? 覚えてない(笑)。
──ということは、それらは立ち消えたんですね(笑)。では「ツバメクリムゾン」以外で最初に出来た曲はどれですか?
生形:
(3曲目の)「Brotherhood」ですね。
──この曲はどのように作っていったんですか?
生形:
毎回アルバムの時、俺が何曲かデモを作っていくんですが、そのデモをみんなにバーッと聴いてもらって、その中で一番反応がいい曲から取りかかっていくんですが、この曲が一番反応よかったんですよ。新しい感じで。
──曲全体を支配する16分感が一定の熱を感じさせながらも、メロディーと歌詞、そしてギターのカッティング、ベースラインで曲の中にある情熱やアツさが伝わってきました。アレンジはどのように進めていったんですか?
生形:
この曲は仕上がるの早かったよね。
日向:
俺はベース迷ったんだ。それこそ最初はピック弾きだったんだけど……なんかね、違ったんですよね。うねってるようなフレージーなベースラインだったんですけど、これじゃないって感じがして、もっとシンプルかつエッジィなものって何だろうって思ったら、バッ、バッって点で打っていったほうが、より新しく聞こえるんじゃないかなと思って、スラップでもなるべく音数の少ないように作っていきました。
──この曲は終始一定した平熱感というか……。
生形:
サビも盛り上がらず、ずっと平坦ですからね。
日向:
サビ、白玉だからね(笑)。
──その中で、それぞれの楽器の抑揚で感情の波が出来ていますね。
生形:
その辺は話したよね、サビでガーっといくのではなくてね。
日向:
メインリフが一番盛り上がってるよね、間奏とか。
生形:
そうそう。サビが終わったあとに戻ってくる気持ちよさがあるよね。
──そうですね。本当にこれはかっこいいです! この曲は作ってる時からアルバムのリード・トラックになるだろうなーという感覚はあったんですか?
生形:
この曲が出来た時、なんかすごい盛り上がったの覚えてるなぁ。
日向:
スタッフ含めてね。
生形:
そう、スタッフ盛り上がってた。やっぱり俺らにしてはポップだし(笑)。
日向:
メジャーでやってるから、その辺も考えつつ……プレゼンしやすいんだろうなー、と思って(笑)
一同:
(爆笑)
──でも、いままでにない新しい感じですよね。ギターもカッティングがメインだし。
生形:
そうですね、いままでカッティングってあんまりやってこなかったから。
──だからすごく新鮮に映ります。あとこの曲の歌詞、英語と日本語がミックスされてるのもなかったですよね?
村松:
はい。AメロとBメロとサビとで場面が切り替わった感じが出た方がいいなと思って……リズムがずっとつながっている感じだったんで。
──なるほど。
村松:
それを日本語と英語を分けたらわかりやすいかなと思ってやってみました。
──歌詞の内容は、自分に対して歌っているものなのかなと感じたのですが。
村松:
あー。でも、いろいろと意味は含んでて。ナッシングスにおける歌詞の流れとしては「Assassin」的な感じ……「Assassin」は自分の中の葛藤がテーマだったんですが、この曲はそこから先に進んだ人間の気持ちみたいなポジションで書きましたね。あと今作の歌詞は全体的にフィジカルなものを意識しました。いままでずっと音感で英語の歌詞をつけてきたのが、日本語詞になって、(生形)真一と一緒に歌詞を書くようになって、そうするとよくわかるんですけど、人ってそれぞれが持ってる言葉のリズムって違うんですよね。それってやっぱりパーソナルなものじゃないですか。だから真一が書いた歌詞は最初は歌いづらいんだけど、自分にないものだから美しく感じたりもして。でも逆にそれは俺にもあるよなって思って、だからそれをもっとうまく出したいなって考えてきて……言ったら気持ちいいシリーズってあるじゃないですか?
──は?(笑)
村松:
例えば「ツバメクリムゾン!」とか(笑)。
──……なんとなくわかりますけど(笑)。
生形:
鳴りだね、言葉の鳴り。
──音としてということですね。
村松:
ライヴの時、オーディエンスが真似出来ることって声に出すことじゃないですか。一番簡単に繋がれるし、歌った時に一番気持ちがわかるのが正解だなと、そういうことを意識して書きました。だから聴くだけではなく、自分の声に出して歌ったら、たぶん俺の気持ちにより近くなってもらえるだろうし、曲のことがわかってもらえるんじゃないかなと思います。最初にサビの歌詞を書いた時、すごい手応えがあったのは覚えていますね。
日向:
キュンキュンくるよね。
村松:
そういうことあるでしょ?(笑) だから歌ってほしいですね。
──Aメロの日本語詞の中に英単語が入ってくるのも新鮮ですね。
村松:
言葉遊びな感じですね、ちょっと韻を踏んでみたり。違和感や意表をつくものがあった方が、聴いている人に染み込むようになるかなって思ってやってみました。
──そういうところもまた新しく感じました。この曲はリード・トラックとしてMVも作っていますが。
生形:
あれは監督のアイディアですね。こんな感じでどうですか?って提案されて。曲にすごく合ってるし、いいと思いました。
──あの風景はどこの街ですか?
生形:
シカゴかな……あ、ニューヨークかも。
日向:
都会的なイメージで曲にあってるよね。
──かっこいいMVに仕上がってると思います。では続いて、どの曲になりますか?
生形:
んー、次に出来たのは(2曲目)「Shimmer Song」かな。
村松:
そうだね、シマーだね。
──「Shimmer Song」、すごくいいメロディーですよね。
生形:
これも俺が持っていたデモにあった曲ですね。イントロはこんなに長くなかったですけどね。最初はもっとオーガニックな感じで。
日向:
最初はダイクロ(「Diachronic」1stアルバム『PARALLEL LIVES』収録曲)みたいな雰囲気だったんだけど、もっと派手にした方がいいと思って、まずド派手なイントロというか。
──あのデカい感じはいいですね! アルバムに合ってる気がします。
生形:
あのイントロが出来て、曲全体の方向性が決まったよね。
日向:
そう、そう。ナッシングスってさ、いままでヘヴィネス感をうまく出せてなかったんだけど、俺はすごく出したいと思っていて、メタルっぽい感じというか。結構みんなメタルっぽいの好きだし、どうやったらそういうのが出るかなと今回やってみたんですよね。ダダダダって全部塗りつぶしてるけどコード感はすごくあったかいみたいなものが出来るんじゃないかなと思って……みんなにDEFTONES聴いてもらって、そしたらうまく出来たという(笑)。
──イントロ、ヘヴィでパンチあっていいですよね。
日向:
今だからまた面白いと思う。
──逆に新しい感じですね。大陸的というか壮大な感じがジャケットとマッチしてます。サビもハーフテンポになってて。
生形:
そう。うちではめずらしいですね、というか初です。だから、その辺もそっち系の感じですね……ラウド系というか。
日向:
分厚い感じね。
──このアメリカンな感じ好きですよ。この曲の歌詞は。
生形:
俺が書きました。内容的には結構そのままですね。そのままの歌詞を書くのもどうかなと思ったりもしたんですが、恥ずかしがらずに書いた方が逆にいいだろうなと。
──前回も訊きましたが、歌詞に出てくる色についてですが。
生形:
俺も拓ちゃんも歌詞に色が出てくることは多いですね。俺、アルバムで2曲しか歌詞書いてないですけど結構色が出てきますね。
──それって意識して書いているんですか?
生形:
やっぱり歌詞に色を入れると、曲にも色が入るんですよね。
村松:
そうなんですよ、色のイメージがね。
──ナッシングスはタイトルにも色が入っているもの多いので気になるんですよね。
生形:
俺、ジミヘンの「Bold as Love」っていう曲が大好きで、あの曲は色にまつわる形で歌詞が出来てて、すごくいいんですよ。昔から大好きなので、その影響があるのかも知れないですね。
──なるほど。今作はこの「Shimmer Song」と「Brotherhood」という最初の2曲でいままでとはだいぶ違うイメージですよね。いつもは1曲新しい雰囲気の曲をやっても、次の曲にはナッシングスらしいというかアッパーな曲が入ってきていました。というか今作にはナッシングスらしいアッパーな曲が少ないですよね。
生形:
そうですね、そこは結構チャレンジです。いつもアルバムの前半にそういう曲がありましたからね。
日向:
パンチ系ね!(笑)
村松:
ガッツリ系?(笑)
日向:
F#から始まるヤツだ!(笑)
一同:
(爆笑)
──そして、続いての曲ですが。
村松:
次に出来たのは(6曲目)「What's My Satisfaction」かな。
──この曲は変拍子、7拍子ですね。
大喜多:
この曲はこのメインのリフだけがあって、それに違うリズムを当てはめていった感じですね。
──この曲はセッションで出来た曲ですか。
生形:
元は俺のデモからですね。
──リフもすごい迫力のあるサウンドですね。
生形:
ギターはちょっと過激なファズで、この曲はベースの方がすごいんですよ。
日向:
ディストーション・コーラスかけてます。しかもドロップDにして、あえてヘヴィネスを出すようにして。
生形:
あとドラムもラウドな感じだよね?
大喜多:
ドラムは今回ほとんどラウドだね。ヘヴィネスです。
日向:
今回絶対テーマにあったね、ヘヴィネス。
大喜多:
うん。ヘヴィネスあったね。
──では、ドラムもそれをテーマにチューニングを?
大喜多:
チューニングはパパっとやって「こんな感じでどう?」って聞いてもらって、そっから調整する感じですね。でも、やっぱりヘヴィネスは言葉にせずとも意識してた気がします。
一同:
うん、うん。(うなずく)
大喜多:
曲を聞いてスタジオに行くまでに、全曲イメージが思い浮かんできたんでさっと出来ましたね、今回は。
──で、この曲は歌詞は英語ですね、攻撃的な。
村松:
英語ですね。で、どんな歌詞でしたっけ?(笑)
一同:
(爆笑)
村松:
(歌詞カードをみながら)あー、そうですね。この曲はノーコメントで!
──あ、聴いた人がそれぞれ感じ取ってくれってことですね。
村松:
そうです!
──この曲は最初から英語詞でいこうと思ってたんですか?
村松:
その辺はあまり考えず、この曲は英語だろう!って。
──なるほど。では、次の曲行きましょう!
 
村松:
次はたしか「雪渓にて」を作ってる途中で、その曲に当てはめようとしていたリズムを、「それを新しく曲にしようよ」ってオニィ(大喜多)が言ったんですよ。それで出来たのが(10曲目)「Midnight Train」。
──「Midnight Train」、そういえば打ち込みのリズムみたいな感じで始まりますね。
日向:
そのドラムのビートが先にあって、そこに俺がネタを持っていって。
生形:
ドラム、ベース、ギターって順で乗っけていったんですよ。
村松:
メロディーは最後ですね。
──英語の歌詞ですけどメロディーラインが日本っぽい感じがあって、そのギャップが新しく感じたんですが。
村松:
あー、言われてみるとそうですね。特に意識せずナチュラルに作ったんですが。
日向:
うん、オシャレな感じだね。
──ギターのあのアルペジオはループですか?
生形:
あれは弾きましたよ、むっちゃ大変でしたけど(笑)。
日向:
休符が入ってるからね。
生形:
あれは絶対セッションじゃないと出てこない(フレーズ)ですね。
──あのアルペジオがこの曲の雰囲気作ってますもんね。
生形:
そういう意味でも、この曲はセッション性が高かったですね。
大喜多:
出来あがったのも早かったよね。
──そしてこの曲、最初歌詞カード見ずに聴いていたんですが、途中「野良犬」としか聞こえなくて、歌詞カード見たら本当に「NORAINU」だったっていう(笑)。
一同:
(爆笑)
日向:
俺も何回も聞き直しましたからね(笑)。
村松:
あはは(笑)。「No I Knew」っていう英語とかけているんですけどね、実は。
──ああ!なるほど!
村松:
だけど、まぁ「NORAINU」で(笑)。
──そういうことでしたか。
日向:
そういえば、この曲って途中(声が)ディレイかかるじゃないっすか?
──「NORAINU」の前の「Say」ってところですね?
日向:
そこ人力で「Say Say・・・」ってやってて(笑)。
──え!? 本番のレコーディングでですか?
生形:
そうですよ! エンディングの「NO NO NO RA RA RA・・・」も(笑)。
村松:
あれ人力ですよ! あはは(笑)。
生形:
人力ディレイの方が合っちゃうんだよね、感覚でやれるから(笑)。
──じゃあ、ライヴも人力ディレイですか?
村松:
あー、これどうすんだろ(笑)。まだわからないですね。
──では、ライヴを観てのお楽しみってことですね。では次……ということは(7曲目)「雪渓にて」ですかね?
生形:
「雪渓にて」はアレンジに時間かかったからねー。
──「雪渓にて」はどのように作ったんですか?
生形:
これは拓ちゃんが作ってきた曲ですね。
村松:
デモを一応作った持ってきたんですけど、みんなに聴かせたら「うーん⤵」みたいな(笑)。で、そのままアレンジしてギターロックっぽくしたら、みんな「うーん⤵」みたいな(笑)。で、そのあとひなっち(日向)が……。
日向:
オレが(アレンジの方向性を)ひらめいちゃって。STYROFOAM(スタイロフォーム:ベルギー出身のArne Van Petegemによるエレクトロニカ・ソロ・ユニット)みたいな感じ……絶対コレだと思って。こんな感じでどうって言ったら、みんな「うーん!⤴」みたいな(笑)。で、そのまま流れで。
──この曲は雪渓という言葉の通り、冷たく広い雰囲気を感じました。
村松:
そうですね、曲が出来てから歌詞を書いたので。
──なるほど。聴いていたらアイスランドのような広大な景色が浮びました。この曲はアレンジするのが苦労したとのことでしたが、メンバー間でそういうイメージを共有したりしましたか?
日向:
んー。特にないけど、演奏してアレンジしていく上で何かの力が欲しいってことになって。同期っぽいエレクトロニカみたいなリズムを入れたら盛り上がるんじゃないかってことで、シンセで持ってきて、音出したら「あー!コレコレ!」って(笑)。
一同:
あはは(笑)。
──イントロのギターも雰囲気があっていいですね。
生形:
あれはギターをサンプリングしてループさせてます、最初はシンセでやろうかって話もあったんですけどね。
──サビのコード進行もいつもと違う感じですね。
日向:
あはは!スゴいでしょ?(笑) これは拓のコード進行。
生形:
曲作ってる時はメロディー唄ってないから、コード進行これで大丈夫かなって(笑)。
村松:
みんな不安になってた(笑)。
一同:
(爆笑)
村松:
でも俺の中ではメロディーが鳴ってるので。
──ですよね。すごくいいメロディーだと思います。歌詞もいいですね。
村松:
この曲は素直な気持ちを書きました。今回は真一が2曲歌詞を書いたんですけど、2曲しかない分、大切なことや想いを詰め込んでくることはわかっていたんで、オレは今回「ツバメクリムゾン」以外歌詞に色を使わないとか、結構ルールを決めて、切り取る場所を変えて曲を色付けをしたいと思ってたんですよ。でも、この曲だけは思っていることをずばり書いて気持ちを伝えられるものにしたいなと思って、この歌詞を書いたんです。
──なるほど。それを聞くと余計ストレートに入ってきますね。では次にまいりましょう。
生形:
んー、次は(9曲目)「(as if it's) A Warning」ですかね。
──この曲、最高です! これぞナッシングスにしか出来ないスリリングな展開で、まるでセッション・ライヴを観ているかのような感じでした。
日向:
最初にベースのラインはあったんだけど、あとは完全にセッションですね。
村松:
オニィは最初からあのドラムだったね。
生形:
そうだね、ワンテイク目からあれだった。
日向:
俺はそれもわかってたよ。このベースに対して「絶対オニィああやってくるだろうな」と思ってたら、その通りきたんで「よしよし!」みたいな(笑)。
一同:
爆笑
村松:
「しめしめ」みたいな(笑)。
大喜多:
ノリに乗って叩いてたら、ひなっちが更にノリに乗って寄り添ってくるから、これはスゲーってなりましたね(笑)。
日向:
あはは(笑)。
──この曲、ライヴで観たいですね。
日向:
これはめっちゃ気持ちいいと思うよ。
大喜多:
うん、そうだね!
──なんかアクション映画の劇中歌みたいな感じもして。
村松:
あー、確かに!(笑)
日向:
ラテンな感じと、プログレッシヴな感じと……あとジャズっぽさもある。
生形:
そうだね! あとひなっちと、なんかで(レッド・)ツェッペリンの話になって……だから俺のイメージとしてはギターはジミー・ペイジなんだよね。リフとか『Presence』(レッド・ツェッペリンの7thアルバム)あたりの感じ。
──うん、なるほど。
大喜多:
ひなっちのヒスパニックなノリの感じとか、昔から音ににじみ出てたから、そういうとこ好きなんだよね。ライヴではこの曲のベースを弾きたいくらいなんですけど(笑)。
一同:
(爆笑)
日向:
あはは。それはちょっと難しいかなー(笑)。
──(笑)。この曲の歌詞はどうでした?
村松:
この曲の歌詞も新しい試みをしてますね。サビの歌詞を日本語と英語があんまり切り替わりがわからないようにしたくて、ずばりジャパニーズラウド的な。それを自分でやってみるとどうなるのかというのがテーマで。結果よかったと思います。メロディー的に本当は英語の方がいいかなって感じだったんですけど、これであえて日本語を乗っけるんだったらといろいろな形を考えて、これが正解かなと。
──なるほど。はやくライヴで観たいですねー。お客さんはたまらないと思いますよ。
生形:
うん、これはたぶんやってる方も楽しいと思います。
日向:
サビの感じとかヤバいもんね! 一歩もコケられないからさー(笑)。
一同:
(笑)
 
──では、続いて出来たのは?
村松:
次は「Crying Skull」じゃない? 仮タイトルは「Babylon」だったね。
生形:
この曲はアルバム制作の途中でライヴ・リハをやっている時に、ひなっちがイントロのフレーズをベースで弾いてたんです。それを俺が聞いて新しい曲ネタかと思って「それやりたい」って言ったら、それはひなっちの手グセだったんだけど、やってみようってことになって、それをギターでなぞってイントロにしたんです。

(ここで村松、すこし席を外す)

日向:
最初はイントロからベースでやろうともしてみたんだけど、それも違って、ベースはもっとコード感を出した方がいいなと。
生形:
俺は今回のアルバムの中で、この曲が一番ナッシングスらしい曲かなって思ってて。このメカニカルな感じが、よく言われるナッシングスっぽい所かな。
──この無機質なフレーズと有機的なリズムが組み合わさるとナッシングスらしさを感じます。
日向:
うん、確かに。
大喜多:
こういうのは、ひなっちと真一の絡み合いから曲が広がっていくんですよね。
生形:
要はひなっちの手グセなんですよ、あのメカニカルなフレーズが。
日向:
完全に手グセだね。
生形:
それをギターでやることが多くて。「Isolation」(1stアルバム『PARALLEL LIVES』収録)の間奏にしてもそうだし。
日向:
そこに入ってくるオニィの壮大なリズムもかっこいいよ。
生形:
四つ打ちだね。まさか、ここで四つ打ちでくるとは思わなかったね(笑)。
大喜多:
あはは(笑)。
──こういうメインのリフが鳴ってる時って、もう1本のギターの在り方ってどう考えていますか? 村松さん、いまいないですけど(笑)。
生形:
やっぱりギター1本で通すのは寂しいので、今回は拓ちゃんが曲作りの時からやってるのをそのままですね。それプラス下(の帯域)で轟音の音も足したりして。
──メインリフがあって、もう1本のギターで楽曲に雰囲気付けをしているのが感じられたので、どういうイメージで2本目のギターを足していくのかなと思ったんですが。
日向:
今回は音色で攻めてたよね。
生形:
そうだね。ギターというよりも、わりとギターっぽくない効果音的な音作りですね。

(ここで村松、席に戻る)

大喜多:
(村松に向かって)いま拓のギターのかっこいいところを話していたんだよ(笑)。
村松:
ありがとうございますー! 大好き!(笑)。
──で、この曲はスカルということで……。
村松:
歌詞はもう誰が書いたかわかるでしょ?(笑)
日向:
スカルということは(笑)。
──ですね!(笑) この曲は「Crying Skull」ということでタイトルからは血の涙を流すガイコツを勝手にイメージしたりしていたんですが。
生形:
この曲は……あんまりほかでは言わなかったけど、自分の中の嫌いな部分とか弱い部分を「Crying Skull」という言葉に置き換えて書いたんです。そうやって読むと伝わるかもしれません。
村松:
かっこいい!
生形:
実は自分のそういう部分が好きなんじゃないかと。
──なるほど。スカルという言葉にインパクトがあるんで、この言葉のチョイスが気になったんですよね。では、次の曲いきましょう。あとは「Idols」か「キマイラの夜」か。
生形:
「Idols」が先ですね。
日向:
どんな曲だっけ?(笑)
生形:
(笑いながらメインのギターリフを口ずさむ)デーデッデレ、デーデッデレ……
日向:
あー、はいはい!(笑)
一同:
爆笑
生形:
でも、この曲スゴい人気あるんだって! 拓ちゃんがキャンペーン行くと(笑)。
村松:
ほぼ100パーセントこの曲だね、「かっこいいです」って(笑)。
生形:
お祭りっぽいからかな!(笑)
日向:
お祭りっぽい!(笑)
──ナッシングスらしい曲です!
生形:
これは完璧に俺の手グセですね、あのリフが。だって、こないだ間違ってカオティック(「Chaotic Imagination」2ndアルバム『Sands of Time』収録)弾いちゃったもん(笑)。
一同:
(爆笑)
──(笑)。この曲も無機質で近未来的なイメージのある、ナッシングス流ダンス・ミュージックですね。今作はアッパーな四つ打ちの曲が少ないので、流れで聴いていくとすごく映えます。この曲はどのように作ったんですか?
生形:
この曲も最初はリフがあって、俺のデモではもう少しテンポ遅かったんですけど、合わせてくうちにもっと速い方がいいだろうということで、このテンポまで速くして。
日向:
うん、ノリを優先させてね。
生形:
そうだね。だからこれもアレンジにはそんなに時間はかかってなかったですね。そういえばアレンジしていく途中でベースは音数かなり減らしたよね?
日向:
最初はもうちょっとノリノリで弾いてたんだけど、音数を減らしたら面白いんじゃないかと思って、極力音数が少ないスラップベースにしました。
──四つ打ちのビートの裏を意識しながら、間を作っていくベースですね。
日向:
ギリギリまで音を減らしました。
──ナッシングスって四つ打ちの曲が結構あるじゃないですか? その四つ打ちのビートに対して、どのような解釈で楽器の音を当てていくんですか? ギターのカッティングやベースの間などありますが。
生形:
俺が思うオニィの四つ打ちって、いわゆるよくあるバンドの四つ打ちとは違って、(リズムの)裏を感じるというか、その間にあるフレーズが独特で、「Out of Control」(5thアルバム『REVOLT』収録)もキックは4つだよね? でも、全然四つ打ちには聞こえないんですよ。そういうところはすごくやりやすいですね、ギター弾いていても。
──ベース的にいうと。
日向:
ベース的にはあんまなんも考えてないですね(笑)。「オニィ、たぶん気持ちいいんだろな、こういうベースを弾くと」っていうのを弾いてます(笑)。
一同:
(笑)
日向:
そういうベース弾くと(大喜多のマネをして)「ひなっち、それ最高じゃんー!」ってなるから(笑)。
一同:
(爆笑)
日向:
(大喜多は)それを録音しても持って帰って、家でビール飲みながら聴いて、次の日のリハで(大喜多のマネをして)「あんなの弾いてたんだー?」って(笑)。
大喜多:
これは俺ナンバーワン大好きな曲! ビール飲みながら一人で「あ!これだな」ってなりました(笑)。
生形:
でも、この曲手数少ないよね?
日向:
こっちが不安になるくらい少ない(笑)。
大喜多:
あはは(笑)。
日向:
そういえば、これJUSTICE(フランスのエレクトロニック・ミュージック・デュオ)みたいにしたかったんだ。
生形:
あ、そうそう! 割とエレクトロな要素があるよね。右のギターも俺が弾くとノリが出ちゃって人間っぽくなっちゃって。もっと無機質にしたかったんで拓ちゃんに弾いてもらったら、すごい無機質になった。
村松:
俺は逆かと思って勘違いして弾いてたんだけどね(笑)。
一同:
(爆笑)
日向:
俺もこの曲はレコーディングでノリのいいベースを1回弾いたんだけど、嫌になっちゃってもっと人間味を帯びていない感じにしたくて、サンズアンプ(ブースター)全開にして録り直したんですよ。
生形:
そうだ、録り直してたよね。
日向:
そのくらい、こだわっちゃいましたね。
──人間っぽいグルーヴをなるべく排除していったと。
日向:
そうですね。
──で、この曲はタイトルが「Idols」ということで直訳だと偶像とかそういう意味になりますが、いま巷で話題のアイドルとかそういう意味ではないですよね?(笑)
村松:
違いますね。逆にそっちでもいいんですけどね(笑)。まあ、でもいわゆるアイドルというのに対しては否定的な気持ちになった事もあったけど、そういうことではなくて、いろいろ含ませて書いた歌詞なんです。だから、これは身近な人にも当てはまるし、すごい遠い人にも当てはまるし、いわゆる巷のアイドルにも当てはまるし、海外のロックスターにも当てはまるし、そういう全てのものに対して書いた歌詞だったりもするんで……でも、勘違いしてほしくないのは否定じゃなくて全肯定です。全肯定の歌です。すごく皮肉っぽく書いてますけど、全部肯定したいなと思って書きました。
 
──わかりました。では、最後の曲「キマイラの夜」。
生形:
この曲はアルバムの最後にこういう曲が欲しいってことで作った曲なんで、出来たのも最後ですね。
──この曲だけ異質に感じたのはそういう事だったんですね。
生形:
締切ギリでだったよね。たしか(曲作りの)最終日にひなっちが言ったんだよね。
日向:
そうだね。アルバムの最後に虚無感のある曲があったらすごくセクシーなんじゃないかなと思って、ナッシングスがやるからこそみたいなところで。で、出来るだけタイトにループのフレーズみたいなのをやるとセクシーなんじゃないかと俺は想像してて、それをみんなにプレゼンしてやってみた感じです。
生形:
それからは割とセッション的な感じで作っていきましたね。
──歌はファルセットから入りますね。めずらしいですよね、ファルセット使うの。
村松:
ミドルヴォイスですね、半分ファルセット。これは最初に虚無感というイメージの擦り合わせがあったので、そのイメージを感じるがままにやりました。
──コード進行もセッションで作っていったんですか。
大喜多:
メロディーはだいぶ早く入ってたよね。
村松:
イメージの共有が出来てたので、本当にメロディーもコード進行もすぐ出来ましたね。スタジオから帰ってすぐ家で考えて。
生形:
翌日には出来てたよね。
──そんな早くに出来たんですね。タイトルにはキマイラという言葉が出てきますが、キマイラとは?
村松:
キマイラって神話に出て来る動物です。この曲に虚無感を持たせるには二面性が必要だったんですよ、夢と現実という。眠っている主人公がいて、その主人公はなにかで成功しているけど、不安も抱えながら、眠りについている。それを象徴するのがキマイラ。キマイラって生きている場所によって、神だったり、化け物扱いされたりする存在なんですよ。だから対象者によって捉えられ方が違う、解釈が違う、そんな二面性のある生き方をしている主人公の夜ということです。
──んー、なるほど。
日向:
かっこいいな!
村松:
いいでしょ?(笑)
一同:
(笑)
──ヴォーカルも歌い出しから違うので、すごく新鮮な感じがしました。
日向:
浮遊感があるよね。
生形:
うん、そうだね。
──この曲もはやくライヴで観たいなと思いました。
日向:
ライヴでやったらかっこいいと思うよ。
村松:
結構(世界観が)深いと思うんで。
──そんな「キマイラの夜」からの「7th Floor」はアウトロ的なイメージですが、これはあわせて1曲というイメージですか?
生形:
つながっていますね。
大喜多:
2曲で1曲だね。
──この「7th Floor」というタイトルは?
村松:
アルバムが『Strangers In Heaven』なので、天国という意味ですね。天国って7階層じゃないですか。それと今回アルバム6作目なんで7作目も作りたいという意味を込めて。
日向:
次につながる階段的な意味で。
村松:
そうそう。
──なるほど! そして、これら12曲が収録されたアルバム『Strangers In Heaven』ですが、このアルバムタイトル、「キマイラの夜」「7th Floor」の話を聞いていると、前から決まっていたようですが。
村松:
実をいうと最初キマイラ、『Chimaira』ってアルバムタイトルにしようと思ってたんですよ。
日向:
最初は謎なタイトルだったよね、『Chimaira』。
村松:
あと『Neon』とか、二面性のあるタイトルにしたかったんですね。いろいろな人に聴いて欲しいという意味も込めて。で、いろいろ悩んでて『Strangers In Heaven』って案を出したら、満場一致でこれがいいってことになって。意味合い的には第三者意識的な感じが大きいですね。俺らからしたら顔の見えない人たちのところまで、この音楽が行くじゃないですか。フランスとかアルゼンチンとか北海道とか(笑)。本当にいろんなところに音は飛んでいくじゃないですか。俺らは本当に好きな事やってるし、自分たちの楽曲に対してもリスナー目線があって、こうやったらみんな超気持ちいいじゃん? みたいな作り方も多いし、そこに共感してもらえなかったら、ただの自己満足になる可能性もあったりするけど。でも、作ったからにはやっぱりその音が届いた人のいろんな場面に寄り添ってほしいなって願いもあるんですよね。だからアルバムタイトルの“Strangers”というのは、俺らからしたら顔は見えないけど音を聴いてくれている人たちだし、音を聴く人たちからしても俺らの顔がわからない人もいるだろうし、それを音楽でゼロ距離にして、音を聴いた人たちがそこから先の新しい物語につながっていってほしいなという壮大な夢を込めたアルバムタイトルだったりもするんです。もうちょっといろいろと理由はあるんですけど。ちなみに「(as if it's) A Warning」って曲にも“Stranger”って言葉出てくるんですけど、それはさっきのとはまた違う意味での“Stranger”なんですよ。アルバムタイトルでは“見知らぬ者”なんですけど、「(as if it's) A Warning」だと“奇妙な”とかそっちの意味なんです。だからアルバムを通して聴くとまた別の意味に聞こえるようにちょっと仕掛けがしてあるんですよ。聴いてくれる人たちを意識して作ってるんです。だから本当に聴いてほしいですね! そういう願いが込めてあるアルバムタイトルなんです。
──なるほど! このアルバムジャケットもそれが表れてるんですよね?
生形:
このジャケットはデザイナーがアルバムの音を聴いて、タイトルをみて作ってくれたんです。もうここ3作くらいずっとやってくれてて、すごくいいでデザイナーです。
日向:
バンドとシンクロしてくれてる。
生形:
本当にそうだね。
──このジャケットはかっこいいですね! 海外のバンドのジャケットみたい。
生形:
このCD、封を開けて帯外すとバンド名すら書いてないから。
村松:
あー、これはアナログ盤出したくなっちゃうね!
──アナログいいですね!飾りたい!
日向:
かっこいい!
生形:
(帯を外したCDを持って)これ誰だかわからないでしょ?(笑)
一同:
あはは(笑)
日向:
誰だか教えてあげようか?………………俺たち!!
一同:
(爆笑)
村松:
マジかー!!(笑) やられた!!(笑)
生形:
そういえばレッド・ツェッペリンの『IV』(当時の海外盤)って帯すらなかったんだよね?
──そうですね。
村松:
どうやって売ったんだろう?(笑) でも、このアナログは欲しいねー。
 
──さて、このアルバムのリリース後は全国ツアーが始まります。今回も日本各地まわりますね。
生形:
合計23本ですね。
──今回のツアーはどうなりそうですか?
生形:
今回はすごいでしょ…………たぶん。
一同:
(爆笑)
生形:
(笑)でも、俺はすごい頑張ろうと思ってる。今回は完璧にしたいんだよね。大きい会場は照明とか持ち込むんで面白い事出来そうです。
──ほかのメンバーはどうですか?
大喜多:
すごい練習をしているんですよ。ライヴに向けては俺の神経質さが出ているかな。うん。絶対に間違えない!
日向:
今回ナーヴァスだもんね? 音作りも相当詰めてるよね、リハ中もずーっとドラム触ってるし。
──今日、僕たちがきた時も他の3人はロビーにいましたけど、大喜多さんはずっとスタジオ内でドラム調整してましたね。
大喜多:
そこが俺が頑張るポイントだと思って、すごい集中してやれてます。
村松:
俺はなんだろうなー。今回はアルバム作るまでに、新しいことやるためにスキルアップしなきゃという気持ちがすごいあったんですよ、ギターに関しても、歌に関しても。だから今回ライヴはいろんな高いハードルがありますね。アルバムでは出来たけど、ライヴでも出来ないとね!っていうところがあるんで。練習あるのみです。
──そしてライヴ本番は?
村松:
今までのオーディエンスに対する姿勢は崩さずに、『Strangers In Heaven』というタイトルに込めた願いがあるんで、それをひとり一人オーディエンスが見える距離で、どういう風に対応するのかがテーマですね。でも、そっから先は人間力でしかないかなという気はするんで、自分を信じて、みんなそれぞれストーリーやいろんな気持ちがあると思うんで、それらを受け入れて、一緒にアツいライヴをどんだけ出来るかってことですね。
大喜多:
うーん、わかった。今の拓の言葉で俺もスッキリした部分があるな。演奏する事だけで自分がいっぱいいっぱいになることはしたくないから。
生形:
そこから先だね、演奏は出来て当たり前というところから先の部分。
日向:
自動演奏モードだね、無意識で体が動くやつ。
大喜多:
そう、そう!それを最初からしたいです!
生形:
度肝を抜きたいよね!
村松:
うん!
──最後、日向さんはどうですか?
日向:
僕ですか? 僕はもう楽勝ですよ!
一同:
(爆笑)
日向:
初日のリハから楽勝ですよ!(笑) でも毎回お客さんとつながりたいのは当たり前だし、そういうアツい想いもあります。ただ今回はサウンドメイクにもこだわりたいかな。もうちょい攻めたいというか、自分の気持ちいいと思っている音が、お客さんみんなが気持ちいいと思える音に近づけたいなと思っています!
──みんなライヴを楽しみに来ると思うんで、ツアー頑張ってください! 今日はありがとうございました!
Nothing's Carved In Stone : Strangers In Heaven Tour
DATE : 2014.9.10 (wed)
VENUE : Ishinomaki BLUE RESISTANCE, Miyagi
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : GIP 022-222-9999

DATE : 2014.9.12 (fri)
VENUE : Aomori QUARTER, Aomori
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : GIP 022-222-9999

DATE : 2014.9.14 (sun)
VENUE : Sapporo PENNYLANE 24, Hokkaido
OPEN : 17:30 / START : 18:00
INFO : WESS 011-614-9999

DATE : 2014.9.15 (mon)
VENUE : Asahikawa CASINO DRIVE, Hokkaido
OPEN : 17:30 / START : 18:00
INFO : WESS 011-614-9999

DATE : 2014.9.18 (thu)
VENUE : Mito LIGHT HOUSE, Ibaraki
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : DISK GARAGE 050-5533-0888

DATE : 2014.9.19 (fri)
VENUE : Sendai RENSA, Miyagi
OPEN : 18:00 / START : 19:00
INFO : GIP 022-222-9999

DATE : 2014.9.21 (sun)
VENUE : Niigata GOLDEN PIGS RED STAGE, Niigata
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : FOB NIIGATA 025-229-5000

DATE : 2014.9.22 (mon)
VENUE : Nagano CLUB JUNK BOX, Nagano
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : FOB NIIGATA 025-229-5000

DATE : 2014.9.27 (sat)
VENUE : Nagoya DIAMOND HALL, Aichi
OPEN : 17:00 / START : 18:00
INFO : JAILHOUSE 052-936-6041

DATE : 2014.9.28 (san)
VENUE : Hamamatsu LIVE HOUSE MADOWAKU, Shizuoka
OPEN : 17:30 / START : 18:00
INFO : JAILHOUSE 052-936-6041
DATE : 2014.9.30 (tue)
VENUE : Chiba LOOK, Chiba
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : DISK GARAGE 050-5533-0888

DATE : 2014.10.1 (wed)
VENUE : HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1, Saitama
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : DISK GARAGE 050-5533-0888

DATE : 2014.10.8 (wed)
VENUE : Shunan TIKI-TA, Yamaguchi
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : YUMEBANCHI HIROSHIMA 082-249-3571

DATE : 2014.10.10 (fri)
VENUE : Hiroshima CLUB QUATTRO, Hiroshima
OPEN : 18:00 / START : 19:00
INFO : YUMEBANCHI HIROSHIMA 082-249-3571

DATE : 2014.10.12 (sun)
VENUE : Kumamoto DRUM B.9 V1, Kumamoto
OPEN : 17:30 / START : 18:00
INFO : BEA 092-712-4221

DATE : 2014.10.13 (mon)
VENUE : Fukuoka DRUM LOGOS, Fukuoka
OPEN : 17:15 / START : 18:00
INFO : BEA 092-712-4221

DATE : 2014.10.15 (wed)
VENUE : Miyazaki SR BOX, Miyazaki
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : BEA 092-712-4221

DATE : 2014.10.18 (sat)
VENUE : Takamatsu MONSTER, Kagawa
OPEN : 18:30 / START : 19:00
INFO : DUKE TAKAMATSU 087-822-2520

DATE : 2014.10.24 (fri)
VENUE : ZEPP TOKYO, Tokyo
OPEN : 18:00 / START : 19:00
INFO : DISK GARAGE 050-5533-0888

DATE : 2014.10.25 (sat)
VENUE : ZEPP NAMBA, Osaka
OPEN : 17:00 / START : 18:00
INFO : KYODO INFORMATION 06-7732-8888
Nothing's Carved In Stone Official Website
http://www.ncis.jp/