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新機軸を打ち出したアルバム『REVOLT』をリリースし、2ヶ月間の全国ツアーを経て、生み出されたシングルは心に語りかけるようなメロディとダイナミックなサウンドで聴かせる「ツバメクリムゾン」と、シングルだからこそ出来るという実験的なアレンジを導入した「It means」の新曲2曲と、先日行なわれた "REVOLT Tour"ファイナルのライヴテイクを2曲を収録。まさにNothing's Carved In Stoneらしいシングルとなった今作と、1月に東名阪福で行なわれるツアー "Dive Into The Crimson Tour" について、ギター/ヴォーカルの村松拓とギターの生形真一に話を訊いた。

Interview & Text : New Audiogram
ツバメクリムゾン / Nothing's Carved In Stone
【初回生産限定盤:CD+DVD】ESCL-4137 ~ ESCL-4138 1,890yen (tax in)
【通常版:CD】ESCL-4139 1,223yen (tax in)
2013.12.18 on sale
  1. ツバメクリムゾン
  2. It means
  3. 村雨の中で (Live at Zepp Tokyo 2013.09.20)
  4. Sick (Live at Zepp Tokyo 2013.09.20)
「ツバメクリムゾン」 Music Video
<Nothing's Carved In Stone 「ツバメクリムゾン」 Interview>
──少し前の話ですが、ツアーの話から聞かせてください。7月から9月までの2ヶ月間の "REVOLT Tour" はどうでしたか?
生形:
『REVOLT』はわりとゆったりめのダークな曲が多くて、その曲をメインでやるツアーだったんで、その辺はチャレンジだったんですが、思いのほかうまくいきましたね。特にライヴの1曲目は「Assassin」という静かな曲っからスタートして。そういうことも初めてだったので、ツアー初日とかは「どうなるんだろう?」って思ってたんですが、思ってた以上にオーディエンスのノリがよくて、すごく盛り上がっているのがわかって、自分たちの糧になったツアーでしたね。
村松:
そういうところが(オーディエンスと)かみ合うようになってきたんだという実感がありましたね。自分たちが内にこもるような内省的なことをステージ上でやっていても、オーディエンスはそれを望んでいるというか……バンド自身が広がってきたということと、オーディエンスそれぞれに(バンドに対しての)ストーリーが芽生えてきているんだなというのが感じたツアーでした。あと、インタヴューとかで前回のアルバム制作がキツかったみたいな話をしたんですが、そういうところばかりがフィーチャーされがちで、実際どうだったのかな?って自分で考え直したりしてたんですけど、ライヴ前にみんなで音出してみたら全然フラットで(笑)、やっぱりバンドで音を出して、曲作ったり、ライヴやるのが出来ていれば、それだけでいいや!って思えた瞬間がツアー前にあったんですよ。だからツアーは、バンドの大切なところを再確認しながらまわれたというか……楽しかったです(笑)、純粋に。バンド楽しいなって思いながらまわったツアーでした。
──ちょっと話が逆になってしまいますが、今回のシングルにもそのツアーの最終公演のライヴテイク音源が収録されていますね、やはりメンバーにとっても充実のツアーで、手応えあったからこそ今回収録されてるんですよね?
生形:
そうですね。それもあるし、2曲しか入っていないシングルはさみしいじゃないですか? だったら、ライヴテイクも入れて……みんなもその方が喜んでくれるんじゃないかということで。昔の洋楽のバンドとかはシングルにライヴテイクいっぱい入れたりしてましたよね? 最近はライヴ1本通しで入れちゃうバンドもいますが、俺らは(ライヴ)DVDもあるので、今回はそのDVDに入れられなかった曲をシングルに入れてみました。
──なるほど。そういうのはスペシャル感があっていいですね。そして、このツアーファイナルの時もステージでイントロだけ披露していた新曲……
村松:
あはは!
──今回のシングル「ツバメクリムゾン」の話に移りたいと思いますが、新曲はツアー中どこかの会場で演奏したりは?
生形:
してないですね。
──このシングルの新曲2曲はいつ頃作ったんですか? アルバム(『REVOLT』)と同時期?
生形:
いや、夏頃ですね。ツアーが始まってちょっとしてから。ツアーの合間で4人で合わせられるのが4日くらいしかなくて……ネタを持ってきて、それを集中的に合わせて作りました。
──レコーディングしたのもツアー中ですか?
生形:
録ったのいつだっけ?
村松:
ツアー中だったよ。
生形:
ファイナル前ぐらいかな。
──あ、だからファイナルのとき、ああやってイントロだけやったんですね? 曲が完成したばかりで「かっこいい曲出来た!」って感じでテンション上がってたんですかね?(笑)
村松:
間違いないっすね、あはは(笑)。
──結構、最近に完成したんですね。では、曲作りの時はアルバム制作とは全く別モードで?
生形:
そうですね。この時期にシングル出そうというのは結構前から決まっていて、それに向けて作っていた感じです。
──シングルを狙って書いたという感じですか?
生形:
特に狙って書いたというのではなく、(スタジオに)何曲か持っていって、その中からみんなで選んだ2曲ですね。
──イントロからインパクトあってカッコいいですが、実際はどのように作っていったんですか?
生形:
実はイントロは一番最後に付けたんですよ。曲が出来た時はヴォーカル始まりだったんですけど、もうちょっと曲の世界観を大きく壮大にしたいねって話をして。元々は全然違う曲で、テンポの遅い16ビートでわりとUKチックな、アコギっぽいというか全然違うギターのリフがあった曲だったんです。でも、ツアー中だったからだと思うんですけど、すごいライヴ感のあるアレンジにどんどん変わっていって、こうなった感じですね。
──ツアー中だけに、ライヴの影響が大きかったんですね。
生形:
間違いないです。
──で、まずこの曲の何が気になるかってやっぱりタイトルなんですけど(笑)。
生形:
あはは(笑)。
村松:
ほら!この食いついてくれる感じ、まさにそれですよ! 気になってほしいなと思って。曲の中で言いたいことは言っているし、印象的なタイトルにしたいなと思って付けたタイトルなんですよ。
──タイトルと歌詞の内容との繋がりは?
村松:
内容的にツバメが主人公なところもあって……そのツバメが誰なのか、何なのか、聴いてくれた人が感じて、考えてくれればいいんですが。というか、言ったら気持ちいいじゃないですか?「ツバメクリムゾン」って。ほんとそれだけで(笑)。覚えてほしいし、ちょっと違和感がある言葉の方がいいかなと思って。タイトルがズバっときた方が印象に残るじゃないですか。
──曲が出来てからタイトルを付けたんですか?
村松:
そうです。曲が出来てから歌詞をつけて、タイトルはそのあとに。だから、そんなにタイトル自身に深い意味は無いですね。
──この曲でも思ったんですが、ナッシングスの曲ってタイトルに色を表すものが多いですよね? それはどのような意味合いがあってタイトルをつけてるのか気になったんですが。
村松:
色になるのは結構自然なことで、しかも「Red Light」とか「朱い群青」とか、わりと赤にかたよってて……。赤がいろんな景色を内包していると思うんです。血の色とか、噴火とか、情熱もそうだし、逆に地獄とか、孤独とかも赤で表せると思うんですよ、俺は。だから、すごく深くていろんな景色をみせてくれる色だなと思っているんで、そういうところが大きいですかね。今回は情熱の部分とか、それと比例して孤独の部分もあって……ミュージシャンって曲を作ってるときは一人の時間っていっぱいあるじゃないですか? そういうときに感じたものも一緒に表現したかったんで、“クリムゾン”という言葉にするのはどうかなと思って、今回はこのようにしました。
──曲が色を呼んでいるというところはあるんですか?
村松:
あまり理由付けはしたことないですけど、基本的に曲があって、その曲を演奏しているバンドの空気感とかにインスピレーションを受けることは多いんで、(歌詞を)日本語にしようとか英語にしようとかも含めて。歌詞もタイトルも(曲が出来た)あとに決めることが多いんで、それはあるかもしれませんね。
──その色で曲のイメージをメンバー間で共有したりということはあるんですか?
村松:
そういう話はあんまりしたことないですね。曲作る段階で、例えば(生形)真一がこういうコード感で曲を作ってきたら、こういう気分なんだなというのはわかるし、どういう曲調になっていくかでもわかるじゃないですか? だから俺がこういう歌詞を書いたら、気持ちは伝わっているんだと思うんですよね。あとは(作曲者と)同じ気持ちだろうなと思って歌詞を書いたりすることも結構あるんで、それはわざわざ言葉にして伝えなくてもいいかなと思っています。色って曖昧だけど、ズバっと景色が見えるんですよね。景色が見える曲の方が、いろんな人に寄り添えるだろうし、聴きたいと思った時に聴いてもらえたら、その時の気持ちにフィットするというか……そういう部分があると思うんですよ。具体的に言葉をずらずら並べて書くよりは、そういうほうが俺は好きなんで。
──なるほど。リスナーに色で景色を感じてほしいわけですね。生形さんは今回の歌詞についてどうですか?
生形:
歌詞については任せているので、俺はそんなに話してないですね。基本的に出来上がってきたものを見せてもらって、俺が気なるところがあれば言うし。やっぱり歌う人の世界観だし、書いた人の世界観が一番ですから。でも客観的に見られる人もいた方がいいと思うので、俺はそういうところで多少口を出すくらいですね。
──今回のメロディラインはキャッチーでいいですね。
生形:
メロディはほぼ最初に曲作ってきた時のまんまですね。しかもサビは当初の遅いテンポのアレンジの時と同じメロディが乗っているので、俺からしたら、めちゃくちゃ早くなってて(笑)。やっぱりキャッチーなものが好きだし、「キャッチーだから嫌だ」「ポップな曲は嫌だ」とか、その辺に対するこだわりもさすがに無くて、俺らがやればそこまでポップにはならないし。
──そうですね。ゴリっとしたロックな部分がありますね。
生形:
そうですね。その辺の自信はあるし、ちょうどシングルだし1曲聴いてもらうにはわかりやすいのもいいんじゃないかなと思って。あと、ここまでわかりやすい曲ってしばらくやってなかったので。
──そうですね、前回のアルバムは違う世界観でしたね。
生形:
はい。ダークでちょっとマニアックなこともやってたんで、真逆のことをやりたくなるんですかね、やっぱり。
──今回、歌声もすごくいいですね。歌いだしのところとか村松さんの声の魅力が出ていると思います。
村松:
俺の声がどこまで出るか、真一は全部知っているんで。作る時にそこに合わせて作ってくれてるし、俺もそれに合ってきたし、もう5年も一緒にやっているんで、そういうのがデカいですね。歌いたいように歌っても、メロディがスッと入ってくるようになったのもありますね。曲作っている時にどういう気持ちなのかは知らないですけど(笑)。
──もちろん村松さんをイメージして作ってるんですよね?
生形:
(笑)。まず音域から考えますね。上はここまで出て、下はここまで出るってのはわかっていますが、そこまで制約して作ってないですけどね。
──そして2曲目の「It means」ではまた少しマニアックな感じですが、これもツアー中に作ったんですか? 
生形:
そうですね。同じ時に一気に作りました。
──中盤のアレンジがまた新しい感じです。
生形:
あの辺は作りながら、普通の曲じゃ面白くないし、このまま終わっちゃうのももったいないから、面白いことやろうよって感じでセッションで作っていきました。細かいスネアのディレイとかはあとで入れていきましたけど。
──この曲はカップリングになるって前提で作ったんですか?
生形:
というより何曲か作って、みんなで選んだのがこの2曲って感じです。
──同じタイミングで何曲か作っていたんですね?
生形:
4曲ぐらいですね。その中の2曲が今回シングルです。
──ライヴで聴きたいですね、この曲。アコースティックギターのアルペジオとか。
生形:
やるとしたらアコギは使わず、エレキでやる感じだと思います。この曲はよく聴いてもらえればすごくマニアックで、7拍だけどそれを感じさせないリズムに出来たと思うし。
──変拍子とは思えないほど、シンプルにストレートに入ってきますね。
生形:
そうですね。そこら辺は俺らのこだわりでもあります。あと間奏以外は極端に音を抜いていて、アコギ1本にベースとドラムと歌。で、たまにギターがもう1本入ってくる。ここまでスカスカというか空間を作った曲は初めてですね。それもやっぱり新しいことをやってみたいというのと、シングルは(アルバムのように全体の)流れを考えなくていいのでいろいろ実験が出来る場だなと思って。
──なるほど。それでこの曲の歌詞ですが……。
村松:
歌詞は「ツバメクリムゾン」と繋がっていて、同じ人間だけど景色が違うだけという感じにしたくて…「ツバメクリムゾン」の“消えゆくまで”とか“からっぽの夜に叫べ”みたいな衝動的な感じで突っ走ってモノを作り出すんだけど、夜になって一人になると何してるのかな?って、ちょっと子供っぽいんだけど、そういう時の寂しい気持ちとか、そういうものを表したかったんです。そして、その大人の部分というか、そういうものも全部受け入れている、その景色を書きたかったのがこの曲です。「It means」。その感じが伝わってくれればいいかなと思います。
──そして今回はこのシングルを携えてのツアーがあります。珍しいですよね、シングルでツアーって。
生形:
ひさしぶりですね。
──なぜ今回のシングルを出してツアーをやることになったのですか?
生形:
前に一度だけシングルのツアーをやったことがあったので、もう一回やってみようかみたいな感じで。でも今回はその後に制作も控えてるんで、そんなに本数は多く出来ないので大きめの会場で大都市でやりましょうということで。
──もちろんこのシングルの2曲もやるんですよね?
生形:
そうですね。
──では、この2曲もやりつつ、『REVOLT』のツアーは終わっているので、これまでのベスト的な選曲のセットリストになる感じですか?
生形:
うん、やっぱりそこですね、やりたかったことは。5年経って、ほとんどアルバムのツアーしかしてこなかったし、最初のシングルのツアーの時は曲も少なかったから、ここにきてやっとそういう感じで出来そうです。ライヴでやりたかったけど、やれなかった曲がたくさんあるんで、それらをひさしぶりにセットリストに入れてライヴをやってみたいですね。
──アルバムしばりの足かせが外れ、より自由な感じですね。
生形:
そうですね。いままで一番自由にセットを組めるツアーだと思います。
──東京は2daysですし、セットリストも自由度が高いので楽しみです。最後にツアーに向けて意気込みを聞かせてください。
生形:
ナッシングスを5年やってきて……5年もやってればいろいろあるんだけど、いまバンドの状態はすごくいいんです、こないだのツアーもすごくいいツアーだったし。というか去年(2012年)あたりからバンドが一気に伸びてきている気がしてて。それはお客さんが増えたとかそういうことではなくて、バンドとしてのポテンシャルが上がって、バンドのカラーがどんどん出てきている感じがしていて……それにはいろんな理由があって、このいきおいを止めたくないのもあって、今回のツアーを組んだんですよね。バンドを始めた時には、どれだけ続けようとか考えたことも無かったけど、こうやってたくさんの人たちが集まってきてくれているのを肌で感じて、ここまできたら行けるところまで行ってやろうという気持ちが今年あたりからすごく出てきているんです。そういう意味でいまバンドの状態がめちゃくちゃいいので、ぜひツアーを観に来てほしいですね。
村松:
いままでライヴでオーディエンスに「こいよ!こいよ!」って言ってきたんですけど、もちろん次のツアーでも言うと思いますが、俺はもっとオーディエンスといっしょくたになって、ぐちゃぐちゃになってライヴをしたいんですよ。それ以上に、前から言ってるんですが、俺はオーディエンスと同じ目線にいたくて……。俺たちはバンドやってるだけで、ただ自分たちの面白いと思うことをやってる。それを観てくれた人は、俺たちが「がんばれ」って言わなくても前向きな気持ちになってほしいし、なるんじゃないかなって思ってライヴをやっているところがあるんで、今回のシングルも「がんばれ」と言わなくても前向きになってほしいし。とりあえず具体的なことはなくて、スカっとしてほしいし、面白いことを俺たちがやってるんだったら、「俺も面白いことやってみよう」って気持ちになってほしいんですよ。そういう人を俺らの周りに増やしたくて、そういうつもりでライヴしにいこうと今回も思っています。すごいプラスのエネルギーが満ちたところにしたいですね、ライヴ会場を。おこがましいかもしれないですけど、俺らのライヴ会場を発信源にしていきたいですね。俺らひとり一人はちっぽけだけど、みんな集まればこれだけ出来るんだという証明にもなるだろうし、そういうのをライヴにきた人たちと一緒に作っていきたいと思っているんで、飛び込んできてほしいなと思います。一緒に楽しみましょう!
Nothing's Carved In Stone : Dive Into The Crimson Tour
DATE : 2014.1.19 (sun)
VENUE : Fukuoka DRUM LOGOS, Fukuoka
OPEN : 17:15 / START : 18:00
INFO : BEA 092-712-4221

DATE : 2014.1.21 (tue)
VENUE : Namba HATCH, Osaka
OPEN : 18:00 / START : 19:00
INFO : SOGO OSAKA 06-6344-3326
DATE : 2014.1.22 (wed)
VENUE : Nagoya DIAMOND HALL, Aichi
OPEN : 18:00 / START : 19:00
INFO : JAILHOUSE 052-936-6041

DATE : 2014.1.29 (fri) & 30 (thu)
VENUE : Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo
OPEN : 18:00 / START : 19:00
INFO : DISK GARAGE 050-5533-0888
Nothing's Carved In Stone Official Website
http://www.ncis.jp/