2011.12.17 (sat) @ Shibuya O-NEST, Tokyo
LAGITAGIDAが渋谷O-NESTを拠点に隔月で開催してきた自主企画"LAGITAGIDA presents キャタピリズム"、これまであらかじめ決められた恋人たちへ、にせんねんもんだいなど多彩なアーティストを迎え行なってきたこのイヴェントの2011年最後となる回は、バンド初のワンマン・ライヴとして行われた。
この日は来年1月11日にリリースされるセカンド・ミニアルバム『CartaMarina』も上のフロアで販売。ファースト『CaterpiRhythm』が11月に全国流通されたばかり、彼らにとってチャレンジングな試みであったと思うが、飛躍の年をすさまじいパフォーマンスで締めくくってみせた。
「LAGITAGIDA、はじめます!」ギターの大竹がマイクを通さず挨拶しスタート。いきなり繰り出された轟音を聴きながら、初めて彼らの演奏を体感した"キャタピリズム#1"のことが思い出された。重装備の装甲車がとにかく遮二無二突進していくような、野性的なグルーヴと、なにをしでかすかわからぬ穏やかでないパフォーマンスに、特定のジャンルにカテゴライズできないエネルギーに圧倒されたものだ。
しかし今回のワンマンでは、自主企画を続けていくなかで、そこから曲ごとの色付けがはっきりしてきたというか、叩きつけるようなパワーから、いい意味でちゃんと曲をプレゼンしてる、というアンサンブルの整理が如実に感じられる。それはとりわけセカンドからのお披露目となる新曲群に顕著で、「Nautilus」そして「狩りに行く時の曲」というMCの後にプレイされた「Huntin'」のドライヴ感には、ファーストとはまた異なる風景が喚起される。
持ち前の(といったら失礼か)変態っぽさ、フリーキーな感じをそのまま出すのではなく、幾分下世話なくらいくっきりと曲の骨格をはっきりとさせる音のレイヤーが、音圧一辺倒ではなく、「聴かせる」バンドとしての成長が頼もしく映る。とりわけこの夜は河野と矢澤によるリズムセクションのしなやかさと表現力に目を見張るものがあった。ふたりが織りなすベースとドラムの語り口は、言葉では決して補いきれない豊かさを持っていた。
この日は『CartaMarina』の発表とともに、3月にSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)出演も報告。アンコールはドラムの矢澤がまず登場してドラム・ソロから、サポート・キーボードも加えた4人のサウンドが重なっていく。
頭をかきむしりながらの演奏がトレードマークとなった大竹が、最後にはモニターに乗り客席に乗り出すまでのパフォーマンスで、外側に向かう開放的なエネルギーをたっぷり感じることのできるライヴが終了。「2011年はみなさんおかげでやってこれたと思います」という謙虚な言葉の奥には、2枚のミニ・アルバムとワンマンと2011年を大充実のうちに終えることのできた万感の思いがうかがえた。
Text : Kenji Komai
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)
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