2007.1.19 (fri) @ LIQUIDROOM ebisu
空間に放たれた無数の音の結晶
インストゥルメンタルのロックバンドとしては異例の人気を誇る4人組バンド、toe。彼等のニュー・シングル『New Sentimentality E.P.』の発売記念ツアーの東京公演をレポート。
会場に入るとスグに異変に気づく。ステージ上にも観客がいる、そして下手には人だかりが…。前回のアルバム発売記念ライヴの時のようにフロアに楽器を並べて演奏するようだ。ライヴとしては少し見にくいが彼等には意図があってそうしているのだろう。
暗転してアコースティックギターのコラージュ音のSEでメンバーが現れた。そして、手拍子が始まり、ギターのアルペジオが鳴る。ニュー・シングルと同じオープニングだ。シングルの曲ではメンバー4人以外にも鍵盤奏者が参加してCDに近いアレンジで再現している。
照明はほとんどなく完全にバンドから繰り出される音像のみで会場内を染めていく。
上下左右に広がるワイドでパノラミックな2本のギター、その中心を支えるベース、そしてその中を自由に飛びかうドラム。toe以外、何者でもないサウンドにオーディエンスは固唾を飲んで聞き込んでいる。
曲間も目立ったMCはなく、メンバーは楽器のチューニングをしている以外、ほぼ無音。途中、子供の「がんばって!」という声援にオーディエンスの緊張の糸も切れてか笑い声がおきる。しかし、また演奏が始まればバンドの放つ音を捕まえようと異空間へ身をゆだねていく。インストゥルメンタルだけにバンドの演奏にはストイックさを感じた。
日本には今のところ、彼等以上のインストゥルメンタルロックバンドはいないだろう…。是非、海外にも出て行って欲しいと思う。
Text : New Audiogram
Photo : Ryo Nakajima(SyncThings)
Set List
01. 繋がる遥か彼方
02. 1/21
03. yoru wa akeru
04. New Sentimentality
05. tremolo + delay
06. velvet blanc
07. むこう岸が視る夢
08. all I understand is that I don't understand
09. C
10. 孤独の発明
11. leave word
12. i dance alone
13. 1, 2, 3, 4
14. I do still wrong
15. everything means nothing
16. path
17. past and language
-Encore-
18. グッドバイ
PHOTOS
Photo : Ryo Nakajima(SyncThings)