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LIVE REVIEW

“Zoff Rock Festival”

2008.1.29 (tue) @ Shibuya O-EAST
ACTs : bonobos / SPECIAL OTHERS / MARS EURYTHMICS / シュノーケル
DJs : Gakuji "CHABE" Matsuda (CUBISMO GRAFICO) / AkiratsuneokA (CGF, Hi-STANDARD)
MC : Bryan Burton-Lewis (Third Culture)

第一回 眼鏡音楽祭

メガネとロックの画期的なコラボレーション、Zoff Rock Festivalの記念すべき第1回が開催された。

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ライヴのスタートまではDJの松田“CHABE”岳二がファンキーでカラフルな選曲で会場を温めるなか、スクリーンには思い思いのメガネルックのオーディエンスが次々と映し出される。

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最初にステージに現れたのはシュノーケル。ざっくりとしたオルタナ感たっぷりのギター・サウンド、80年代的ともいえる豊かなメロディの起伏が心地よく、伸びやかなボーカルと音源よりもさらにワイルドな音の鳴りが高揚感を呼ぶ。
「Zoffさんにはお世話になっています」という彼ら、ただいまツアー中ということもあり、短い時間ながら脂の乗った演奏を見せつける。UNICORNのカバー「おかしな2人」では改めて、いい歌といい演奏をベーシックとする彼らとUNICORN/奥田民生との近似値を感じたし、「波風サテライト」にはいつでも胸のすく思いがする。力強い彼らのパフォーマンスを堪能することができた。


続いて登場するのはMARS EURYTHMICS。「Zoffさんからメガネをいただきました」というイッソンはメガネを持ち上げながら楽器のセッティングをしている。

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若々しさと安定感、分厚いアンサンブル。カオティックなまでの荒々しいバンドのアンサンブルと、イッソンのまっすぐな歌。アルバムを作り始めているという彼らは、マイペースだけれど、とても実りのある活動を続けているようだ。

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この夜も『Range over hill and dale』『The blend of a cabanon』という2枚のアルバムにある、エモーショナルで、ソリッドで、限りなく優しいしなやかさを感じることができた。ラストはオーディエンスと記念写真をパチリ。

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この夜は松田“CHABE”岳二に加え、akiratsuneokaもDJに参戦。そのパワフルなドラム・プレイとはまた印象の異なる、ダンス・クラシックなDJプレイに会場は大いに沸いていた。

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3番手はbonobos。このところどんどんフリー・フォームになっていくのは、メンバーの髪型や衣装だけではない。オープニングからいきなり「THANK YOU FOR THE MUSIC」。ハンド・クラップとともに、会場がとてつもない一体感に包まれる。

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「ようこそZoff Rock Festivalへ!」いつもの通りひょうひょうと蔡が語りかける。この夜はベスト・アルバム『Pastrama -best of bonobos-』のリリース直前ということもあって会場の期待感も最高潮で、本当に伸び伸びとオーディエンスとの音での対話を楽しんでいるのが感じられた(そう、「THANK YOU FOR THE MUSICはそのベストの1曲目でもあるのだ)。新曲「ファンタスキッス」「Someway」ももちろん披露されたが、「光のブルース」「運命の人」といった代表曲の格段のパワーアップぶりにも驚く。なかでも「Night Apes Walking」の強靱なダブ・アレンジは、最強のライヴ・バンドとしての実力を見せつけてくれた。

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ラストを飾ってくれたのはSPECIAL OTHERS。広いO-EASTのステージ上にクッとセンターに固まった4人がかっこいい。見慣れないメガネ姿も、なぜかしっくりときてしまう。スタートの「NGORO NGORO」からフロアが揺れる。そのオーディエンスの期待感に応えるように、抜群に安定感のある演奏のうえで、彼らの多幸感に満ちたメロディアスな楽曲が映える。

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ニュー・アルバム『QUEST』の先行シングルとしてリリースされた「Laurentech」、そして「Night Paradise」も披露されたが、圧巻だったのは後半の展開。「STAR」~「AIMS」~「IDOL」~「GOOD MORNING」と、目がくらむような必殺ナンバーの連続。ワンマンでの長いセットや、野外での開放感に溢れたパフォーマンスもすばらしいけれど、ホールでの密室性のなかで繰り広げられる、まるでアッパーなDJプレイのような、そしてスタジアム級の迫力とテンションは相当なもの。

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「Zoffを通してこうしたフェスができて最高でした」。SERIZAWAがMCで言っていたように、すべての人が手を掲げるお客さんの盛り上がりも、数年前だったらこんな光景を誰が予想しただろう?それは紛れもなく彼らが自ら切り開いた功績であり、冬フェスの代表となるに違いないこのイベントに登場した彼らに、改めて〈フェス王者〉の称号を与えずにはいられない。


Text : Kenji Komai
Photo : Ryo Nakajima (SyncThings)

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